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2016/10/22

[Bike 伊豆 between you and me] Coupe du Japon 富士見パノラマ オープンクラス参戦の記。

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アスパラガスの植え付けのために地を掘り起こした挙句に特大のマメを手のひらに拵え、息子二人から授かった風邪ウィルスはノドと関節に痛みを植え付け、なかなかの不調で臨んだCoupe Du Japon 富士見パノラマ オープンクラス。

Coupe Du Japon(CJ)とは日本自転車競技連盟(JCF)が統括する国内最高峰のシリーズ戦であり、参戦するにはJCFに競技者登録しなければならないのですが、今回は未登録者でも参加することのできるオープンクラスが設定された為、シングルスピードはCJでも通用するのかどうかを確かめに行って参りました。

来年、CJ参戦を目論んでおりまして、今回は実弾演習と言ったところでしょうか。

 

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そっと霜をまぶした秋の高原の朝の冷たさにバイクを組み立てる手は自由が利かず、やっとの思いで着替え、試走時間を待ちます。

あ、そうそう、Search and Stateのウェアを買ったばかり。

この日が初袖通しでありました。

高貴でありながらもチョイ悪なフレーバーも漂うSearch and State S1-J Riding Jacketを纏うと、Baracuta G9というスイングトップの銘品を羽織るスティーブ・マックイーンの魂が舞い降りたかのような錯覚を覚える、ということはさすがにありませんが、こんな不意打ちのオフショットを撮られても思いのほか間抜け面に見えずに済むのです。

 

試走時間はわずかに30分。

コースを観察し、レースをイメージします。

レースの中で何が出来て、何を諦めるべきかをこの30分で決めなくてはなりません。

出来ることなら前日の土曜にじっくりと試走して草の生え方まで暗記しておきたいところですが、かれこれ2か月ほど土曜は出勤となっており、今回もまた日曜朝2時半に自宅を出なければなりませんでした。

想像よりも登りの斜度は弱く、霜でややウェットとなったコンディションでしたが、グリップ感も良好。

気温も一気に上がり、体調不良を吹き飛ばすように士気も高まります。

 

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レースはCJチャレンジクラスとの混走。

チャレンジクラスは2周回、オープンクラスは1周回。

事前の告知は受けておらず、スタートコールを受ける瞬間まで1周回だとは思いもしませんでした。

一つのミスも許されないレースとなります。

 

ほぼ最後尾からのスタート。

緩やかに登るジープロード。

隙間があればすかさず前輪をねじ込み、一人でも多く交わしていきたいところですが、スタートから10秒ほどでぼくの目の前で落車。

正面ではライダーとバイクが横たわり、ぼくは完全に行き場を失い、その間何秒を失ってしまったのでしょうか。

ジープロードの先を見上げれば集団は長く伸び、100の色彩を帯びた煙のように上昇していきます。

追いつけるのか?の自問する時間すら惜しく、ただただ前を追うのでした。

 

恐らく最初の登りで20人ほどパスしたのですが、直後にある、岩を敷き詰めたセクションで再び渋滞につきストップ。

暫く後の林間シングルトラックの登りでも大きくペースを乱され、一つも自分の走りをさせてもらえません。

焦りと苛立ちにヘルメット内部の温度も上昇するのでしたが、コース脇から多くの声援をいただいたことで人間の姿と理性を保つことが出来ました。

声援というのは本当にありがたいものです。

 

元々下りが得意ではないのですが、あまつさえ試走も足りておらず、セクションごとの攻略の糸口も見いだせないままの1周回のレースとなってしまい、どうにもこうにも攻め切れません。

試走時に、登り切れない個所が一つだけありました。

否、この激坂手前で一呼吸落ち着かせれば登れるのですが、たったの1周回のレース中に落ち着いている場合などあり得ません。

レース中は激坂で踏み切れなくなってから諦めてバイクを押すのではロスが大きいと判断、いっぱいいっぱいになってしまう前にバイクから降り、ダッシュでバイクを押し上げました。

なりふり構っていられません。

恥ずかしさも手伝い、1秒でも早く駆け抜けたいと強く思うのでした。

 

下りは守りに徹してしまいましたが、登りで少しずつ順位を上げ、オープンクラス5位でフィニッシュ。

もっとやれたはずと思う反面、単にクロスカントリーのサーキットでの感触を楽しめたこと、CJポイントを稼ぐというクエストに酔いしれたいと願ったこと、今回の全てを踏まえぼくはまたこのレースを走るのだと胸に刻みました。

 

 

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中長距離のレースを多く走っていると写真を撮ってもらうことはなかなか無いのですが、周回レース、そして公式戦となると多くの方に写真を撮っていただけるのだなと知りました。

毛穴から自意識が零れてしまっているぼくとしては至上の喜びです。

本当にありがとうございます。

 

冒頭でも記しましたが、来シーズンはCJに参戦する意向です。

フル参戦とはいきませんが、車で行くことの出来る会場には多く馳せ参じたいと思っています。

Sim WorksとSeven Cyclesとシングルスピードの走りを応援していただけたら嬉しいです。

 

 

text : Hiroki Ebiko / SimWorks XC Racing [Blog] [Instagram]