2015/3/2
[SEVEN] セブンのチタニウム技術&製造方法論 (1)

Text and Photo by Seven Cycles

セブンのチタン自転車製造に対するアプローチは、作っているフレームと同じようにとてもユニークであり、且つ革新的です。ここからの記事では、全5回に分けてそのチタニウム技術と製造の方法論について紐解いていきます。

 

セブンのフレームビルディングへのアプローチ

セブンでは理想の自転車を作り上げるために、以下の3項目を欠かせない要素として重要視しています。

素材選択:チタン(この場に於いては)

カスタマイゼーション:セブン独自のフィッティング方法論(カスタムキットやヒアリングを通して実現されます)

セブンプロセス方法論:100%個人にフィットさせること&品質保証を確実に行うために構築されたシングルピースフロー式の製造法(バッチ処理式とは逆に、1個ずつ処理を行う方法。システム全体が流れ続けることで個々の待ち時間が減少し、全体の所要時間を短縮させる)による生産体制

このうちの1つか2つを組み入れれば、まずますの自転車を作る事が可能なのですが、セブンはこの世でたった一つのハイエンド特注フレームを作るために、必ずこれら3つの要素を全て用いるのです。

セブンの開発グループはチタンフレームを20年以上も作り続けていて、この間チタンバイクの世界においてセブンの影響はこの自転車産業内で少しづつ大きくなっていきました。世界で一番有名なレーサーのためにチタンバイクを作り、国内、そして世界戦にて何度も優勝をしている実績がそれを物語ります。

そこで、セブンではチタンフレームがどのようにデザインされ、どのように作られるかについてもっと理解を深めてもらうために、記事を作成しました。願わくば皆さんにチタンバイクに対して興味と理解をもってもらい、今後の自転車生活において有益になったと思って頂けたら嬉しいのです。

 

セブンのチタンにおける経験および年表

まずは歴史から。

セブンの代表であり設立者でもある、ロブ・ヴァンダーマークは、25年以上もの間、誰よりも長くチタン合金フレームをデザインしてきました。ということは、セブンの開発チームは誰にも邪魔されずに、この地球上のどの会社よりもチタン合金フレームを作っている経験があるということになります。

以下がセブンサイクルズ開発チームにおけるチタンを使った“ハンドメイドバイク”についての歴史の概要であり、そしてセブンがチタンバイクの世界でこれからやろうとしている事柄が記してあります。

[1987] 第一世代 3-2.5チタン合金マウンテンバイク:セブンのデザインチームはマーリン・メタルワークスと一緒に最初のチタン合金マウンテンバイクを開発

[1988] 最初のオーバーサイズ・チタンチュービングバイク:スチールバイクのように気持よく走る、かつ良質の垂直コンプライアンスと硬いドライブトレーンを併せ持った最初のチタンバイクの登場

[1989] マウンテンバイクにおける最初のS字曲線チェーンステーとシートステー:チタン製と他の素材を使用

[1990] 最初のダブルバテッドチタンロードフレームがテストされた:ストレートの標準規格であるチューブよりも優れている本当のダブルバテッドチタンチューブであった。このプロジェクトは成功し、グレッグ・レモンがこのフレームを購入し、Zチームとして、ツール・ド・フランスにて前代未聞の優勝をした。このモデルは1991年に製造開始となった

[1991] 最初の『様々なサイズ』のチタンチューブセットの提供開始:これには素材の特性とアメリカにあるチタン専用のフライス盤との関係をしっかりと理解する必要があった

[1992] 最初の自転車専用チタンチュービングに関する仕様書が、アメリカ最大手のチタン供給会社によって展開された:それらの仕様書やデザインのうちのいくつかは、航空宇宙科学、そして軍事産業での標準的なクオリティを完全に凌駕していた

[1993] ロブがランドマークペーパーにて『マーリン・チタン入門書』を寄稿:自転車産業におけるチタン素材についてを、事細かく最初に展開した特筆すべき記事であった。エネルギー省科学技術情報局等のほか、数多くの記事に資料としても引用された。この記事はサイクリング・サイエンスという雑誌にもそっくりそのまま発表された。ロブはまたスポーツ産業に用いられる素材について、チタン開発協会において講演を頼まれた

[1994] バテッドチタン・マウンテンバイクの生産開始

[1997] 最初のサイクリスト専用のチューブセットを展開開始:セブンのデザインチームがチタンチューブのセレクション、特質、そして扱い方を次のレベルへと導く

[1998] セブンが21世紀のためのチタン手引きを、セブンの技術的補足書に記す

[1999] セブンチタンバイクに乗って、セブンの歴史における最初の世界選手権チャンピオンを獲得

[2000] セブンの歴史における2番目の世界戦主権チャンピオンを獲得

[2001] セブンのデザインディレクターがMITにおいてエンジニアリングとチタンについて講演

[2002] ウルトラバテッド™チュービングの登場:現在にいたるまで、バテットテクノロジーにおいて最先端に君臨する。ウルトラチュービングは、チューブの長さに合わせて様々なバテット加工を施す事を可能にする。これによって今まで以上に軽いチューブを作ることが可能になり、一方で高いストレスがかかる場所には充分な耐久性を持たせることが可能となった

[2003] セブンチームはチタンバイクで全米チャンピオンとなる:今日までに2003年から4つの国内タイトルを獲得

[2004] 100%の品質管理をするため、そして開発のために自社工場にてチューブバテット加工を開始

[2007] 特別な疲労耐久試験システムを開発し、チタン材料の耐久試験をセブン社内にて実施できるようになった。また、こうした試験の他、革新的な溶接技術、多様な仕上げシステム、そしてチューブの型作りなども社内にて行われるようになる

[2008] 大きな半径を持つチューブベンダーに資金を投じ、それはサスペンションフォークのクリアランスのためにチューブを曲げたり、余分なスタンドオーバークリアランスを作るために使用された。最初の650Bホイールがセブンによってデザインされ、長い間待ち望まれていたチタンのシートポストも市場に投入した

[2009] 通勤者のための最初のハンドルバー、タイベリウスバーが急増していた需要と通勤者の増加のために開発された。それと同時にカスタム用のフロント、リアラックを製作し始めた。エリウムSLX、エリウムSL、マッドハニーSLX、IMX SL、IMX 29SLのオプションとしてインテグレーテッドシートポストが紹介され、BB30オーバーサイズボトムブラケットのオプションが作られた。

[2010] 自転車業界におけるチタンの有益性が幅広く認められ、セブンはそれに答えるためにトラベラーラインの展開を開始

[2011] 44mmのヘッドチューブがフレームオプションに付け加えられた

[2012] 更にもっと硬性を高めるために、1インチのロードチェーンステイが作られた。

 

25年以上にも渡り、セブンのデザインチームはチタンの良さを広めるためにイギリス、イタリア、ロシア、台湾、中国などでも挑戦をしてきました。ほとんどと言っていいほどの世界における代表的な自転車都市にて存在するチタン製造会社を訪問し、そこにおいて入手可能なチタン合金や、入手不可能なもの全てを評価してきました。そしてセブンはアメリカにある大きなチタン供給会社から小さな会社に至るまで、常に一緒に知恵を出し合い続け、所有するフライス盤と共に、品質証明、品質試験、品質追求等とともに安全基準値の開発に対し多くの時間とエネルギーを費やしてきました。セブンのフレームビルディングチームは、長い年月をかけて培ってきた技術的な知識と経験を、製造する全てのフレームにあてはめているのです。

 

 

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