[Bike 伊豆 between you and me] 伊東の街と、海の幸と、Singlespeed MTB。
突然ですが、金目鯛、通称キンメについて。
水深200m付近に生息する深海魚です。
大きな金色の目はイミテーションではありません。
暗い深海で微かな光を逃さず、また一度網膜に入った光を反射させ再利用して餌をしっかりと目視することで捕食できます。
深海でもちゃんと良いものを食べているからキンメは美味しいのかもしれません。
そして、実は1億年前に出現した古代魚なのです。
原始的な魚の代表格であるイワシの出現が2000万年前ということで、つまりキンメは8000万年程パイセンなのです。
と、キンメの豆知識で始まりました。
ご存知のことと思いますが、やはり伊豆は海のものが美味しいのでここで少し触れておかなければなりません。
キンメのカマに粗塩を振ってオーブンで焼いただけの単純な料理ですが、神々に献上できるレベルの味です。
最後の晩餐は絶対これ。
ゴールデンウィークに街乗りというものをしてみました。
普段はサドルに跨った瞬間から登り坂と山道を目指してしまうのですが、この日は海を目指しました。
伊東の市街地はとても狭く、ロードレーサーではあまりにも速すぎてしまいますが、SSMTBやSSCXと言った不整地を走るためのシングルスピードバイクで巡るならとても心地良く、なおかつ安全に、漁業と観光で栄えた街の営みの隅々を見落とさずに楽しむことができるでしょう。
さらに言うと、チタニウムで出来たぼくのSeven Solaは潮風に錆びることなく、ドロッパーポストは信号待ちでサドルに腰かけたまま地に足を付けることが出来、至高の伊東アーバンバイクであるなと。w
Quoc Pham Tourerもぼくにとって今までで一番相応しい使われ方をしているのではないかと思いました。w
伊東漁港のそばの路地裏で、おばちゃんが茹で上がったばかりのシラスを干していました。
釜揚げシラスもだいたい20分ほど干して湯気を飛ばし、水分量80%にまで乾かさないと急速に傷んでしまうのです。
ちなみに、水分量70%にまで乾かすとシラス干し、水分量50%以下となるとちりめんじゃこ、煎餅のような形にしてカリカリに乾かしたものをタタミイワシと言います。
そして、生シラスよりも釜揚げシラスの方がうま味成分が多くなるそうで、シラス丼は食感とうま味の両方を堪能出来るように生と釜揚げの両方が載ったものを強くお勧めします!
街乗りではありますが、海岸沿いに拓けた街ですので、ちょっとした磯の潮溜まりがあちらこちらにあり、近所の子供たちは自転車で磯に乗りつけて遊んでいます。
ウミウシやヤドカリなどを捕まえていました。
自然と戯れることの楽しさというのは経験しないと理解できないものです。
見ず知らずの子供たちでしたが、逞しく育ってもらいたいと願うのでした。
刺身の盛り合わせなどを頂いてみました。
本当にどれも新鮮で、味が濃いのです。
ある種の背徳感を覚えてしまうほどの美味であります。
こういうこともあり得ます。
遡ること一か月半前、桜の季節、トレーニングの帰りに立ち寄った花見の出店屋台。
アワビを買いました。
伊東の屋台では必ず貝類や干物を買えます。
ちなみにこれで700円です。
地元自慢みたいになってしまって申し訳ありませんが、本当に自慢ばかりなのです。w
地域を愛し、実際に見て触れて食べることでなお、自転力というものが研ぎ澄まされるのを感じるのでした。
地域の食材、地域の人の営み、それらを知ることに必ず祝福があるはずです。
時には山を背に、街へ繰り出すのです。
連休中、実は自転車に乗った時間はほんの少し。
土いじりに明け暮れておりました。
数日かけて人力のみで畑を耕しながら思ったのは、シンプルに生きることへの夢想。
競技成績ばかりを追求しようとした結果、忘れかけていたこともあるのかもしれません。
シングルスピードの一踏み一踏みに込められる祈りと呪いを、鍬の一振り一振りの中に思い出すことが出来ました。
Simple 伊豆 better を思い出すことが出来たのです。
text : Hiroki Ebiko / SimWorks XC Racing [Blog] [Instagram]