[Bike 伊豆 between you and me] Truce Designsを思ふ。
ポートランドのハンドメイドバッグメーカー、Truce Designs。
代表的な製品がこのDropliner Backpackです。
自転車だけに限らず、トレッキングやマリンスポーツなどの、地球相手にとことん遊ぶ人向けに一つ一つ祈りを込めて手作りされるバックパックです。
メインの生地にセイルクロスを使っているのですが、そのセイルクロスというのはヨットの帆に使われるファブリックのことです。
風を受け止めるのが一番に求められる性能故、伸びない裂けない破けない。
高密度に織り上げられる上に、樹脂コーティングされているので防水性も高い。
そして軽い。
外遊びに必要な性能は全て兼ね備えているのです。
とても耐久性の高い生地に丁寧な縫製で滅多に壊れることはないはずですが、修理可能となっておりますので、有事の際はシムワークスへご相談ください。
惑星を遊びつくすための手段として、セイルクロスを全面に押し出しているかと思いきや、こんなドラゲナイ生地も使用するTruce Design。
ペンドルトンです。
ネイティブアメリカン向けのブランケットの製造から始まり、代々家族経営を貫いており、伝統を大切にしながらも時代に取り残されない方法で140年以上続くウール専門のブランドです。
ちなみに、かのビーチボーイズはデビュー前、当時流行していたペンドルトンのシャツにあやかってペンドルトンズというバンド名で活動、しかしデビュー曲が「サーフィン」ということでレコード会社が勝手にビーチボーイズとしてしまった・・・というのは有名な逸話であります。
Truce Designが、大地との対話を大切にしてきたネイティブアメリカンへ向けたブランケットを採用しているということに深い意味があるのではないでしょうか。
外遊びとは大地との対話であると、バックパックに具現化させたとも思えるのです。
ぼくは思うのです。
大袈裟に言ってしまえば「大地との命のやりとり」である王滝のMTBマラソンレースでこのペンドルトン仕様のTruce DesignのSサイズをハイドレーションパックとして背負って走ったなら、必ず何かしらの御加護を得ることができるのではないかと。
なんつって。
うそ。
単純に王滝みたいな過酷なレースでこんなかっけーバックパック背負って、泥跳ねなんか一滴も気にしないで、強く陽が差してもウールの暑苦しさの一切を気にも留めないで、ただただかっこよく走り抜けることだけを考える、ていうのが素敵です。
かっこつけるってかっこいいですよね。
つまりぼくはDropliner Backpackを買うことを目標にペダルを踏もうと誓うのです。
最後に、メインファブリックがセイルクロスにしてもペンドルトンにしても、荷室には別の防水性が高くとても軽量な生地を使用しています。
ウール地がビショビショのグジョンセンになっても中身は無事、と100%言い切れるわけではないのですが、大丈夫な方に賭けてみても人生はまた面白いのです。
text : Hiroki Ebiko / SimWorks XC Racing [Blog] [Instagram]