#CKPChistory Vol.10
おかげさまで #CKPChistory も数を重ね、10回目を迎えました。
40年の歴史あるアメリカを代表するともいえるバイク・コンポーネントメーカーについてを紐解いていくのはなかなか難儀な作業でもあるのですが、その多くについては気づきへの動線となることもしばしばあると同時に、ただの翻訳作業にはならないように考えつつ、読んでくれるサイクリストにとって有益な情報にしていきたいと思っております。
なので今回のテーマは後にも再度言いますが、本当にとても多くのショップや個人ブログ、そして商品レビューサイトで見つけることができる誤認識についてを掘り起こしてみました。 ぜひご一読いただけましたら幸いです。
保守とメンテナンス、それは部品を長寿にするためには不可欠な作業です。 クリスキングのハブは基本的に六角レンチを2種(5mmと2.5mm)用意するだけで、通常必要なメンテナンスの全てが可能になるように設計されています。しかしながら、ピットには通常からは外れた、特殊とも言えるケース/要望も救急外来の様に持ち込まれてきます。例えば、32hを28hにしたい(→ハブシェル交換)といった要望や、間違ったメンテナンス方法、或いはメンテナンスを怠った事等によってベアリングの交換が必要になってしまうケースなどです。これらのソリューションとして全国のメカニックやユーザーからの切望されたアイテムが、1996年にリリースされたハブ・サービスツール(R45用は2010年リリース)なのです。これらは、クリスキング製のハブをユーザーの手によって完全に分解することを可能にしました。
そして今回の投稿ではどうしてもこの事についての誤解を解きたい…。 クリスキング製のハブはこの専用の工具を用いなければメンテナンス・サービスができないという間違った認識をあまりにも多くの人が持っていると感じるのです。
先に上げたようにクリスキング製のハブは六角レンチのみで必要なサービス(クリーニング/注油)にアプローチができるように設計してあり、ハブシェルやベアリングを交換しなければならなくなった場合のみ、専用のサービス・ツールが必要となります。
メンテナンスに必要なオイル/グリス等についても100%シンセティックであれば、自動車用にホームセンター等で手に入る(Mobil-1などの)普及品で問題無いように設計されています。
おさらいになりますが、彼らが製品に託しているのは以下の通り。
1)長期の使用が可能であること。
2)製品には1)の実現の為には高いメンテナンス性が必要であり、その際には特殊な工具、潤滑油等を必要としないこと。
これらを満たしてこそ本質的に美しい製品だという哲学です。ポリッシュされていることやカラフルにアノダイズドしていること等は二の次と言うことです。
付け加えてお伝えしますと、メンテナンスの為に必要な補修パーツの部品単位での入手性の良さも彼らの努力の賜物であり、製品の長期使用を実現している大きな要素です。どんな小さな部品単位でも、シムワークスが全てご用意いたします。コチラに記載が無い製品についても、お気軽にお問合せください。
我々シムワークスも僭越ながら自転車部品を製造させていただいているわけなのですが、傍らでは輸入業務も行っているため、いわゆる製造という物事を純粋に見据える必要があると常々思うわけなのです。そしてその様々な会社がどのような創意と工夫を凝らしながら、何を大切にするべきなのかをしっかりと製品自体が表現しているかを見つけられるメーカーと仕事をしたいなと考えています。例えばノー・メンテナンスとロー・メンテナンスの言葉の違いが意味するところを突き詰めてみたりしますと、物に対する愛のかたちや社会に対しての寛容性までもがそんな端々に見て取ることができるのです。 (クリスキングの会社の理念について詳しくは上記写真をクリックしてみてください。)
不適切に用いられた材料は万が一不具合が起こった時にそれ以外の部品にどんな影響が与えられるのか。そして万が一にも修理が必要な時に、そこに起こる手間や利便にまで深く熟考が重ねられているか、そこに携わった人しか理解できないことの一つ一つをミルフィーユのように重ねあげて正しい知識と情報を伝えていくことは、いままさに社会全体が求めていることですし、それができるようになった時代に感謝をすべきだなとも思うわけです。
#CKPChistoryに掲載する全てのクリスキングの歴史については、直接クリスキングから教えられ、学びとった事実となっています。
クリスキング製品に関するあらゆるご用命は、お近くのシムワークス販売店までおたずね下さい。