[Bike 伊豆 between you and me] Seven Cyclesのスキンケアについて。
年間2000本のカスタムオーダーフレームを生産するSeven Cyclesは、その生産能力向上の為に徹底的に研ぎ澄まされたシステムを貫いています。
一本のフレームの製造に携わる職人が何十人にも及ぶとなると、やはり表面的にはインダストリアルな佇まいとなってくるのでしょう。
五感を全開放して向き合うとあらゆる工程の職人がプライドを以てこのフレームに心血を注いでくれたというのがうっすらと感じ取れるのですが、一人で切り盛りしているフレームビルダーの温もりや哲学や宇宙と比べるとそれほどわかりやすいものではありません。
アリソン・クラウスのコーラスのように優しく儚く、しかし確かな主張性。
そういうものをぼくは受け取っています。
俺様専用Solaはドロッパーシートポストを装備し、フルアーマー化に成功しております。
正にアサルトバスターというV2感。
あとはパイロットの腕のみ。
そしてドロッパーシートポストのケーブルはフレームに絶えず擦り傷を残していきます。
たった一度のライドで思ったよりも擦れました。
チタンは耐摩耗性に乏しいという欠点があるのですが、いずれケーブルの擦れで穴が開いてしまうのではないかと想像すると身の毛もよだちます。
ケーブルには緩衝処理を施すとして、さてそしてこの擦り傷をどうにかせねばならぬと。
否、今までのぼくであれば傷を消そうなどと考えには至らず放置となっていたはずなのですが、サポートを賜っている身としましては機材を美しく保つのも責務であるという境地に至り、一念発起してのでした。
家具用のツヤ出しワックスと、サンドシート800番。
サンドシートにつきましては、スコッチブライトのベリーファインAAというグレードがSeven Cyclesの推奨となっていますが、最寄りのホームセンターでは取扱がなかった為、相当するものを購入しました。
ステンレスや銅の磨きに使いたいと言うと、800番を紹介して頂けました。
チタンを磨くという風に伝えてもなかなか理解してもらえなかったので。w
ワックスはほんのちょっとを薄く塗る程度で大丈夫です。
とても簡単に傷は消えます。
どれくらい簡単かと言うと、ハチ公前の雑踏の中から恋人を10秒以内に見つけることと同じくらい簡単です。
軽く擦るだけ、10秒で傷は消えます。
やり過ぎにはお気を付けください。
長いストロークで擦らないように。
短く軽く。
愛でるのです。
長期にわたって美しい品質をユーザーの手で維持出来るということがSeven Cyclesの理念の一つです。
そしてチタンのサテン仕上げというものは疲労耐久度においても素晴らしい性能を示しています。
Seven Cyclesの製法全てに確かな裏付けがあるのです。
ちなみに今回のスキンケア方法はSeven Cyclesに限らずサテン仕上げのチタンフレームであれば可能ですので、参考にしていただければ幸いです。
text : Hiroki Ebiko / SimWorks XC Racing [Blog] [Instagram]