FEATURE2015/5/7SantaCruz, California vol.2 / BlackCat
Text by Shinya Tanaka Photo by Rie Sawada
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正直に言えば僕はお金に目がない。
誰だってお金に苦労せずに楽して暮らしたいのだ。
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でも僕は純粋に思うこともある。
それはどうやってお金を得たのかと言うことが、
ものすごく大事だったりするということだ。
だからこそ僕は好きなことを一生懸命に勉強して、
出来るだけ現場の近くにいて、なるべく生の声を聞き、汗も一緒に流し、
その “モノ” “コト” に執着した結果のお金であれば、
それ以上の対価というものはないのであろうと信じている。
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モノを作る能力がある人間が、ここまで文明を発達させて来て、
機械を作る機械をつくり、人の役割が次第に変わってきて、
頭を使うことにより比重が重くなって来た。
その代わりと言ってはなんなんだけども、割と大事にしておかなければ
いけない事が、いともたやすく、そして簡単に流れ出していく。
そして効率性をただひたすらに追求すると言うことのみが善という
考え方の方が一般的にもなってきた。
望むのは人であり、望まぬも人である。
ただ、僕は彼らのように自らの望みに純粋な人間が大好きなのである。
大好きな物を与えられて、使いこなすようになり、好き過ぎて、創り出す。
至極単純なのだ。
でもそれはとてもとても継続していくことが難しいと言うことをほぼ全員が知っている。
そして多くの人間の失敗を知り、多くの人間が嘆き悲しみ、
そしてまた多くの人間が淡々と日々をこなしても行く。
BlackCat
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![sim_f008_05](https://sim-works.com/wp-content/uploads/sim_f008_05.jpg)
BlackCatのToddはその中でも割と多くのものごとを知り尽くした部類であると言える。
SantaCruz Bicyclesに長年つとめていたという事実と実績は何よりもそれを物語る。
(彼はパートタイムとしてそこで働きながら、カスタムオーダーの受注も
個人で受けていました。 今年で11年目のビルダーです。)
あらゆる技術を知り、マテリアルを知り、多くの成功や失敗を知り、
他人を知り、そしてまた自分を知っている。
そして何より自転車で楽しむと言うことをとことん知っている。
(さらにToddは非常に稀な溶接と塗装を自ら行うビルダーでもあります。)
なぜ最先端を携わった人でさえ最終的にこちら世界にいたいと思うのか。
それは決して難しい理由ではなくて、
(日進月歩の技術や性能云々に興味がないわけでもない。)
ただ自分の手の中でどれだけ携わって、そして生み出していくことに
より執着があると同時に、自身が道具の使い手である故に、
こちら側の使い手が今何を欲しているのかや、どこまでが必要なのかが
きっちりと分かって、そしてそれに対応することによって
ちゃんと得れることがあることを知っているのだ。
(そしてこちら側の乗り手とはベリーアマチュアである。
更に付け加えると遊びのベリープロフェッショナルでもある。)
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その種の人達との会話はとても有意義であり、とても楽しい。
更にはそんな人たちの気持ちに答える為に、
自分でどんな責任を生み出していけるか。
そのつながりの先には一体何があるのだろうかと探求することが、
おのずと大事なものへのつながりの始まりだったりもするのかもしれないと。
それは時として金であり、人であり、技であり、成長でもあるのだが、
でも丁寧に物事をやり遂げたあとにきっちりと見えるものは、
お金と言う物差し以上の対価が必ずついて来るのである。
それはどこの国に行っても同じである。
僕は今、主にアメリカの人々のものことを中心に紹介をしているのだが、
実は様々な足音が色々な場所から聞こえてくるのです。
耳を澄ませば聞こえるし、目を見張ればしっかりと見えるのです。
もうすでにどんどんと始まっていることなのです。
あなたの感覚をまず信じて、あなた自身で感じようと思うのです。
あなたにとって大事な “in Between” を自身の力で掴んで下さい。
それがまさしく今一番大事なことなのかもしれません。
そう常に未来は今だから。
長いこと御付き合いいただきましてありがとうございます。
もしだれかひとりでもご興味頂ける人がおりましたら、
遠慮なくご質問、ご連絡いただければ僕は喜んで皆様のための
“Between you and him or them” になりたいと思っております。
Black cat bicycles – ブラックキャットバイシクル ( http://www.blackcatbicycles.com/ )
– プロダクトサンプル [FlickrのBlack catセットをご覧くだ