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2019/11/23

Anne

Text / Hiroki Ebiko

オリンピックテストイベント MTBレースが開催された10月6日の時点で、オリンピック出場内定を獲得していたのはオランダのAnne Tauberただ一人だったのではないかと思います。

Anne Tauber、さて何と読みましょうか。

Anneは英語圏ではアン、フランス語圏ではアンネ、ドイツ語圏ではアンネ。

オランダ語はドイツ語に似ている印象がありますし、ドイツ系ユダヤ人アンネ・フランク一家が隠れ住んでいたのはオランダ アムステルダムだったのでアンネと呼ぶとします。

Tauberは、ドイツにタウバー川という川があるそうで、従ってタウバーとします。

余談ですが、Tauberはケルト語のdubra(黒い、暗い)という単語に由来するそうです。

英語圏以外の国の選手の名前をどう読むか、常にぼくを悩ませる問題となっています。

ぼくにとって不動の女神的ポジションに位置するのはジェニー・リスベッズですが、ジェニーの戦線離脱の間にぼくがズキュン印💘を捺すことになったのはアンネ・タウバーだったのでした。

とびっきりの美女というわけではないのですが、素朴であどけないアトモスフィアがめちゃくちゃキュートであります。

ペダリングはトルク型のギアマッシャーで、シングルスピードを踏ませたら間違いなくマッチする選手です。

大好きです。

告ろうかと思いましたが、やはり彼女より速くなる必要があるでしょう。

これから更にトレーニングを積んで強くなってみせます。

アンネは2019年のオランダチャンピオンですが、ワールドカップでは勝てそうで勝てずにいます。

特に今年5月に行われたワールドカップ第二戦 チェコ ノヴェメストでは5周回をトップ独走したにもかかわらず、残り3分の1周というところで痛恨のメカトラに見舞われ結果としては10位に落ち込みました。

ドキドキしながら観戦していましたが、陥落した瞬間は頬杖が机から滑り落ちましたね。

どうかオリンピック前にワールドカップ初勝利を挙げてほしいと切に願っています。

冬季はアイススケートの選手として活躍する彼女はフリージアンだそうです。

フリージアンとはオランダの少数民族で、フリースランド州に多く暮らす人々。

フリースランド州では”11都市スケートマラソン”というアイススケートのレースがあるそうで、完全凍結した運河で総距離200kmを競う、オランダスケート界最高峰の舞台だとか。

しかしながら1909年に始まった権威あるこの大会はこれまでに15回開催され、最後に行われたのは1997年。

冬が厳しい寒さのオランダと言えど、運河の完全凍結は度々起こることではないようです。

何百年も遡ると、オランダでは凍結した運河でのスケートは人々の移動手段だったそうで、移動手段と聞くとつい食いついてしてしまうのはぼくら自転車乗りの性でしょうか。

アイススケートが移動手段だったなんて、只々かっこいい。

動力は人間の力だけという移動手段を自転車の他に想像しなかったぼくは、アイススケートの競技と、その選手であり自転車競技の選手であるアンネに改めて深い魅力を覚えることになったのでした。

スケートで培ったパワーがMTBにおいてのギアマッシングなスタイルに繋がっているのかもしれないと考えると、また観戦も面白くなるでしょう。

ジュープ バイ ジャッキーというオランダのファッションブランドが大好きなようで、そのシャツはヘビロテで何度かインスタグラムに登場しています。

インドの伝統手刺繍工芸の技術を用いたアイテムが目立つブランドで、日本でも広く展開されています。

気になる方はぜひ。

いかがでしょうか。

アンネ・タウバー、魅力的な選手と思ってもらえたらとても嬉しいです。

しかし!

しかし彼女に告るのはこのぼくですので、皆さま手出し無用でお願い申し上げます。

その為にもぼくは彼女より速くなり、彼女が躊躇なく跳ぶドロップオフをぼくも跳べるようにならなければなりません。

ぼくのトレーニングの最終着地点は恋なのです。

そして、オリンピックとRidin’ Birds 2020を期にMTB XC競技に関心を寄せようと思ってはいるけど、競技の何を見れば良いのかまだよくわからないという方へ。

まずは応援したいと思える選手を見つけましょう。

ライディングスタイルでも容姿でも、あなたの心のサスペンションをフルストロークさせる何かを持つ選手がきっといるはず。

一人の選手への関心が競技への愛と変わっていくのです。

オリンピック観戦チケット二次抽選は11月26日まで!

どうかエントリー忘れのないようお願い申し上げます。

ではまた!