ニップルがもし、パーティの主役だったら
ニップル。
断言する。
自転車の中で一番地味なパーツ。
きっと普通の人には、ボトルゲージのネジよりも地味なパーツ。
だから、カラフルにおめかしして、パーティに出かけるんです!
でもやっぱり、見かけより中身が大事。
今日はそんなお話です。
なぜ SimWorks はアルミニップルをプロデュースする?
日本では手組みの車輪のご依頼をいただく時は、ほぼ真鍮ニップルでご依頼いただきます。
でも、アメリカなどで車輪組みをお願いすると何も言わなければ自然とアルミニップルになって組み上がってくるんです。
なんでだろう?
はっきりとした答えはないですが、僕の中では、自転車が日本は実用の道具と考えられていて、諸外国ではスポーツの道具として見られているからと解釈しています。
どういうことかと言いますと、実用性を求められる日本では、耐久性の高い真鍮が選ばれます。寿命の長い事が高品質の証だからでしょう。これに対し、例えばアメリカでは少しでも軽いものが選ばれます。スポーツの道具ですから、軽さが高品質の証なのです。
「スポーツの道具」と言われると僕は突然自転車が馴染みの薄いものに感じてしまいます。でもその実、僕たちが携わらせていただいている自転車の半分くらいはスポーツの道具としての自転車であり、ならば選択肢の一つとしてアルミのニップルが選べることも大事なことだな、と思うわけです。
これが僕らがアルミニップルをご用意した理由なんです。
いつものように日本で唯一スポーク/ニップルを製造している星工業にお願いして今回も形にすることができました。
SimWorks アルミニップルの真実
SimWorks x Hoshi アルミニップルの特徴は以下の通りです。
・やはり、安心の日本製
・もちろん、#14 番と #15 番をラインナップ
・全長 12.4mm /レンチのサイズは 3.2mmと、世界で最も普遍的な寸法
・豊富な全 12 色、しかも全てマット加工でおしゃれ
と高い信頼性と選択肢の多さが特徴です。
ホイール外周部を軽くすることのできるアルミニップルは、手組みホイールの一つのネックである重量問題に大きく貢献することができます。一方、重いですが長寿命の真鍮ニップルと、用途に合わせて使い分けていただければと思います。
ps. 何年か前、Hunter Cycles の Rick が日本を訪れた際、彼のボロボロだった車輪を真鍮ニップルで組み直したら凄く残念な顔をされたので、その顔が忘れられなくてアルミニップルが作りたくなった、なんて話は、また別の機会に。それでは。