FEATURE2019/4/20California Dreamers #2
Photo by Ryota Kemmochi, Rie Sawada, Toyoshige Ikeyama / Text by Rie Sawada
Road to NAHBS
Unofficial Day / Solo Adventure
Ride Start : 16:30
Peak Arrived : 20:00
Distance : 15 mile (24km)
Elevation Gain : 3,068 ft (935m)
Rival : Mountain Lion
Sugarloaf Climbing was A Killer!
最後にカリフォルニアの太陽のもとでサーフィンしたのはたしか去年の11月だったっけ… 5ヶ月ぶりのサンサンサニーの青空カリフォルニア出張トリップ。
SimWorks USAが拠点とするポートランドは只今雨季真っ只中。
ポートランド人はハロウィン(10月31日)あたりから、5~6月までの半年間が雨季だと認識している。
私はというと、出発前日までウキウキしながら毎日のようにSanta Rosa, Sacramento, San Fransisco, Santa Cruz, LA, San Diegoの天気予報をチェックしていた。 それによるとカリフォルニアは毎日が27〜30°近くで晴れマークが続く、私のカラダは心底太陽からのビタミンDを欲していた。
新しいワークバディのスティーブンとともにポートランドからサンタローザまで運転を交代しながら、約12時間 (約1000km) の道のりを私たちの愛車、アストロ号を走らせた。
しかしながら、道中のオレゴン州とカリフォルニア州の州境にある、一番大きな峠のSiskiyou Pass(Mike DeSalvoが拠点にしているアシュランド近辺)ではなんと雪が降りだし、1997年製で2WDのアストロでそこを越えるのは本当に怖かったというのは女子な建前で、そのどんどんと吹雪になっていくさまを見て、非常にエキサイトしてしまったのだった。
私にとっての一番の不安は、果たしてカリフォルニアは晴れているのだろうか…?
目的地サンタローザが近づき、ナパのワイナリーに沈みゆくサンセットがフロントガラスに反射し、眩しくて運転が怖かったけど、ここで初めてカリフォルニアにいる実感がしてきた。
カリフォルニアの太陽と青空。
明日から始まる#RidetoNAHBSプロジェクトにも胸を躍らせていた。
日本から渡航してくれた、SimWorks Japanクルーたちとシシップ家で久しぶりの再会、これから始まる決戦の舞台へ、頼もしい味方の勇者たちが増えた気分。 すっごくうれしかった。
カラッとした青空の太陽の下、みんなでビールを飲みながらワキャワキャあーだーこーだとNAHBSのショーバイクとともに、私の新しい相棒になるDoppo ATBの最終調整をした。
日本からハンドキャリーをして持ってきてくれた、新製品タイヤのSUPER YUMMYをDoppo ATBに履かせ、こちらも新しくスポンサードしてもらったOutershell Adventureの 137 Basket Bag をずっと愛用しているPotluck Rackへ載せ、気持ちも含めて着々と準備が進む。
でも、「お腹空いたね? りえぼう出発前にRussian River Brewingにランチにでも行こうか!」とジェレミー。
サンタローザ、いやベイエリアでは超有名なブルワリーでずっと行きたかった念願のロシアンリバーに出発前の腹ごしらえに。 偶然のタイミングで、サンタローザ在住の友達、ニックとSklar Bikesのアダムたちも来店し、彼らも私たちのテーブルに加わり、私は出発前だと言うのにのんびりみんなとの時間を楽しみ過ぎた。
本当に楽しい誘惑に弱い私。。。
「Are you still here, Rie? haha. 」
リエ、まだ出発しないの? (笑)とジェレミーがジョーダンを飛ばす。
もともとのライド計画は、ニック、アダムとしげちゃんと一緒に次の日の朝にサンタローザを一緒に出発し、1泊2日かけてNAHBS会場まで自転車で来場するのが予定だった。
のだが、、、ニックが作ってくれたルートを事前チェックした時に「やばい、マジで軽いノリでこの企画に乗っかってしまった。」と後悔。 パソコンでズームインしてルートのデモンストレーションをすると、ほぼオフロードの上、激坂の山越えばかりのルートで(180km / 2590m ↑)ポートランドの雨季の最中ではあまりライドが出来ていなかったのと、2年前の大腿骨骨折の古傷がまだ痛む膝を抱える私がこのルートを2日で走るのは絶対無理! 私は皆より一足早く、ひとりソロで1日早く出る決意をしたのだった。
が、案の定、いつも通りに人との交流を楽しみ過ぎた結果、夕方の16:30に出発することに。(CharRie’s Cafe European Tourの時と全く同じ時間!)
ジェレミーの娘のリアが「いつ出発するの? まだいるの? ここら辺はマウンテンライオン居るから、うちにあるベアスプレー絶対に持って行ってね。」と心配してくれた。 私はといえば「マウンテンライオンに噛まれた頃にスプレーしてももう遅くない? 私はきっと大丈夫!」とカリフォルニアの天気のように能天気?!
実は私は去年の夏にジェレミーとニックたちとでサンタローザのAnnadel Park でのMTBライド中にマウンテンライオンらしき動物を目撃したことがある。
それを今思い返すと、一人でこの付近の山に自転車キャンプへ行くのはちょっと怖いな〜と感じてはいたけども、それよりも1泊2日でこのルートを完走するのは無理、でもどうしても新しいDoppo ATBに乗ってNAHBS会場まで完走したい! そしてみんなとこのライドストーリーをシェアしたい! だったら夕方でも夜でもみんなより早く出発しなくちゃ!という意識の方が勝ってしまった。
上りの途中までは運転ばかりで体がなまってしまい、走りたくてしょうがなかったスティーブンが一緒に付き合って走ってくれたけど、すぐに日が暮れはじめ、彼も早々に下山。
初日の登りはかなりの激坂続きでいきなり平均10%以上のグラベルを1000m近く登ることになった。
シュガーローフの頂上に着いたのは20:00くらい、すっかり日も暮れていて、おまけに風も強すぎてそこではテントを張れる状態ではなかったので、このまま真っ暗闇の急な激坂を降る選択しかなかった。
峠の向こう側に街の灯りが見える。 がんばってあそこまで行ってみよう!
その街の灯りは近く見えたもの、当然辿り着く気配は全くなし。
真っ暗闇のシングルトラック&スーパー激坂グラベルダウンヒル。 ビールとワインとコーヒー豆が入った重いフロントバッグ。 しかもハンドルにライト付けてもフロントバッグが邪魔で前が見えないし、何これ!?
後輪をスキッドしながらのダウンヒル、めっちゃ怖いーーー!
さらには3~5mおきに、私のヘッドライトが何かの動物の目に反射してきらきらと光っている。
え、何?
何の動物??
コヨーテ???
まさか、マウンテンライオン????
結果、立ち止まってよく見ると、それはウズラが道端で寝ていて、ライトが当たるたびに目が反射して光っていたのでした。
あー、怖かった。
でも、もうちょっとがんばって街まで行ってみよう。
(その時行けると思っていたが、翌日絶対無理だったことにあとで気づく。)
30分ほど下った後、偶然テーブルを発見。
そう、ここは奇跡的に遭遇したView Spot だったのです。
そして無風。
ライトもいらないほど星空が超きれい。
ラッキー! いままで神様なんて信じてなかったけど、神様?ご先祖様?は私を見守っていてくれたのだろう。
きっと私は疲れてるし、激坂降るの危ないし、ここでテントを張れというサインだなと決断。 でもキャンプ施設でもないし、ひと気が全くなく、マウンテンライオンがいる地域だから、ちょっと怖くなり、早めにテントに入って寝ることに。
明日の朝の景色が楽しみだなぁ〜。おやすみなさい。。。(でもちょっとマウンテンライオン怖いので、私はナイフを枕元に置いて就寝。)
その夜のことだった、私はマウンテンライオンか何かの獣が自分の体の上にドーンって乗っかってくる悪夢を何度も何度も見てしまい、、、そして夜中に吹く風音は次第に強くなり、なかなか寝れなかった。 でもきっと私がテントの中でうなされてたのか? おかげでマウンテンライオンはこのテントを不気味に思ったのか、何者にも襲われずに生き延びれたのは幸運の証かな。
早朝、のぼる朝日を見ながら飲むコーヒーは最高だった。
明るい早朝でのダウンヒルは最高だろうな〜。
私、下るの大好き!! とワクワクしながら出発した。
が、しかし・・・!
Oh my goodness!
めっちゃこわーーーーーーーーー!
いきなり超スーパー激坂下りからのスタート。
急坂すぎて歩いて下れないし、ブレーキかけたら転ぶから、もうとにかく勢いよくバランス良く乗ってGO!って行くしかなかったのだった。
勢いがつきすぎて、やばい、道間違えたと思ったが、止まることも出来ず、結局 激坂を20分も下ってしまい、間違えたトレイルの一番下まで下ってしまった。
自分が今来た道を見上げて途方に暮れる… きっとみんなに抜かされてるか、追いつかれてしまうだろうな〜… 仕方がないけど重い自転車を1時間押して登りかえす。
でもやはり登りかえした先の景色は最高だった。(当然)
再度、絶景を楽しんでいる間、予想通り、他のライド仲間たちにソッコー追いつかれてしまった。 私がみんなより早めに出発して、一晩かけて登った1つの山を彼らはそれを2時間で越えてきたのでした。
ここから私は正式にメンバーの仲間入りをし、この日は一日中ずっと山を登り、予想外にも他人の私有地のシングルトラックを何度か走らなければいけなかったり。。。 私は遅いのでいつも最後尾、銃で撃たれるんじゃ無いかといろいろな意味でハラハラドキドキのアドベンチャーな1日でした。
出発する前、ニックやアダムは「心配するなよ、リエ〜! このルートはSUPER CHILL RIDEだから、大丈夫だよ♪」って。
さすが、アダムはバーンズのスニーカーにフラットペダルでさくさく登るし、ストロングぼーいず達についてくのは本当に大変だったけど、でもやっぱりみんなでワイワイ走るのは、一人よりもぜんぜん楽しいって!
FUN RIDE TOGETHER!
Road to NAHBS Official Days編へと続く。
NEW NAHBS FEATURE SERIES
California Dreamers #1 | Text by Shinya Tanaka
California Dreamers #2 | Text by Rie Sawada
California Dreamers #3 | Text by Nicholas Haig-Arack
California Dreamers #4 | Text by Toyoshige Ikeyama