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今年もグルメセンチュリーが滞りなく完了し、参加者の帰りまでを見送ることができた。

そしてビルダーたち一行は日本が誇るべき美しき山を目指し旅立っていった。

我々はと言うと昨年のデューティーコール・リベンジを果たすべく、念入りにプランを立てていた。
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以前にシムワークスが製作した映像フィルムを見てもらえると、クリスキングの信じていることがざっくりと垣間見える。 そのなかでもとても強烈なインパクトを与えてくれた兵器製造のはなしがある。 それはサイドワインダーと呼ばれる殺戮兵器の、どこに使われているのかも分からない、スモール・パーツを製造してまで、自分の技術をお金に変える必要はないということなのだけども、その固有名詞を出し、明快に話を進めていくそのパワフルなイデオロギーによってこの会社は成り立っているのだなと確信したわれわれは、時間があまり与えてもらえなかった去年、出した答えとして、まずは広島へというひとつの答えにつながった。 (それはオバマ大統領の訪問につながり(大嘘)、そして広島には世界中のイングリッシュ・スピーカーがその名前を聞くと、必ず含み笑いをする銘店があるのもその理由のひとつだったのもあるのだけど。)
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そして今年はどこへ行くべきかを考えはじめた時、彼もぼくらも経験をしたことなく、でもとても日本的で、かつ名古屋からの距離感を考えたときの、京都という答えに簡単に行き着いたのだけども、、だけれども、現在の日本最大観光都市とも言うべき、京都の現状も知っていて、かなり悩ましく思った。

しかしながら話をすすめるうちにトントンと現れたのはやはりだった。 大都市圏から人の流出が続いている最近の情勢において、ここ名古屋にも多くの人々が新たな生活を求めに毎年やってきてくれている、同じくして京都にも僕たちが信頼できる仲間が大勢集まってきていることは今回の最終目的を終えて、本当に幸運、いや必然だったのだと感じたのだった。
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初日、とにかく物や事に対する執念とも言い換えることができるであろう、彼の好奇心を満たすために、まずは京都という街の代表的な観光地への散策から初めてみることにした。 清水の参道を通り過ぎるのに、1時間以上の時間をかけて、1つ1つ目に映る風景を興味のままに自分のスマホへと登録を重ねていく。 そしてさらに気になるものに関しては臆すること無く手を伸ばし、じっくりと眺め、そしてようやく口を開き、質問を積み上げていく。 読解から始まる、丁寧な表現とは何かをあらためて彼の行動から垣間見ることができ、昼夜の食事の予約に間に合えば良かった詰め込みすぎない初日のスケジュールは、わたしにとっても古都の持つ歴史の重さと、意識的に作り込まれた観光地という存在自体を観察することもでき、個人的にも有意義な時間となった。
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そして丁寧な仕事をモットーとする京料理をはじめ、街角に佇む活坂印刷屋、そして作れないカクテルはないといい切るバーまでも、隈なくリサーチをし、プランニングをしてくれた、我々の誇るべきアーチストであり翻訳家の、YOSHI47にはまずはこの場を借りて感謝をしたい。 そんなとても自由な空気が流れた1日も更けていき、辿り着いた初日の宿はキンセ旅館という、島原にある元女郎屋を譲り受けたポートランディアが経営するすばらしい空間だったということも付け加えておくべきだろう。
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2日目の朝は早かった。
島原に宿を取ったのも実は京都の台所というか、冷蔵庫ともいえる京都中央市場へのアクセスがとても良かったということ。 以前にも伝えたようにクリスは日本料理に特に傾倒をしていて、アメリカではその手に入りにくい和菜を中心に、自分のファームで育てては、和食を客人に振る舞うことを楽しみにもしている。 そこで築地とまでは言えないだろうが、食文化の豊かな京都の市場をすこし探検させてみようということを建前として、真実は美味しい食べ物に朝早くありつきたいという、非常に身勝手な理由だったのだけれども。
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朝定をみんなでかっくらい、待ち合わせの場所で2日目のコーディネーターKaOちゃんと合流。 今回の旅路の影の立役者である。 ペーパースカイ ツール・ド・ニッポンの仕掛け人であり、約10年前より本格的に始まったであろう、特殊な人種外でのフィールドにもちゃんと生息する、生粋な自転車人を追い続けている自転車文化人とでも言えようか。 もうなんというか完璧に僕らの好みなんだけども。 ともかく2日目は忙しい、はずかしげな恋文を記述するよりまずは先を急がねばならない。
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嵐山へ向かい、ツーリストでごった返す前の早朝のわずかな空白を狙い、竹林を抜けアラビカ珈琲へ。 行列のないアラビカの写真をSNSへ上げたら、みんなが驚きのリプライを返してきたということはよほど幸運だったに違いない。
そして嵐山での本命である沙羅双樹のお寺、東林寺へと。
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平家物語の冒頭 「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす。」
この「沙羅双樹の花」を京都で見ることができるのだけども、この花を見られるのは1年のうち半月だけ。 しかもそこで座禅と精進料理教室を受けてみませんか? そんな内容のメールがKaOちゃんからやってきて、ぼくらは二つ返事でお願いしますと答えた。 そしてそれはまったくもって間違いではなかった。
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座を組む、息を整える、無の無を意識する。 いや意識してはだめなんだけども。 集中と空虚の狭間に入っていく感覚、きっとヨガをたしなんだ人たちならわかるであろう微妙な感覚がなんとも心地よい。 もしかしたら60年代のウエストコーストはこんなイメージで東洋を眺めたり、あごがれていたのか。 なんて想像もふくらむ。

またしても時は一瞬で通り過ぎ、東林寺の西川和尚が迎えに来た。 もちろん名目では精進料理教室なのだが、根本的な食について、そして生きとし生けるもの対する力強い説法を説いていただけるだけで、じんわりと暖かいものが心に残っていく。 京野菜を切り、シンプルに調理しつつ、精進料理最大のおもてなし、胡麻を液状になるまですりあげる。 もちろん大変だが、一つ一つの行為がとても大切だ。 自分が食べれるであろう量をよそい、そして手を合わせ、お互いにその功績をたたえながら食する。 最後の一滴、一粒を残さず、お皿はお新香でぬぐい取ってから重ね合わす。 全ての理がかなっている。 そしてここで久しぶりに思う、そう豊かな時間だってことを。
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東林寺をあとにし、つねに腹が減っているわれわれは今宮神社のあぶり餅屋「一和」にておやつ。 一和の女将が話す創業1000年の歴史とそのサービスに対する姿勢にシエロ・ビルダーであるオスカーが歓喜、そして涙する。
やはり豊かだ。
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もうひと皿のおもいをグッとこらえ、最終目的地のとある長屋へ。 待っていてくれたのは京都の和菓子作家・杉山早陽子さん。 わたしたちのために日程を空け和菓子製作体験の座を設けて頂き、和菓子のイロハについて、そして彼女がつねに目標とする、美味しく、そして美しい和菓子への探求心、そして創造に対しての力強いその思いについても話していただけた。 もちろん製造体験込みで。 もう本当に豊かすぎる。 こんな豊かさのミルフィーユはもしかしたら食べることは一生できないかもしれないとも思える。
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そんなゆるさ力強さ考えるべきことの多さを同時に感じた1日が過ぎていこうとしていた。
できることなら、もう1日。 いやもう3日。
我々が思い描く美しい人、美しい場所、そして美しいもの、そんな全てを、たったの2,3日の間ですべて出会わせることなんてできるはずない。 でもぼくらには彼に伝えたいことがあまりにも多すぎた。 そして日本だけがもち得るであろう素晴らしさも見せたかった。(簡単に言うとカッコつけすぎたのかもしれないが。) そしてクリスキングには理解してもらいたかった。 われわれの持つ大切なイメージを、そしてわれわれの求めるべき正しき姿を。
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次の日の夕刻、名古屋へ到着した我々は、富士からのビック・ツーリングを終えたビルダーたちとともに、本当に最後の夜を過ごすことになる。
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それぞれが様々な思いを胸に帰路についてくれたと思う。
そしてまた日常が始まる。 あるべき非常のために特別はあるべきだとそう願う。
そして国を超えても時を越えても正しさ、そして美しさは揺るがないと思う。
どれだけ流されているか、どれだけ満たされているかを知るといいと思う。

クリスキングは口では伝えない。 その練り上げた答えでのみ証明する。
過剰なプロモーションをする余力があれば、最良の物作り、職場つくりへと転化させる。
陳腐な重量を気にしすぎるのではなく、大切に使い続けるための最良の道はないかとつねに模索する。
そして最良を見極めている人とともに成長し、そして育てる必要もあると悟る。
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僕らのイメージは時に拙く、形容的で理解されないことも多い。
でも全てを伝えるべきではないとも思う。
美しさはただただ美しいものだから。
そんなお互いのイメージを重ね合ったすばらしい日々であったとここに記しておきたい。

最後まで読んでくれてありがとう。
またどこかであいましょう。


Text : Shinya Tanaka / Circles,SimWorks
Photo : Eri Tanaka / [HOMEPAGE]

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