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2026/2/6

SimWorks by TANGESEIKI – Sim Heads

走る自転車が思い通りに曲がるのはなぜなのか。
一見すると当たり前の動作であるが、その仕組みを正しく理解している人は意外と少ない。

ハンドルを切れば曲がる──確かにそうである。
しかしそれは、車のようにタイヤの向きを変えて曲がるのではなく、車体を傾けるための動作である。自転車は“傾き”によって曲がる乗り物だ。
そして興味深いことに、曲がりたい方向とは逆に一瞬ハンドルを切ることで、車体を傾け、旋回が始まっていく。

この「カウンターステア」と呼ばれる動作は、身体が力の作用を直感的に理解し、無意識のうちに行っているものだ。
曲がろうとする意思、それを伝える身体、そして実際に曲がる自転車。その三位一体を支えているのが、繊細なハンドル操作を可能にするヘッドセットである。

SimWorks by 丹下精機の始まり

丹下精機は、日本が誇る精密部品メーカーだ。意思と操作のあいだにある微細なニュアンスを自転車へ正確に反映させるには、高精度なヘッドパーツが欠かせない。
その要求に応えられる数少ない国内メーカーである丹下精機とともに、SimWorks by TANGESEIKI をスタートできたことを、とても嬉しく思っている。

まずは、オーバーサイズのヘッドセットから。

世界中の多くの自転車に採用されている丹下精機のヘッドセット。
その最高峰であるテクノグライドシリーズの中でも、最も高い耐久性と精度を誇る“クラシック”をベースに、SimWorks仕様としてカスタムオーダーしたモデル──それが Sim Heads である。

ベアリングブッダ

丹下精機を信頼する最大の理由は、ベアリングを自社製造している点にある。
必然的にプロダクトの精度へのこだわりは極めて強く、Sim Heads に採用されるステンレスベアリングも、±0.004mmという高い切削精度と、鏡面研磨された玉当たり面を持つ。
さらにアンギュラーコンタクト構造と組み合わさることで、優れた回転性能と耐久性を実現している。

また Sim Heads では、一般的にはコストダウンのため 6000 番台アルミで作られるクラウンレースやトップキャップも、他の部材と同じく超々ジュラルミン A7075-T6 素材で特別に製作。
引張強度・降伏強度ともに約2倍となり、耐久性の向上と美しい色味の統一を両立させている。

ライダーが「曲がろう」と考えるより早く、自転車はすでにその方向へ動き出している。
“心と身体がひとつに溶ける瞬間”を重んじる禅のように、Sim Heads は思考と操作のあいだの境界を無くし、脳から身体へ、身体から自転車へ流れるインパルスを滞りなく伝え、無意識のままに走りの軌跡を描く。
その意図と動作の一致を生み出すための精度を体感して欲しい。

SimWorks by TANGE SEIKI Sim Heads

カラー : Silver, Black
素材 : A7075-T6 Super Light Alloy
サイズ : 1-1/8″
コラムサイズ : 1-1/8″ (Φ28.6mm)
スタックハイト : 28.5mm
Made in Japan