[Bike 伊豆 between you and me] シングルスピード世界選手権参戦の記
止めどなく湧き出る胃酸、そしてアドレナリン。
SSWC即ち、Single Speed World Championshipに参戦してまいりました。
10/10土曜午前、会場の長野県白馬村岩岳に着。
シムワークスは協賛出展ということでシムワーカー勢揃い、そしてRetrotecのビルダー、カーティス・イングリスとご婦人のミッツィも来日中でNice to meet you。
祭典の良き雰囲気にあつらえたような好天、接地感が気持ちよさそうな路面コンディション。
自然と脳みそが沸きます。
シム屋台には多くの方に立ち寄って頂き、ありがとうございます。
カーティス来日記念に、Retrotecのフレームをこの日限りの大特価で販売しておりましたが、皆様あーもったいない、売れませんでした。w
シム屋台はカード使えますので、今後は限定大特価を逃さぬようお気を付けくださいませ。
バイクラックを占拠したRetrotecのバイクとビルダーのカーティス。
商品を見て作り手をイメージするという、ハンドメイドに触れる時の掟が意味を成さなくなる現場でした。
カーティスの大きな体躯は優しさを宿すのにマッチした大きさで、いやむしろその巨躯からも溢れ出してしまう優しさをぼくらは感じたのでした。
そして彼にお姫様抱っこをせがむことになるのは摂理とも言えるのです。
Sim-Menとの死相、もとい試走。
コースのほんの一部のみを試走しましたが、己の破滅的な誤りに気づきます。
めっちゃきついのです。
ギア比を完全に間違えました。
こういうことは今までにも何度もあります。
しかし無理だとわかっていても重いギアを踏みたくなってしまう、この世界では変態などと形容されたりするのですが、どうやらそれも違うのかもしれません。
ぼくに限ってはただの学習能力の欠落なのです。w
そして陽はかくも美しく暮れます。
この夕焼けが暗示するものとは何だったのでしょうか?
それはこの後のカオスと化したパーティー、レース当日の雨と泥。
パーティー会場の入り口に積み上げられたIPAの山。
この写真がぼくのせいいっぱいです。w
記憶もほぼありません。
あるのは楽しかったという印象。
ぼくは行儀の良い方なので、きっと大丈夫だったはずです。
雨。
そして胃のむかつきと頭痛。
目が覚めたときは何かしらの大病に掛ったに違いないと思ったほどです。
それなのに。
それなのに、ランからスタートしなくてはならないなんて。
口呼吸すると奥底から込み上げてくるものを感じたので鼻呼吸で凌ぎ、しかし苦しいのでエラ呼吸を試みるのですが方法がわからず、魚って凄い。
シングルスピードレースならではの仮装については何と言えばいいのか・・・。
そうですね、魑魅魍魎と表現するに留めておきましょう。w
走り出すと登りが長く、そしてとても険しい。
えずきが止まりません。
オエ~、オエ~。
えずくと先を行く選手たちが振り返るのですが、えずいているのはぼくじゃないアピールでぼくも振り返ってみたり。
はぁ~、変速機付けてくればよかった~、オエ~。
ずっと涙目のままheavenlyな登りを終え、ていうかオエ~、かつてのダウンヒルコースを下り、シングルトラックへ突入後まもなくクラッシュ。
路面は一部田んぼで、泥も下りも苦手なぼくが履いているタイヤは、あまつさえそこそこ使い込んだセンタースリックのマラソン用タイヤ。
もう全然ダメ。
こうなると苦手意識が独り歩き、というか苦手意識が自転車に跨っている状態なので、話になりません。
もうダークサイドに落ちていく気分です。
見るからに低圧なファットタイヤが路面に張り付いている様子とかめちゃくちゃ羨まSith。
二周目の前半で再びクラッシュ。
マーシャルの方がドン引きするくらいやつをメイクしました。
クラッシュの拍子にハンドルバーとトップチューブに脚を挟まれ、マーシャルの方に外してもらうという救出劇。
いつもは従順な我がSevenに、思いっきりアキレス腱固めを喰らうなんて。
飼い犬に噛まれることはあるのかもしれませんが、愛機にアキレス腱固めを喰らうなんてこともあり得るのです。
とにかくめちゃくちゃ痛いのですが、こいつ、動くぞ!ということでレース続行としました。
それにしても泥は無理。
はぁ~、田植え機で出ればよかった~、オエ~。
その後は足首は全く動かないのですが、痛みはギリギリ乗れる程度ということでフラフラになりながらもゴール。
350人くらいのエントリーで39位。
フィニッシュ直後からふくらはぎは腫れ出し、まともに歩けなくなり、足首から下全体の内出血、フリーザの紫の部分に似た肌でした。
筋肉が打撃を受けて破断、もしくは破断しかけている状態の筋座礁というやつのようです。
Chris Kingで固めたSevenに乗ろうとも、コケて怪我をするのです。w
その後、カーティス含め、Sim-Men全員は無事生還。
Retrotecに乗っていれば、怪我しなかったかもしれません。w
そんなわけで、身体はドロドロのボロボロになり、レースの内容も結果も散々でしたが、心は洗われました。
カーティスとミッツィにまた会いたいな。
SSWCというレースを運営してくださった皆様、また参加された皆様、ありがとうございました!
またお会いできるのを楽しみにしています!
ちなみに、能書きにbomb proofと記されたSeven Sola Sはほぼ無傷です。w
Sevenのストレートゲージチタンチューブ、 Integrity 325™ Titaniumの堅牢さを身を以て証明することが出来、とても嬉しいです。w
text : Hiroki Ebiko / SimWorks XC Racing [Blog] [Instagram]