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2021/6/5

Indie Strokes: Daisy Print Works

撮影と取材を終えて:

嶋崎氏は、彼の職業が人類文化世界の一翼を担っていることに確信的であり、それが彼のアートである。そして、彼とその家族が生きる街、デリバリーに飛び回り、プリントのスタジオを置くその「街」は言わばキャンバスだ。彼の仕事が機能するこの街に住むことで、それを感じることができる。

確かにバイクメッセンジャーは世界的にその数が激減した職業だ。かと言って、かつて彼らが運んでいたモノがその姿形を変え、光ケーブルを伝って送達される様になった事を嘆いても始まらない。真に自転車便が不要になる時が来たら、彼は潔く降りるだろう。そもそもこうした文化風習をアナクロに保存しようという魂胆は、彼にはないからだ。

「それが今の社会にも有効」である限り続けたい、のは山々だが現実は現実だ。他所の都市では仲間の多くがデリバリーバイクを降り、暖簾を下ろしたカンパニーも目の当たりにしてきた。彼は考え、常に見定めている。「それ」が今でも有効なのかどうかを。

そして、「それ(バイクメッセンジャーという職業)」を原子レベルまで分解、脱構築し、仕事の名の下に自分自身がこの世界に於いてどのように機能し、有意義であるべきかを考え、析出した結晶、それが今の Daisy なのである。

スーパーの野菜に生産者の名前と顔写真が入るようになったことを高度情報化社会というのかはわからないが、手から手へ、人から人へ、混沌とした価値観の隙間をスムースに縫い生きるなんてメッセンジャーらしいじゃないか。
彼らに届けてほしい荷物があるし、彼らに刷ってもらいたいTシャツがある。(文/剣持)


動画内でプリントしてるTシャツは、Circles にて販売中です。名古屋近郊は Daisy メッセンジャーに配達を依頼することも可能です。お見逃し無く。