-Saturday Selection- Cal Days4
Cal Days4 / CX Magazine
TEXT : SHINYA TANAKA
PHOTO : RIE SAWADA
ノーキャルでは乗り三昧の日々。
住処は山の上。 人無し、車無し、信号無し。
乗らずにはいられない。
そして今日も乗りにおいでよって呼んでくれる人がいる。
ノーキャルはやっぱ最高だ。
僕らをそこに呼んでくれた人物はCX MAGAZINE発行人のアンドリュー。
サイクロクロスのみに特化した初めてのマガジンをアメリカで創刊した極めてニッチな人物なのだが、そのこゝろに刻み込まれた深いクロス愛は彼の完全な行動力となって、遠路はるばる野辺山CXにやってきたり、(奥様が日本人ということもあってなのだが。)ヨーロッパのWCを転戦したりして世界中のクロスレースを自身の視点でジャーナルしているとても稀有な人物である。そしてSimWorksとしても正式にCX MAGの国内流通のお手伝いをして行く為のビジネスライドが今回の訪問の最大の目的でもあった。
彼の住む街マウンテンビューエリアには小さいながらも昔から点在するホーストレイルがいくつもあり、マウンテンバイクではちょっと大げさ、ロードではちょっと物足りない、クロスバイクがとてもフィットするオフロードトレイルなのだ。それらを完璧に全てつなぎあわせることもできるらしく、全てライドすると約30マイルにもなるベリーナイスなクロストレイルになるそうだ。そして日々の仕事に行き詰まると1時間ほど自分の一番好きなトレイルに行くのが最高の息抜きになるって笑顔で話してくれる。本当に羨ましい限りである。
馬の放牧地が今回の最終目的地。
マウンテンビューという街はいわゆるシリコンバレーと呼ばれる地域の1つの街であり、広大な土地を買い上げたそこにはあのグーグルの本社があり、この街の地下には一体全体どれくらい大きなサーバー群が埋まっているのだろうかと丘の上から思いふける。ちなみにサンノゼという街がシリコンバレーの発祥地と言われているのだがその人口はノーキャル最大と思っていたサンフランシスコの規模を既に飛び越えていて、いまや全米で7番目の巨大な街になったそうだ。そこで僕の目に強烈に飛び込んできたのがその圧倒的なアジア人の数。それはニューヨークやロスなどが持つ人種の坩堝感とは全く持って違っていた。それこそ様々なアジアの人々が新しい価値や可能性(もちろんお金を含めた。)を求め、そして作り上げられた新アジア圏とも言える場所がそこで確実に生まれているとも感じた。さらにはこの新しい産業の中心的な概念の根本には人間の種類や外見のどうのこうのではなく、ただそれぞれの持った才能によってチャンスが与えられているのだろうとも想像するにたやすかった。
とてもアジアだったので、やはり〆はラーメンにした。
味は恐ろしく日本的であった。
Cal Days5に続きます。