【Updated】Taco Pedal – High Polished Cup & Cone Bearings!!!
TEXT by SimWorks / PHOTO by Kimura Masashi / MOVIE by Go
最近また SimWorks のプロダクトを生産している工場を巡っています。そこでは大小様々な機械が動き、少なくない工程で人が手を動かしてモノ作りを進めています。
当たり前の事ですが、図面で指示した通りのものが、どこか預かり知れないところで勝手にできてくるのではなく、私たちの意外と近くで、人の手と目と経験と様々な技術によって出来上がってくる光景を目にする事は感慨深いものがあります。 当たり前の事は簡単な事ではないのです。
先日は SimWorks by MKS として一緒にペダルを製作している三ヶ島さんの工場にお邪魔しました。 その様子をショートムービーにしましたので、ぜひリール動画でチェックしてみてください。
人の手を介するペダルを
ペダル製造の現場で働く職人さんたちに感化され、私たちは Taco Pedal のアップデートを行う事にしました。 外から見えない部分のマイナーアップデートですが、重要な変更です。 ペダル軸のベアリング部分がハイポリッシュ仕様になったのです。
Taco Pedal はカップアンドコーン形式のベアリングで回転します。 そのベアリングと、ベアリングを受けるカップの部分がピカピカのハイポリッシュに研磨される仕様となります。
以下の写真がハイポリッシュと従来品の比較です。 すべての写真の左側が新しいポリッシュされたタコペダルですが、より研磨され、精度が上がっていることがお分かりいただけるでしょう。
そして、これまでは一律に機械でねじ込んでいたものが、ハイポリッシュになることで、人が玉当たりを調整する工程が追加されます。
その2つの工程を経ることで回転性能もアップします。 これは競輪用のNJSペダルと同様の仕様です。
車の製造でも最終的な品質チェックは熟練検査員の手で触って行います。人間に備わっている種々の感覚器やそれを処理する頭脳の精度やスピードに勝る機械はまだ無いようです。職人一人一人の感覚がペダルの製造にも活きています。
玉当たりの調整
3つのシールドベアリングが圧入されている Bubbly Pedal と比べると、カップアンドコーンの Taco Pedal は回転性能が若干落ちますが、最終工程に人の手による調整が入るということは、分解してメンテナンスできるということです。(Bubbly Pedal のベアリングはメンテナンスフリーとなっているので分解メンテナンスは行えません。)
雨や埃が入って回転が渋くなったりした場合の分解清掃はもちろん、球当たりやグリスの量などの調整もお好みに合わせて行う事ができます。
この玉あたりの調整には、MKSのペダルキャップを外す専用工具 Cap Spanner に6mmのアーレンキー、12mmレンチ、15mmのソケットレンチを使用します。
埼玉県にある三ヶ島工場の熟練工の皆さんによる精度の高い組み付けも、プロメカニックによる組み付けも、自分でバラして調整するファジーな組み付けも、しっかり手を動かして組み付ける事で、より愛着の湧く Taco Pedal になるかと思います。 ぜひ一度ご賞味ください。
SIMWORKS Taco Pedal – High Polished
Size : W105 x L110 x H33 mm
Weight : 498g (pair)
Body Material : Aluminum Alloy
Plate Material : Aluminum Alloy
Spindle Material : CrMo
Bearing : High Polish Cup & Cone