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2023/9/8

PAUL x SimWorks – LTD Turquoise Collection

Words by Steven Smith from SimWorks USA

この度 SimWorks はカリフォルニア州チコの PAUL COMPONENTS とのコラボレートによる限定コレクションを発表します。

PAUL COMPONENTS は1989年以来、高品質な米国製バイクパーツを製造しています。このターコイズのアルマイトパーツのコレクションは SimWorks のために作られたリミテッドカラーであり、SimWorks が日本のパーツの枠を超えてアメリカで高く評価されている他のメーカーとの協力関係を拡大する努力を象徴するものです。

彼らとのコラボレートは3度目となりますが、2019年2月にサクラメントで開催された NAHBS で発表した「チョコレートリミテッド」のパーツ以来のリリースとなります。

ハンドメイドバイクショーは、私たちがこういったリミテッドオファーのプロジェクトを発表するために恰好の場を常に提供してきましたが、私たちはポールと仕事をしたこれまでの経験から、いつかまたこうしてコラボレートできると思っていました。それから4年以上が経ち、COVID パンデミックの影響が落ち着いてきているという楽観的な見通しを胸に、私たちは SimWorks USA が拠点を置くオレゴン州ポートランドで開催される今年の MADE Bike Show を、より本質的な見本市のセッティングに戻ることができるというシグナルとして注目していました。

こうして、久しぶりとなるショーを前にした熱狂とともに、PAUL COMPONENTS の盟友たちとの会話を再開し、新鮮なコレクションを練り上げる絶好の機会となったのです。

ターコイズはしばらく前から選択肢のひとつとして考えていた色でした。時の試練に耐えてきたような鮮やかさを持つ色は、静謐な感覚を呼び起こし、自然界との強い結びつきも感じることができます。何十年もの間、アルマイト加工されたバイクパーツの分野では、この色が現れては消えていくのを目にしてきましたが、それはいつも戻ってくるようで、両手を広げて歓迎されています。

PAUL COMPONENTS のコレクションではより鮮やかなブルーのパーツを作っていますし、シーオッタークラシックで展示される Sierra Nevada Bike のために何年もかけて作られたグリーンのパーツも見たことがあります。しかし私たちは、自分たちのコレクションと呼べるようなもっとユニークなものを求めていたのです。

こうして出来上がったコレクションは、ラインナップも入手可能なものも限られています。

私たちはこのコレクションを展開するにあたって、最終的にこの製品を手にした人たちに、特別な要素を組み込んだ非常に意図的に作られた製品に投資したと感じてもらいたかったのです。サイクリングコンポーネントの数世代を定義するようになったとえるベンチマーク製品を作る才能あるメーカーと仕事ができるのは、私たちのようなスモールビジネスにとってエキサイティングなことです。

少し個人的なお話をすると、PAUL COMPONENTS のパーツは私が若い頃に切望していたもので、米国で製造され、考え抜かれたデザインで製造された一生ものの自転車パーツということに関しては、常に最高の評価を受けていたと思います。2006年にバイクショップで働いていたときに買った最初の「Touring Cantilever」のパッケージカードは今でも大切に持っています。

今回のコレクションは、リムブレーキおよびディスクブレーキユーザー向けのブレーキコンポーネントをメインに構成されています。Klamper は、機械式ディスクブレーキの業界標準として確固たる地位を築いていますが、様々なフレームやフォークのオプションに対応できるよう、フラットマウントとIS/ポストマウントの両方をご用意しました。リムブレーキにこだわるライダーには、素晴らしいモジュレーションと制動力そしてメンテナンス性を提供するMotolite V Brakeをご用意しています。

米国産6061アルミニウムを丹念に加工して作られた PAUL COMPONENTS のブレーキレバーたち。Canti Lever は Klamper のショートプルのオプションとシームレスに組み合わされます。さらに、Motolite V Brake に対応する伝統的なロングプルレバーのオプションとして、クラシックな Love Lever も展開し、ほとんどの人に対応するブレーキ・ソリューションがあります。

コンポーネントだけでなく、いくつかのパーツで PAUL COMPONENTS とコラボレートする機会を得たことで、私たちは文化的で記念的な、そしてシムワークスらしさを感じられるものを提供したいと思うようになりました。そこで、彼らのラインナップの中でも多くの人に愛されている Bottle Opener Tool の裏側に、カタカナ文字(日本語の五十音)によるアルファベットレッスンの役割を果たすカスタム刻印を施すことにしたのです。

日本の文字システムは、漢字、ひらがな、カタカナで構成されています。カタカナは通常、専門用語や科学用語、動植物の名前など、英語ではイタリック体で表記されるようなものに使われます。

シムワークスのカタカナ文字とポール・コンポーネントの文字が刻印されたこのボトルオープナーは、バイクやバイクに乗ることを取り巻くダイナミックな文化が、国や政治的な境界、言語やその他の障壁や構造を越えていることを思い出させる文化的な意味合いを持った製品だと思います。ブレーキを調整するために道具を使うことも、ライド後にビールのボトルを開けて友人に差し出すことも、どちらも普遍的なことです。それは道具であり、資源であり、同時に思い起こさせるものでもあります。自転車を愛する友人、特に日常生活を越えた大きな世界や文字言語に興味を持っている友人にとっては最高の記念の贈り物になることでしょう。

そしてコレクションの最後を飾るのは、同じカタカナ文字をあしらったオリジナルのウォーターボトルです。なぜなら、水は私たちにとって命の源だからです。今度サイクリングに出かけたら、背の高い草むらに自転車を傾け、水を一口飲んで深呼吸し、ボトルに描かれた道を土や砂利でなぞってみましょう。

そう、あなたは新しい言語を書くことを学んでいるのだから。