【FROSTBIKE】Minneapolis welcomed us.
Text : Toyoshige Ikeyama / Photo : Rie Sawada & Toyoshige Ikeyama
アメリカのバイクインダストリーの中でも最も大きな問屋であるQBP社。 そこで毎年この時期に開催しているFrostbike / フロストバイク というイベントがある。
正直なところ、最初は冬のミネアポリスで雪上ライドを楽しむことができるイベントという誤認識をしていたのはここだけの話なのだけども、今年は運良く機会にも恵まれ、SimWorks USAとして初訪問することになった。
2月といえば、アメリカ自転車業界は閑散期真っ只中なので、こういったイベントをやるには良い機会。 中西部に位置するミネアポリスに、アメリカ中、そして国外のバイクショップのオーナーやバイヤー、セールス、メーカーたちが一堂に集まったのである。
今回お邪魔をして蓋を開けてみてわかったのは、このFrostbikeはライドイベントではなく、ディーラー向けのセミナーそしてエキスポをメインとしたものだということ。
初日と2日目はセミナーが中心で、QBPの各部署のスペシャリストや、素晴らしい成功を収めているディーラーショップのスタッフらをパネリストとして招き、様々な講義が開催されたのだった。
講義のタイトルはこんな感じ。
- 「女性に魅力のあるお店づくり」
- 「実店舗がAmazonより優れる理由・そしてAmazonを打ち負かす方法」
- 「接客におけるコミュニケーションの取り方」
とにかく現代のバイクショップ、いやいや、すべての小売業において見過ごすことはできないような先進的なトピックについてを議論し合い、活発な意見交換をする場となっていたことにとても驚いた。
普通、日本で問屋の展示会といえば、話題の新製品が発表されたり、もしくは取引内容について決定をするような場所だったりするのだが、Frostbikeはそういったものよりも、実際にお店を運営していく上で有益となる情報を共有しあう場であり、様々なショップやメーカーの人たちとの交流を深める社交場というのが正しいと思う。 とにかくこの産業をみんなで確固たるものにしていこうという気持ちの溢れた現場だった。
そしてFrostBikeで知り合った共通の趣味を持つ仲間たちは、きっとこれから深く繋がりあっていくに違いない、現に今まで会うことのできなかった東海岸のSimWorks USAディーラーの面々とも現場で顔合わせをすることができ、少なくとも我々にとってはとても有益であったし、きっと他の人たちもそれは同じだと思う。
もちろんセミナーだけではない。
最終日に開催されたエキスポにおいては、みんなが気にしているに違いない、SURLYからリリースされたE-Bike仕様のビックダミー a.k.a Big Easy(残念ながらアメリカでの展開のみ)や、ラックの使い方の可能性を広げてくれるであろうTV Trayなども実際に手にとって見ることができたり。
他にもWHISKYからは気になるフォークがリリースされそうだが、まだ情報はリークできないのでここまでとしておこう。
他にもミネアポリスのSimWorksUSAディーラーといえば欠かせない名店、Angry Catfishを訪れたり、また彼らがグループ経営しているカフェ Northern CofeeWorks 、フライショップのMond Provisionsへも訪れた。
偶然ではあるが、プリンスを生んだ場所と言われるダウンタウンのライブハウス First Avenueでタイミングよく行われたカントリーライブにも足を運ぶことができ、生協スタイルのバイクショップ The Grease Pit Bike Shopで開催された謎の指相撲大会でサスクワッチを名乗る巨漢にコテンパンに打ちのめされたりと、ミネアポリスを満喫した我々シムワーカーだった。
2日間のセミナー=座学に加え、エキスポで1日中ブースを歩き回るだけでは終われないってことで、Frostbikeが終わって慌ただしい中、無理を言って、SURLYクルーにファットバイクライドのアテンドをお願いしたのでした。
Frostbikeが開催された週末は最低で-20℃という低気温に加え、ここ数年で記録的な豪雪を記録。(実際ポートランドからミネアポリスへのフライトは遅延に遅延を重ね、着陸も1度やり直したほど吹雪いていたり。。。)
ALL-CITYのJeffが、「小さな川はこの時期凍るから、川の上をライドできるし、当たり前だけど車も通らないから安全だよ。」とジョークのように話していたが、実際川にはしっかりと氷が張っていて、ファットバイクで難なく走ることができるほどだった。
真冬の真っ只中にミネアポリスに足を運ぶというだけで世間一般からしたら少しおかしいと思われるかもしれないが、寒さを忘れるほど夢中になってペダルを漕いで、そしてそれを共有できる暖かい仲間たちと知り合うことができて、この選択は間違いではなかったと確信したのである。
ミネアポリスの記録的な大雪と猛烈な寒さ、それだけでなく暖かい人たちによって僕らは歓迎されたのであった。
SimWorksのUSAツアーはこれからまだまだ続きます。
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