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2021/5/7

5 years later… (Thus Spoke Entropy)

密から疎へ。
エントロピーの何たるかはともかく、俺はきっとそれなんだとペダルを踏み踏む SimWorks デザイナー。そのしみじみとした脳内をお知らせ風に綴ります。

先週末のこと。2015 年と 2016 年の2度に渡り開催した Chris King Presents グルメセンチュリーライド足助のライドルートをぼっちで回って参りました。75km、1500m アップ。Low & Slow も大概なペースですが、時折キャメラを振り回したりしながら、しみじみと登るのが好きです。

あれから5年、SimWorks ブランドにも色々ありました。その後の最も大きな変化は、Chris King 社からのバックアップを受けて、SimWorks USA の設立が叶い、今に至る、という点でしょう。今でも CK 社工場の中に SimWorks USA HQ はあり、チームも元気にやっています。

SimWorks by Panaracer ブランドがローンチして、初めての製品 The Homage タイヤがデビューしたのが 2016 年の4月、2回めグルメセンチュリーライドの直前あたりです。つまり、それまでの SimWorks オリジナル製品は by Nitto と by Honjo の2本柱のみで回っていましたし、商品点数も今の数分のイチくらいだったな、などとしみじみ思ったりします。

製品の出来栄えというか、感触を確かめながら新緑の木々の間を縫うようにゆーっくりと進んでいますと、タイヤ、ハンドル、ステムと、それぞれの製品を設計したときの思い出や、共同で開発に携わってくれたメーカーの人々の顔ぶれが浮かんできます。

SimWorks のアイテムは日本製が中心となっていますが、国産に縛りもこだわりも実はありません。企画の出発地点から製品化まで、そして量産と流通、その継続のどこか一箇所でも穴が開けば品質を維持できなくなります。時差の無い密なコミュニケーションが仕事の質の肝ですから、結果的に日本国内という規模のローカルで回しているブランドになっているんだな、としみじみ思います。

Made in Japan は今でもブランドだとは思いますし、私にも愛国心がありますが、そういう事は置いておいて、とにかく今自分がまたがっているバイクの、それぞれのパーツを作っている人たちがどこの誰でどんな人達なのか、その表情が目に浮かぶくらい身近な人達ばかりで、本当に良かったと言うか、安心ですし、楽しいんです。願わくば、世界のライダーの皆さんにとっても、SimWorks ブランドとその製品がそんな風に身近であれば良いな、としみじみ思います。

状況が状況の今、自転車遊び需要の高まりとは裏腹に製造現場ではフル稼働が難しい状況が続いており、当面の間欠品や新製品リリースの遅れなどが続きそうです。ですが、非常にゆっくりかもしれませんが、確実に物事は進んでいますので、じっくりと楽しみにお待ちいただければ幸いです。

写真・文:剣持 涼太 (IG)

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