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2024/2/12

Golden Pliersのスーパーワイドターボクルーザーに目覚めよ!

Text by Monjya

学校で習った事はそんなにたくさん覚えて無いけど、甘い、辛い、酸っぱい、苦いの分かりやすい4つの味覚に加えて、うま味という第5の味覚が20世紀初頭に発見されたんですよ。つい最近です。って何かの授業で聞いた事は衝撃的でよく覚えている。あれは味やったんやと。

同じく、サーフィンやスケボーといったいわゆる横ノリ文化から生まれた “スタイル (がある)” という複雑な新しい価値観も、従来のスポーツにおける明確な基準、つまり強さや速さや正確さなどとは一線を画する新しい概念であり、同様の衝撃を覚えた。強さや速さのハイエンドがどんどん先鋭化していくに従って、スタイルはスポーツを楽しむ我々にとって重要さを増してくるだろう。自転車も例外ではない。

ケビンはフェンダーインストールの天才でもある

自転車が楽しいものに感じられるバイクショップ

自転車の街ポートランドには、多くの名自転車店があるが、その中でも特に”スタイル”があるのがGolden Pliers / ゴールデンプライヤー。スタイルがあると言葉にすると途端に野暮になってしまうように思うが、粋ともちょっと違う気がするので、便利に形容する言葉として察して欲しい。

ポートランドにお店を構えて6年ほど。そこから生み出される自転車と、そこに集うユニークな人々や数々のイベントとライド。そして何より、このお店に来ると誰もが自転車がなんだか楽しそうに感じ、かっこいい自転車を組んでライドに行きたくなってしまうようなバイブスがあるのがこのお店の凄いところだ。以前のインタビュー時に、オーナーの三つ編みおじさんケビンが「大事だったのは、みんなにとって気軽なお店を作る事だったんだ。」と話していたのが印象に残っている。

スーパーワイドターボクルーザー!?

そんなゴールデンプライヤーのケビンと一緒にプロダクトを作る事ができたのはとても嬉しかった。彼らのポジティブなバイブスそのままのハンドル、Ramble Bar / ランブルバーである。彼らはそれをスーパーワイドターボクルーザーと漫画の必殺技の様に呼ぶ。でかいフロントバッグをぶら下げ、砂煙を巻き上げながらダートを走り抜ける、そんなライドが目に浮かぶようなハンドルだ。

センターは固定力の高い 31.8mm、グリップは22.2 x 160mm、全幅は710mm(エンド部芯々)

長らく売り切れだったそのランブルバーがようやく再生産され在庫が戻ってきたタイミングで、なんとそのゴールデンプライヤーのお店が移転するという。スタッフも増え、近隣にもお店の多い活気のあるエリアに移転し、ますます面白くなりそうなゴールデンプライヤー。おっとその前に、現店舗でランブルバーの復帰を祝うSimWorks POP-UPも開催だ!このハンドルの在庫復活で、世の中にはまたさらにワイルドな自転車がたくさん生まれる事だろう。

ゴールデンプライヤーの名前の由来は、先の動画で明かされているけれど、個人的には完全に日本の某星座格闘漫画のイメージだった。いけてるお店とバイクを生み出す新しいセンスに我々も目覚めていきたい。現在第6の味覚が発見されつつあるらしいけど、さらにその先へ。