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2019/8/5

6 is Carbon, 22 is Titanium

Seven 622 XX disc

サイクリストの多くが、セブンサイクルズはチタンを主たる材料として扱うフレームビルダーとして認識していると思います。これはセブンがMerlin Metalworksというルーツを持っている点と、1997年の創業から今に至るまでの歴代のモデルを想えば合点がいきます。実際のところ、すべてのバイク造りの最重要課題は、ライダーがバイクに望むものを具現化する上で最適な材料を選ぶことにありました。

カーボンファイバーをバイクに採用するにあたっては、沢山のメリットがあると言えます。大切なのはこの長所を最大限活かし、同時に短所を最小限に抑えることです。驚くほどのことではありませんが、セブンは独自の、そして最良の方法論でカーボンという素材を採用しています。

今回のブログでは、セブンが如何にしてチタンとカーボンのハイブリッドバイクを生み出しているのかご紹介いたします。

まずはじめに、フィラメント ワインディング カーボンファイバー チューブ(filament wound carbon fiber tubing) という、きっと皆さんの聞き慣れない材料についてお話させてください。

このカーボンチューブは、皆さんのよく知るようなカーボン繊維が織られたシートからではなく、撚り合わせられたカーボン繊維を更に筒状へと巻き上げて行くようにして形成されます。 カーボンの糸の太さ、巻き上げる際のテンションやその本数、密度、交差の角度、積層の回数… 様々な要素をコントロールして得られるチューブの特性が決定されます。

このフィラメント ワインディング チューブをセブンが採用する理由、すなわち如何にこれが優れた材料であるかについてですが、このチューブは従来の成型カーボンチューブ(カーボンシートを筒状に丸めて成型したもの)と比較して大きく明らかに優れた点がいくつもあります。

まず、先のお話にあった通り、繊維構造のチューニングを幅広く設定できるので、ライダーの要求に対して正確なチューブセットを用意できるということです。 次に、フィラメント ワインディング チューブはシートを積層してつくられた従来のチューブより遥かに強度が高く、長い耐用年数を持ちます。 CNCマシンによる正確且つ連続した構造を持っていますので、手作業によってシートを積層する従来のチューブに潜在するような構造的なウィークポイントがなく、損壊の発生リスクを最小限に留めれるのです。 最後に、セブンが採用する真円型のフィラメント ワインディング チューブは金属製のチューブセットと同じ方法すなわち、ライダーの求める性質を持ったチューブを適所に設定でき、フレームの正確なカスタマイズに対応できるという大きなメリットも持っています。

そしてどの様にこのフィラメント ワインディング カーボンチューブを調達しているかですが、私達はセブンからの要求に対して正確に応えてくれる米国内のパートナーカンパニーに注文をして作ってもらっています。 彼らは先進的な複合素材をサイクリング業界にもたらした最初の企業の一つで、非常に安定した高品質なチューブを米国内で製造しています。

セブンでは6種類の特性をもつカーボンチューブを用意しており、それらを様々に組み合わせることで、しなやかさや剛性を幅広く、そして自在にコントロールしたフレーム設計が行えるのです。

セブンのチタン/カーボンバイクの変遷を見てみましょう。

セブンは今、チューブとラグのデザインにおいて第3世代にいることになります。 長年に渡って行われてきたチタン/カーボンフレームのアップデートは主にそのチタンラグセットにありました。 必要な強度を残し、薄く、より軽量になっていったのです。 一方、カーボンチューブの仕様はほとんど変わっていません。

またセブンの622フレーム(チタンとカーボンのハイブリッド)の寿命についてお客様からはよく尋ねられます。 セブンではチタン/カーボンのフレームにも、金属のみで造られたフレームと同じ永久限定保証が付いています。 また保証外の事故や損傷が例えあったとしても、修繕が必要な箇所を簡単に交換できることが、チューブ&ラグで造られるフレームの大きなメリットと言えます。

次に、そうしたカーボン材料は非常に高価なのでは?ともよく聞かれます。 確かにカーボンの様な最先端の技術結晶品で、更にはその中から高品質な材料を取り揃えるためには相応のコストがかかります。 ですが、セブンサイクルズは信じています。 それが長い寿命を持ち、お客様の要求に応える最善の方法であると。

Seven 622 SLX

622とAxiom XXではどちらが軽いですか?と、これは良い質問ですね。
Axiom XXは、世にあるハイエンドバイクに匹敵する軽さを誇ります。 しかし、カスタムメイドで造られるバイクの世界では、実は重量は二の次な関心事なのです。 ライダーのフィジカルにフィットしていることはもちろん、ライディングスタイルにフィットし、要求されるハンドリング性能を持ち、更には日々のアドベンチャーに必要なすべての機能が備わっていることがまず第一であり、それにより得られる価値の高さは1オンスやそれくらいの重量増とは比べ物になりません。 つまりは、これらの2つのモデルの重量差などはほぼ大差ないということです。

面白い特徴もあります。
セブンのつくるチタン/カーボンバイクのすべてにおいて、チェーンステーだけはフルにチタンのチューブを用いて造られます。 この理由は主に、フレームの中でも大きな力がかかるチェーンステーという箇所では、耐久性とクリアランスを確保しつつ軽い造りにできること、時にはDroppedやChoppedチェーンステーの様な高度な加工等も自在に実現できる加工範囲の広さ等といった点から、ベストな材料としてチタンチューブが用いられています。

622と呼ばれるプラットフォームは、あらゆる角度からフレームの持つ潜在性能を極限まで高めた研究成果の一つです。 極限まで硬く、ペダリングパワーにどこまでも応えるフレームにもできますし、驚くほどしなやかで快適なフレームとしても設計ができるのです。

現在のリードタイム(サインオフから発送されるまで):
無塗装フレーム 6週間
塗装有りフレーム 14週間

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