NEWS
2018/3/25

OMM LITE/BIKE TOKUSHIMA

 

OMM BIKEとは

 
このレースを僕らは「マウンテン版のアーレーキャット」と形容していますが、広大なエリアに配置されたコントロール(チェックポイント)を制限時間内にできるだけ多く回り、その得点を競うというシンプルなルールのOMM BIKEはまさにそう呼ぶのがふさわしい遊びだと思うのです。
 
初年度に参加した際のブログはこちら。
 
 
決まったコースを走るレースとは違い、ただ走るのが速いだけではもちろん勝てませんし、ライディングスキルがあれば絶対的優位というわけでもなく、むしろ地図を読む力や自分自身が今どこにいてどの方向を向いているのかといった空間把握能力や、補給食や行動食を含む、必携装備をどのようにパッキングするかといった力も問われるのです。 そうとなればますます燃えます。 つまり僕らみたいな欲張りな自転車乗りには恰好の遊びというわけなんです。
 
そんなわけで、3度目の開催となる今年は徳島での開催という報を嗅ぎつけて、我々は再び集まりました。 去年は渡米して出られなかったので、私自身は1年ぶり2度目のOMM BIKE。 当初は2人チームでの参戦を目論んでいたものの、ギシくんが体調を崩してしまい無念のDNSということで、ADAPT / キョーヘイちゃん、そしてテケちゃんの3人という初年度と同じチームでの参戦。 今回はDoppo ATBで出ようということでバイクを用意しました。
 
ブース設営もあったので前日のお昼に名古屋を出発し、一路徳島へ。 ナビのルート上には徳島の名店が現れたので、急遽アポなしで立ち寄り。
 
 
シオカゼストアのお二人の名前がエントリーリストに載っていなかったので、どうしたんだろうと思っていましたが、この時期は新生活のための自転車を探しにくる学生さんたちを見捨ててOMM BIKEには出れないということだったので納得。 徳島の学生さん! 自転車のお困りごとはシオカゼストアさんにご相談ください。 一見強面だけど優しいお兄さんたちが相談に乗ってくれます。
 
 
会場に着く頃にはすっかり日も暮れていたので、素早くブースを立てて、個々の寝床となるテントを支度し受付を済ませました。 クッカーで湯を沸かして熱燗を片手に配布されたマップとにらめっこ。 事前にどうやってコントロールを回るかのプランニングと、マップから地形を読む作業が大切です。
 

雲一つない快晴で迎えたレース1日目。 スターティンググリッドにはLITEとBIKE両カテゴリーの参加者たちが集まってきます。 スタート30分前にその日の得点表が配布され、ここで実際にその日どうやってコントロールを回るかを決め、スタートの合図を待ちます。
 
  
号砲とともに最初に目指すコントロールへ。 この日の僕らは得点の高い場所をなるべく繋いで、その途中で拾える他の場所も取っていくという作戦。 もちろん高得点のコントロールは距離的に遠かったり、またはそこまでの道のりが険しかったりで、簡単に取れないことが多いのですが、それが僕らの闘争心を掻き立てます。
 

途中、思い切って距離を縮められる峠越えのルートを選択、地図で見る限り道はあるが、果たしてどうなっているのか? そう思って向かった先は、自転車も担がないと越えられないへんろ道(お遍路で使われていた古道)でした。 このあたりはお遍路の中でも難所の一つとされているのですが、国道も整備されていなかったその昔、先人たちはこの難所を越えていたのだと思うと人間のバイタリティーの凄さを感じます。
 

初日は700点を獲得し暫定4位。 3位には届きそうな点差だったので、表彰台も十分に狙える位置。 レース2日目は、初日よりレース時間は1時間短いので、より戦略的に、捨てるところは勇気を持って捨て、とにかく高得点を目指すことに。
 

 
脚並みの揃った2人チームが有利な印象はあるけれど、我々3人はお互いの長所でお互いをカバーし合うことで力を発揮できたと思います。 運動量豊富なテケちゃんがペースを作り、担ぎ区間や要所要所での地図読みはキョーヘイちゃんが、そして悪路やヒルクライムは自分が先陣を切っていくスタイルで、なんとか2日間走り続けることができました。
 

 
目の前には海、背後には山がそびえる自然豊かな徳島県海陽町を舞台に、ロード・ヒルクライム・グラベル・トレイル・自転車を担いでのハイクと、全ての力を使って自然と向き合う。 ふと冷静になるとそこには素晴らしい景色が広がっていて、時間を忘れてそれらの絶景に見入ってしまいそうなことも何度かありましたが、最後まで走り切って無事にフィニッシュ。
 
 
結果的に2日目で順位を一つ上げ、総合3位で表彰台に乗ることができました。 上位2チームのアドベンチャーレース勢には全く及ばないものの、楽しみつつも良い結果が出せたと思います。
 
地図を読み取る力や、位置感覚がとても大切なのですが、意外と自分自身に足りていないと思ったのは、地図上での距離と、実際に移動している距離の感覚。 マップとずっとにらめっこしながら走るというわけにはいかないので、地図のポイントからどれくらいの距離を移動したかというのを頭と身体で感じ取れると、分岐となるポイントでの判断もよりスムーズにできそうです。 この辺りはOMM本戦にも出ているキョーヘイちゃんの流石のスキルに助けられました。
 

今回の2日間、ともに戦ったDoppo ATBたち

 
27.5×2.1″のWTB NANOを履かせ、コクピットにはFUN 3 Barを装備したATB仕様で臨みました。 やはり参加者全体を見渡すと多くの人がハードテイルのMTBでしたが、オンロードでの広範囲の移動に加え、所々で出てくる悪路に対応するにはこのセッティングがバッチリとハマったように思います。
 
 
テケちゃんは今回のチームが決まったタイミングで急遽お兄さんのDoppoを借りての参戦でした。 こちらは700x43cのThe HomageCalsaga Barをアッセンブル。

King Cage / Top Cap Cage Mountを利用した自作のマップケースはシンプルながら調子が良さそうでした。 また、手持ちのCielo MTBに合わせてカスタムオーダーしたPorcelain Rocket / ポーセリンロケットのフレームバッグがぴったりとフィットするというミラクルを利用し、ボトルを持たない代わりにハイドレーションバッグをフレームバッグの中に装備。 MCAのアクセサリーポーチをうまく使いそこにノズルを収めていました。
 
Doppo ATBでなくとも、DISCブレーキの広がりとともにやってきたグラベル+オールロード系のバイクの台頭により、上の写真のように同じフレームで700cホイールと650bホイールを入れ替えることによって、タイヤサイズが容易に変更でき、プレイフィールドの選択が広がりますので、複数のバイクを持たなくとも、1台に対して2セットのホイールで十二分に遊びつくすという考え方はこれからもっと広がっていくと良いと思います。 (Doppo ATBはそもそもコンバーチブルでの使用を考慮した上で設計をしていますので、みなさまぜひご検討くださいませ m(__)m)
 
Photo By OMM JAPAN / Shimpei Koseki
 
ウェアはSearch And State / サーチアンドステイトのS3-B BaseLayerS1-V Riding Vestをレイヤード。 朝は肌寒くも、日中は気温が上がる中で、ベストに使われているSholler社のC-Changeという高級メンブレンが力を発揮。 速乾性に優れたウールのベースレイヤーはレース後に乾かしておけば、匂いも気にならず翌日もライドに集中できるお気に入りの組み合わせです。
 
 
会場となったまぜのおかオートキャンプ場は、ホスピタリティーの高いキャンプ場でした。 天気が良ければ満天の星空が頭上に広がります。 この辺りはライドはもちろん、サーフィンや釣りなども楽しめる環境が整っているので、またいつか来たいと思います。 皆さんも徳島にお越しの際はぜひ!
 

 
そして、今年はまた今までとは違った土地での開催ということでしたが、地元の方々の素晴らしいサポートも含めて、OMM JAPANの皆様の素晴らしい運営に最大の賞賛を。 次はすでに7月に白馬でのOMM LITE/BIKEの開催が決まっています。 今度はぜひ皆さんもバディを見つけて出場しませんか?!
 
 
Text : Shige
Photo : Monjya / Manami / Shige