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2024/7/26

Remember California saga? – CALSAGA is BACK

TEXT by SimWorks / PHOTO by 2komat and Go

乗り物を操縦するために備え付けられている様々なハンドル。車のハンドルは円という完全な形ひとつに集約されていたり、馬などを操作する手綱は定型を持たなかったりとなかなか面白いのですが、自転車ほど多様な形状のハンドルがある乗り物も珍しいのです。

日東の工場は無機質な金属による有機的な造形であふれている

動力がヒューマンパワーであるために、機械側でなく人間側の都合に合わせた無数の形が必要なのです。身体に即する形、速く走るための形、楽に走るための形、安定して走るための形、装飾的な形。工業製品でありながらもバイオロジカルでプリミティブな形は自然造形と同じ美しさ感じます。

CALSAGA BAR – ツーリングブルホーン

曲げで突き出しと落差を出すドロップハンドル、スウィープとライズで安定した走りを生み出すフラットバーなど様々なハンドルがありますが、SimWorks by NITTOが今回復活させたのはツーリングブルホーンバーの Calsaga Bar / キャルサーガ バーです。 これもひとつの完成された形状です。

一般的な上から押さえ込んで安定した操作がしやすいフラットバーの概念と、サイドが突き出しているために腕を捻らずに無理なくエンド部を握る事ができるバーエンドの要素を併せ持ち、無駄を省きながら利便性を両立させた合理的でシンプルな形状のハンドル。エンドの突き出し部分を握ってダンシング、しっかりと腰を据えてのシッティングするどちらのシーンでも、そしてフラットな部分を握ってバイクを流すシーンにおいても、誰もがその使用感を身体イメージとして想像する事ができるはずです。

ブルホーンの名の通り自転車のフロント部分に突き出すアグレッシブな造形も魅力的ですが、牛のツノには自身の身幅を把握する感覚器としての役割があるように、今回新しくなった 600mm というハンドル幅と僅かに手間にスウィーブし、かつ僅かにライズする形状がオンロードでもオフロードでも絶妙なライド感覚を得る事に役立つでしょう。

旧時代に流行したバーエンドバーではなく、一本のパイプを曲げている潔さもキャルサーガ バーの魅力なんですが、特徴的な曲がったエンド部分にクローズドスタイルのステムやレバーを通すのは実際やや難儀する場合があります。それはまさに生物の形状に機械の都合が干渉する部分、近年では主流になったオープンクランプのものを使用するのは無難な選択ですが、熟練のメカニックなら、蓄えてきたその知見とさまざまなツールを用いて、傷を最小限にクローズクランプのステムやブレーキレバーなどを通す事は可能でしょう。

ハンドルは取り替えできる身体パーツ。新しいCalsaga Bar をあなたの経験値に加えてみてはいかがでしょうか?

SIMWORKS Calsaga Bar

Material : CrMo Steel
Width : 600mm
Center diam. : 25.4mm
Bar diam. : 22.2mm
Inside dia. : 19mm
Color : Dullbright