Rouleur and Privateerのご紹介。
Text by Izuru Shimasaki
Rouleur…(ルーラー)ロードレースで云うオールランダーのこと
Privateer…(プライヴェティア)私掠船、国から戦うことを許された個人所有の軍船のこと。海賊ではない。
Rouleur はRapha (ハイパフォーマンスサイクリングスポーツウェアブランド)によって2006 年に初刊が発行されたイギリスのバイマンスリーサイクリングマガジンであり、今ではRouleur Ltd の一部となりました。
メインとしてはロードレースなのですが、シクロクロスや、トラックレースなどの部門にも手を延ばしています。
共同経営者であり、設立者でもあるGuy Andrewsによって編集され、Jonathan Bacon によってデザインされています。
投稿家の中には、The Guardian のライターでもあるWilliam Fotheringhamら。
写真の投稿家としては、Ben Ingham、Gerard Brown、Taz Darlingといった現代を代表するphotographerはもちろん、Robert CapaやHenri Cartier-Bressonといった20世紀を代表する写真家の作品もフィーチャーされています。
Rouleur issue 34 2,500yen (税別)
-2013年6月1日価格改定-
今号のカバーフォトはアンリ・カルティエ・ブレッソンによる1957年、パリにあったVelodrome d’hiverでのトラックレースの写真。
Issue34の主なコンテンツは、
・Henri Cartier-Bresson: 写真家アンリ・カルティエ・ブレッソン
・LEGEND: イタリアのバイクメーカーLEGEND
・Mark Madiot: パリ・ルーべを2度制し、現在はFDJ-Big Mattの監督Mark Madiotのインタビュー
・AERO: 個人TTのスペシャリストMichael Hutchinsonによるエアロダイナミクスの歴史や考察。
・THE DALESMAN: 世界一過酷なシクロクロスレース”Three Peaks Cyclo-Cross”を50年に渡り主催するJohn Rawnsleyの特集と美しいヨークシャーの写真。
白眉は何と言ってもアンリ・カルティエ・ブレッソンの特集です。自転車雑誌において彼の特集が組まれることはこれが最初で最後でしょう。写真と自転車を愛する人は必携・必読です。
また現在シーズン真っ盛りのシクロクロスにおいても異様な存在であるイギリスのスリーピークス・シクロクロスの特集では、レースの模様はわずかで、このレースが始まったいきさつとそのオーガナイザーへの取材、そしてイギリス北部の自然と人が織りなす美しい風景の写真がメインとなった素晴らしい特集です。
シクロクロス好きならいつかは走ってみたいと思ってしまうこと必至です。
もうひとつ、Rouleurが酸いも甘いも噛み分けたMTBerに贈るマガジン
Privateer 11 2,500yen (税別)
-2013年6月1日価格改定-
Rouleurのチームによるマウンテンバイクマガジンも今号で早11号です。
今号の主なコンテンツは、
・The Grenzstein Trophy: 冷戦時代の鉄の壁(ヨーロッパを二つのイデオロギー圏に分けたボーダー)を1200kmに渡ってBikePackingしたツアー記録
・A Better Mousetrap: Ellsworthの特集
・The Claw in Winter: レースをしないプロ、Mountain Free Rider、Darren Berreclothの紹介
・The Worlds that Weren’t: MTBレジェンド達が1987年のWorld Championship、MTBが世界のスポーツとなった最初の地、を訪ねる。
マウンテンバイクという、完全にカウンターカルチャーからの産物である遊びが、この40年あまりの間にいかに成長し、スプレッドしたか、またいかに乗り手を含めた産業として大きくなっていったかは現在数あるマウンテンバイクの雑誌を見ればその結果は分かります。
プライヴェティアで毎号取り上げられているのは世界のいろんな場所でのMTBライド、レーサーではないプロライダーたち、マニュファクチャラーといった人たち。確かにいろんなメーカーの広告が間に入りますが、ここまで広告と内容がいい意味でかけ離れている雑誌は他にないでしょう。Rouleurと同じように過去から現代までをひとしく見つめ、モノではない”何か”を表現しようとしています。彼らのウェブショップでKLUNKERZが買えるのは、時代こそ違えど同じ視点がそこにあるからでしょう。
「そしてRouleurが行おうとしているのは近代レースにおける文化史を百年分、一気に私達サイクリストの手に取り戻そうとするようなものかもしれません。
1939年のロバート・キャパによるレースの写真、1957年のアンリ・カルティエ=ブレッソンによるヴェロドロームの写真、ベン・インガムによる現代のレースを捉えた写真、
いずれに共通するのはそこに写っているのがレーサーと云う名の誰かであり観客と云う名の誰か、ずっと変わらない石畳であり、すっかり変わった自転車工房の風景であるということ。
決して最新のフレーム製造工場から出来上がったものではなく、その過程やそこにいる人、トップレーサーではなくユースの選手やリタイアしたレーサー、マッサーなどをフォーカスすることによりそれぞれの時代やそれが行われていた場所を私達はより身近に感じることができます。」
Rouleur, Privateerともに厚手の加工紙にプリントし、最高品質のリプロダクションとプリンターを使用しています。
写真、グラフィック、デザイン、編集、いずれの視点・立場からも満足いただけるものになっています。ぜひ手にとってご覧ください。
Rouleurは1-21号、及び23号が既に本国にて完売、PrivateerもNo.1が完売していますので良い号はお早めに。
お問い合わせは全国のSIM WORKSディーラー、及び名古屋Circlesまで