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2020/12/15

Honjo smart installation

Text By Steven Smith / Photo By Rie Sawada from SimWorks USA

このエントリーでは、Honjo フェンダーの取り付けを完璧にするための基本的な情報を説明します。その前段階、フィッティングについては以下の投稿を御覧ください。
>>> Honjo fitting issue

Honjo フェンダーの取り付けといえば時間がかかり、若干の経験値と計算までをも必要とする、ちょっと煩わしい作業という印象を抱かれるかもしれません。しかしそれを通り越してしまえば、とてもエレガントなルックスを獲得し、泥水から体が濡れるのを防ぎ、一年を通して自転車を心地よく走らせることができるようになります。 

ここでの取り付け方法はタイヤとフレーム、そしてブリッジの間に適度なクリアランスがある自転車の場合に限り、どんなガレージにもあるような基本的な工具での取り付けが可能だと思っています。私自身 (Steven Smith / SimWorks USA) は、この作業に関して特にエキスパートであるとは思ってはいませんが、若いうちから自転車屋で働き、この類の商品を何年間も扱ってきました。そこで取り付ける際のちょっとしたトリックやショートカット、作業をよりスムーズにできるような説明をしたいと思います。ただし、取り付ける自転車によって方法が違ってくる場合があることを念頭においてください。以下の方法が必ずしもベストではないかもしれませんし、他にも良い方法が見つけられるかもしれません。

まずどんなフェンダーの取り付けにおいても必要不可欠なこととは、フェンダーのセンターラインを見つけることです。簡単な方法は、まずは麻紐などでフェンダーをぐるりと緩みの無いように巻いて、結びます。そしてフェンダーの両端にあたる部分に印をつけください。印をつけた紐を取り外し、印が揃うように折ればその頂点が両端から等距離の、つまりフェンダーのセンターラインとなる点、という訳です。テープメジャーなどもカーブした表面に対しての計測が非常に簡単になるので使用した方が良いと思います。

個人的に最初の取り付けはリア側から始める方が良いかと考えています。なぜなら、一番時間のかかる部分なので、まず最初に終わらせた方が後が楽だという考えに基づいています。ドリルで穴あけをする前にフェンダーを取り付ける場所の確認してください。そこに最適なクリアランスがあるかどうか、そして自分が持っているパーツで確実にその場所で止めることができるかを再確認するための作業です。

リアフェンダーの先端部分(前側)がチェーンステイブリッジの下までくるようにしてください。先端の丸まっている部分がシートステーの下面から飛び出しているくらいがちょうどいいでしょう。シートステーブリッジから作業を始めるのは、その固定場所を基準にして取り付けを進めていく為です。

*ホリゾンタルドロップアウトがついた自転車についてですが、空気を抜かなくてもホイールが簡単に装着や取り外しができるくらい充分なスペースを確保しましょう。

穴を開ける箇所には予めマスキングテープを貼っておきましょう。ブラックのフェンダーには特に必要不可欠な作業ですが、もちろんシルバーにも使える方法です。マスキングテープをすることで印を正確につけることができ、穴を開ける時や印をつける時にドリルの刃がすべってずれてしまうことが少なくなります。さらに、フィットする箇所を試行錯誤する最中に傷がつかないようにするのにも役立ちます。フレームデザインや取り付け方法にもよりますが、シートステーブリッジの下部に直接取り付けるための1つ穴の場合もあれば、ハト金具、または Diamond Platesをつけるために2つの穴をあける場合もあります。ハト金具のフロントとリアの寸法はそれぞれ違いますのでご注意ください。

*それぞれの金具にある穴の間隔も違うので必ず正しい金具を選んでください。
*フレームのデザインによっては、より長いハト金具が必要になる場合があります。その時は付属の取り付け部品ではなく、別の部品を用意する必要が出てきます。

前述したセンターラインを出すために作ったツールを使い、そのライン上にハト金具を取り付けるための2つの印をつけます。本番の大きな穴を開ける前に、まず小さな予備穴を正しい位置に開けると良いでしょう。穴が開けられたら同時に小さなやすりで整えておくことも忘れずに。

次はシートステーブリッジです。タイヤクリアランスが充分に確保され、それがチェーンステーブリッジ部のクリアランスと近くなるような位置をイメージしましょう。後端までが均一なクリアランスであることが理想です。フェンダーとシートステーブリッジの空間はワッシャーやスペーサー等で調節します。

この Leather Washer & Collar set はフェンダーの割れを防いだり、綺麗なスペーシングに役立ちます。


適切なクリアランスが保てる位置関係を見いだせたら、テープに穴位置の印をつけます。 ここではダイアモンドプレートを使用しますので、まずは上下の小さな穴を開けます。

センターラインに沿って付けられたこの2つの印のちょうど中間点に、チェーンステイブリッジに取り付けるボルト用の穴を作ると良いでしょう。先ほどのチェーンステイブリッジ取り付け方法と同じように予備穴をあけ、その後使用するネジの大きさに合わせて穴を広げてください。取り付けの際に使用するボルトは、頭が丸く低いものがお勧めです。

両方のブリッジが確実に固定されたら、次はリア側のUステーの最適な取付箇所を見つけていきます。Uステーの取付箇所は、フレームのサイズや構造によって変化します。美しさと強度のバランスを考慮して決めていく必要がありますので慎重に進めましょう。地面と平行より少しだけ上に上げる(チェーンステーの延長線と重ねる)のが見た目には綺麗です。しかし、シートステーブリッジ固定部分より後の部分があまりにも長すぎないようにしてください。シートステーブリッジの取り付け部分に過負荷がかかるとそこから割れてしまいます。この取り付け例の様にフレームサイズが小さい場合などは、もっと高い位置にUステーを取り付けるか、間にもう一本Uステーを追加してください。取り付け部分の設置箇所を確認した後、Uステーを固定させるために 5R クリップまたは 4R クリップを取り付けます。確認した後に取り付けることで、溶接された場所やディスクブレーキなどにUステイが干渉することがなくなります。他にもUステイに リフレクター、もしくはリアライトを取り付けるかどうかを考えてください。

前回のステップと同じように、フェンダーにテープを貼り、センターラインの印をつけ、そしてUステーの場所を確認したら、ステーバンドを使用してこのブラケットを取り付ける際の2つの穴の印をつけます。

*Whittle Type Clamp を取り付ける場合は1つの穴で大丈夫です。

Uステーには「Honjo」という文字が片方に刻印されているのですが、それをドライブサイド側になるように取り付けます。 そしてフェンダーとタイヤのクリアランスが適度となる長さを見つけていきます。リアホイールが装着されたまま、フレームに仮留めした R クリップにUステーを通し、丁寧にフェンダーをタイヤから浮かせて、ステーブリッジに装着したように充分なクリアランスがタイヤとの間にあるか、フェンダーラインが真っ直ぐになっているかどうかを確認していきます。もしUステーが長すぎる場合は切り落とす必要があります。また装着した時にクイックリリーススキュワーがUステーに干渉したりするかもしれません。

次にリペアスタンドから自転車を取り外し、地面に置き、最終フィットの確認をします。その際には一度クイックリリーススキュワーを取り外す必要があるかもしれません。適切な位置を見出だせたら R クリップを締め付ける位置に印をつけておきましょう。印があれば、調整やひねりが必要な場合に数ミリ単位での対処がしやすくなります。余分を切り落とす位置にも印をしておきます。

ステーは二等辺三角形の様な形をしていますが、R クリップにストレス無くまっすぐ差し込める様に、差し込み部分は車体と平行になるまで少し内側に曲げておきます。R クリップへの差し込み代+αの位置にも印をつけておきます。

フェンダーからステーを取り外し、両端の余分な部分を切り取り、ステーを万力にかけ丁寧に曲げます。それができたらもう片方も同じ作業をします。アルミの棒ですので、弓ノコ等で簡単に切断できます。切断面はヤスリを使ってバリを落とし、丸く仕上げると綺麗になります。

もう一度全体的にフェンダーが収まっているかを最終確認をしたら、フェンダーを完全に取り外し、印としてつけていたテープを外し、穴のバリが残っていないか等を確認します。各ボルトにゆるみ防止剤を使用しながら全ての部品を取り付け、フェンダーを正確にマウントできたら、全てのクリップを本締めします。 

フロントフェンダーは基本的にリアと同じ取り付け方法なのですが、固定箇所がフォーククラウンとドロップアウトの2箇所のみです。同じ様に印や穴を開ける前に取り付け箇所を必ずチェックするようにしてください。ハト金具をフォーククラウンにつける場合、そのハト金具が適切なサイズであることをリアと同様に確認してください。場合によってはより長いハト金具が必要になる場合もあります。リアフェンダーと見比べながら、フロントフェンダーのタイヤとの適度なクリアランスを探していきます。フォーククラウンから前側に飛び出す量もあなたの経験値とセンスに基づいて適切な長さに整えましょう。じっくり観察することで、ベストなフィッティングが見つかります。ベストフィットされたフェンダーは、泥水などから自転車やあなた自身を守り、雨季になったとしても自転車に乗ることを毎日、楽しくしてくれるはずです。

*フロントのUステーを取り付ける際は、つま先がフェンダーに接触するかどうか確認しておきましょう。接触してしまう場合でも、なるべくそれは最低限に抑えた方がベターと言えます。それ以外はリアフェンダーの取り付けとほぼ同じように進めることができます。 

ここで説明した情報がみなさんのお役に立てることが私たちの本望なのですが、お客様のそれぞれサイズや用途の異なる自転車にフェンダーを取り付ける際、ここで説明した取り付け方法がベストではない場合もあるとは思います。そうであったとしても、ここまでの説明が本所製フェンダー取付けの一例として、何らかの解決、アイデアの一つにでもなってくれれば幸いと思っています。

フルフェンダーを取り付ける過程においては、少しの辛抱と経験値、そして美学が必要になってくるのですが、手と頭をフル回転させ、それが理想通りに完成した時には大きな達成感と、素晴らしい機能の両方を手に入れられるのです。

その他の記事:
>>> Honjo fitting issue / 適合について
>>> Honjo ideal stay angle / ステーの角度について