[Bike 伊豆 between you and me] アドベンチャーイン富士見 参戦の記
いずれにしても褒められるようなレベルの話ではないのですが、ぼくは下りよりも登りに強みを持っていたのでした。
喪失感と無力感のすぐ後に獲得した感覚とは何だったのだろうと振り返る、8/23に行われたアドベンチャーイン富士見参戦の記。
ワンウェイの中距離及び長距離レースというものがとても好きです。
冒険譚のような展開を期待せずにワンウェイレースに臨まずにはいられません。
翻って周回コースの耐久レースはというと、例えるなら禅問答。
しかしこれも嫌いではなく。
ともあれ、アドベンチャーイン富士見は40kmのワンウェイレースであり、コースは林道を1200mほどの獲得標高の後に富士見パノラマのCコースを駆け下りてフィニッシュというもの。
ぼくの得意なコースに違いないと、るんるんで年代別の表彰台狙いを公言してレースに臨んだのでした。
しかし蓋を開けてみれば林道の登りは想像を遥かに超える勾配で、変速システムという恐るべき武器を手にした選手たちにボッコンボッコン抜かれ、20人以上に抜かれた後に脚が攣り、押し歩きを余儀なくされたのでありました。
王滝ではシングルスピードでありながら、登りでリードを奪う展開でレースを進めてきたのですが、王滝よりもひどい登り坂に完全に跳ね返され、放心なのか昇天なのか自分では判断できないくらいの精神的ダメージを負いました。
よぎるDNFの三文字と痙攣の脚。
人体の70%は水分だと言いますが、この時のぼくの身体の70%はDNFの三文字と脚の痙攣で構成されていました。
自転車を杖にしての登山、その後勾配が徐々にではなく一気に緩くなり、これならいけるんじゃね?とペダルにステップイン。
こいつ・・・動くぞ!と「ガンダム大地に立つ!!」を脚で再現するのでした。
そこから先は急勾配もなく、ただただがむしゃら。
失ったものを取り戻すために。
最後のCコースダウンヒル。
6年ぶりに走るCコース。
ウォッシュボードの路面と、アマチュアXCライダーにとってはとても大きな縦のうねり、そしてびっしりと張り付いた根っこの数々。
Seven Cycles Sola Sは下りが速い。
直線舗装路の下りですら速く、当然荒れ荒れの路面でも速い。
Sola Sに装着のX-Fusion Traceも見事な働きっぷりで、この二つの大義があって初めてレーススピードでCコースを下ることが出来たと思っています。
下りを不得手とするぼくがCコースで3人をパスしていますから。
そしてフィニッシュ。
目標タイム2時間35分を5分以上上回ったものの、まさかの年代別4位。
表彰台を逃しました。
最初の長い激坂さえ踏み切れていればと自責。
つまりまた来年やり直します。
同じ轍は踏みたくないので、ペダルは踏みます。
余談ですが、最近のちょーお気に入り。
アドベンチャーイン富士見でも着用していました。
Save Our SolesのCore-Spun Coolmax SocksのOoopsというデザイン。
Quoc Phamのシューズとのマッチングに震えました。
自転車に乗る前の身支度、靴下を履いてそして靴を履くという行為からすでに楽しくなってしまいます。
text : Hiroki Ebiko / SimWorks XC Racing [Blog] [Instagram]