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2026/4/14

SimWorks Stainless Outer Cable “CRISPER” – New Color / アウターケーブルの構造を覗いてみた


SimWorks by Nissen の Stainless Outer Cable “CRISPER” / クリスパーをリリースしてから約半年。世界中のバイクビルダーからリクエストが多く届いていた Smoke BrownMulbery の2カラーをラインナップに加えました。
マルベリーレモネードを想像させる明るく鮮やかな色味はフレッシュなアクセントを加えてくれ、落ち着いたスモーキーなブラウンはクラシックなフレームやヴィンテージ調のアッセンブルにしっくり馴染む渋さを生まれさせるカラーです。


アウターケーブルは一見すると目立たないパーツですが、バイク全体のイメージに活力を与えるアクセントとして、じっくりと吟味するのも楽しめるアイテムです。

 

Stainless Outer Cable “CRISPER”

タイプ : ブレーキ, シフター
長さ : 3m
素材 : コイル / ステンレス, インナーライナー / ポリエチレン

 

「SimWorks の CRISPER は、コンプレッションレスかい?」

さて、「パリッと」という意味合いも持っている「CRISPER / クリスパー」のネーミングからか、CRISPRE について何度もいただくこのご質問。

結果だけを先に言ってしまうと、CRISPER はコンプレッションレス・アウターケーブルではありません。アウターケーブルには大きく分けて「コンプレッションレスタイプ」と「コイルタイプ」という構造の違いがあります。日泉ケーブル製の通常の SimWorks Stainless Outer Cable と CRISPER は後者のコイルタイプを採用しています。

左がコンプレッションレスタイプ / 右がコイルタイプ

コンプレッションレスは細いスチールワイヤーを縦方向に束ねた構造のケーブルで、断面が「ストローの中に針金が縦に並んでいる」イメージをしてもらうと分かりやすいでしょう。
この構造はレバーを押し込んだ時にアウターケーブルに加わる縦方向の圧縮に強いため、ブレーキレバーを握り込んだ時のタッチ感やシフトレバーからディレイラーに伝わる感触がよりシビアになります。

一方、コイルタイプは素線を螺旋状に巻いた構造で、横方向の曲げに強く、ハンドル周りや複雑なフレーム内での取り回しの自由度が高くなる”しなやかさ”が特徴です。
その反面、巻かれているコイル素線同士には隙間があるため、縦方向の力が加わったときには圧縮されやすいという性質を持ちます。
 

 
CRISPER が目指したのは、そのコイルタイプの長所を活かしつつ縦方向の耐性を高めることです。
日泉ケーブル製のケーブルの特徴のひとつでもある「しなやかさ」を維持しつつ、コイル素線の幅を広くすることで通常モデルよりも縦方向の圧縮に対して潰れにくい効果を実現しました。

昨今の多種多様な形状のパーツやフロント・フレームバッグを避けるような複雑な取り回しが求められるバイクにおいても、制動力が高いVブレーキやメカニカルディスクブレーキを握った時のレバーのタッチ感、シフトチェンジの初動がシャープになるというメリットが得られます。

とはいえ縦圧縮をほぼ完全にゼロにするコンプレッションレスタイプとは物理的に異なるため、11速以上の高精度な変速機やトップレベルの用途で求められるダイレクト感はコンプレッションレスに軍配が上がることもあります。

 

 

違いが出るアウターケーブルの下ごしらえ

アウターケーブルはパッケージの中では丸められていますので、コイル素線間に少しすき間が生じています。取り付けの前に半日から1日、アウターケーブルを真っ直ぐな状態にして放置してあげてください。初期縮みが取れて、取り付け後の調整も楽になります。
実は、インナーケーブルの初期伸びだと思っているのもアウターケーブルの縮みやガタツキの収まりという場合も多くあります。

 

 

そして、中に通すインナーケーブルにはフッ素系オイルもしくはシリコン系オイルを付けることで動きがスムーズになり、交換寿命も伸びます。
SimWorks SP31 Inner Wire のような滑りの良いインナーケーブルを組み合わせると内部での摩擦が減り、レバー操作からのレスポンスが向上します。交換後はレバーの遊びや引き代を再調整すると CRISPER の効果がはっきり体感できます。

 

バランス重視のアウターケーブル CRISPER

CRISPER は「コイルタイプの取り回しやすさ」と「縦方向の圧縮耐性の向上」のバランスを重視しているアウターケーブルです。

完璧なダイレクト感を求める場面も確かに存在しますが、日常や冒険の多いライド、フレームやパーツの組み合わせによる複雑なケーブルの取り回しが求められるケースで、そのバランスが光ります。Smoke Brown と Mulbery を含む6色の選択肢があることで、細部の色合わせを楽しむ余白が生まれ、色を選ぶ時間がより愛着を深めてくれることでしょう。