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2021/10/11

Honjo fitting issue

SimWorks には Honjo フェンダーの適合に関するお問い合わせをたくさんいただきます。が、装着可否の判断は実物を見ないことには判断が難しいのが実際です。バイクによって「簡単につく」「頑張ればつく(メカニックの技量による)」「絶対無理」など状況は様々です。更に美学も絡んできたりしますので、奥が深く、難しくもあり、同時に大きな楽しみがあります。

このエントリーは、あなたがあなたのバイクにフェンダーを装着しようと考えている場合に直面するフィッティング問題、をクリアする為のガイダンスとなることを目的としています。

フェンダーの装着に充分なクリアランスがあることを確認する

あなたのバイクにフェンダーが装着可能か否かを判断する最も重要な要素がクリアランスです。
クリアランスとは隙間のことですが、これが充分でなければ機能を果たさないばかりか、逆にトラブルの元になりかねません。

始めに、充分なクリアランスについて、あなたが理想とする値を知っておく必要があります。バイクのタイプにもよりますが 10mm ~ 15mm ほどが適当だと私達は考えています。太いタイヤを装着し、オフロードの走行も視野に入れたツーリングバイクなどでは更に広くとる場合もあると思います。ライドとバイクのスタイルを考慮して最適な値を見出してください。
よりタイトなクリアランスでのセットアップはタイトなルックスが魅力的ですが、実際の走行にはストレスが伴うでしょう。ちょっとしたことで擦ったり、ガシャガシャと異音を発しがちです。また、ドライの舗装路でも絶えず巻き上げた砂や小石がカラカラと音を立てます。クリアランスをしっかりと確保することで、こうしたストレスを軽減できます。
逆に大きすぎるクリアランスは言うまでもなくバイクのルックスをルーズにします。

まず、あなたのバイクのタイヤ半径の値を把握します。直径を測ってその半分にするか、ハブ軸からのタイヤ外周部までを測ってください。タイヤの表記は同じ幅を示していても、ノブの有無、トレッドの厚み、リム幅、空気圧など様々な要素が絡み合い、外形は様々に変化します。必ず実測する必要があります。
実測できたらその値にあなたが理想とするクリアランスの値を足してください。フェンダーのアーチ半径の値とそれが近ければ相性が良いということです。形状により差がありますが、概ね数ミリの誤差までは取り付けの際に矯正できます。

タイヤのフェンダーアーチの関係が良好であれば、続いて以下の 3 箇所のクリアランスを確認してください。フォーククラウン下シートステーブリッヂ下、そしてチェーンステーブリッヂ後ろです。ここの隙間にフェンダーが収まり、なおかつ回転するタイヤと充分な空間が確保されることが確認できればこの課題はクリアです。

隙間があってもそれが充分なクリアランスとは言えない場合でも、タイヤサイズ (幅) を下げることで余裕を作り、装着を可能にすることもできます。例えば(仮に扁平率が 100% の場合は)32c を 28c に下げることで 4mm のクリアランスが生まれます。

アイレットとハードウェア

フレーム側にはステーを固定する箇所にアイレット (フェンダーダボ) 等が必要です。フォーククラウン下、シートステーブリッヂ下、チェーンステーブリッヂ後ろの他に、フォーク先端の後ろ側、フレームリアエンドの計5箇所が標準的な固定箇所です。

SimWorks by Honjo のフェンダーには「Standard Stay Kit / 標準取付金具」が付属します。あなたのフレームがフェンダーの装着を想定した設計のスポルティーフタイプやランドナータイプである場合はこの標準付属のハードウェアでことが足りるでしょう。しかし、最近のクロスバイクやグラベルバイクのように、タイヤのキャパシティを大きくとっているフレームの場合はブリッヂが遠すぎる場合があります。そうした場合はより首の長いハト金具 (Dove stay 35mmDove stay 50mm) が別途必要になります。このように、Honjo フェンダーは汎用品の為、付属品以外の小物が必須であったり、よりスマートな装着を実現したりする為に有用であったりします。

また、フォーククラウンやブリッヂへの取り付け方法は車種によって様々です。上の写真は一例ですが、シートステーブリッヂへの固定にハト金具を用いず、下向きに備わっているアイレットに直接固定するタイプです。スペーサーとビビリ防止を兼ねて Leather Washer が用いられおり、機能的且つ良いルックスのワンポイントとなっていますね。

充分なクリアランスを確認できたら、次は適切なハードウェアが何かを確定していきましょう。
標準で付属する金具の内訳は、以下の通りです。

既出の他にも様々なソリューションを用意していますので、あなたの美学とスキルを駆使し、スマートな装着を実現してください。

必要となる加工

フェンダー本体には装着に必要となる穴が空いていません。その装着にあたり、最適な位置にのみ必要な穴があるべきだからです。穴あけ自体は難しくありませんが、道具がない場合や工作に自身がない場合は、バイクのカスタマイズが得意なショップへ装着を依頼すると良いでしょう。

フェンダーの一部に潰し加工などを施したり、或いは一部を切り欠いてフィットさせたい場合もあるでしょう。これらの適切な加工は非常に高度であり、無理とは言いませんが、バイクショップでも難しいレベルと言えます。その部分は強度も下がり、割れを起こしがちですから、充分に注意して進める必要があるでしょう。

具体的な装着作業のノウハウについては、以下の記事を参考にしてください。
>>> Honjo smart installation / 組付けについて
>>> Honjo ideal stay angle / ステーの角度について