SCUMB: 12 Years of Mountain Bikes, Barbecue, and Organized Chaos



混沌の中からこそ最高の人間関係が生まれることがあります。生み出された混沌…そしてソーセージ。
12年前、私はSCUMBというマウンテンバイククラブを始めました。この名前には意味があって、それはバレリー・ソラナスの過激なフェミニスト戯曲「SCUM Manifesto」へのオマージュでした。彼女はアンディ・ウォーホルを銃撃したことで知られています。
SCUMBには独自のマニフェストがあるべきだと思いましたが、結局書くことはありませんでした。この名前には、既存のマウンテンバイク文化に対するカウンターの意志も含まれていました。当時の私はエッジの効いた感覚を求めていて、マウンテンバイクの本当の面白さを取り戻したかったのです。私たちのまわりの変わり者、アーティスト、アウトサイダーが自転車で集まり、月光の中で森で遊び、雨の中で裸で泳ぎ、危ない遊びをして笑うことを楽しんでいました。
そして、私は単純に友人たちとアウトドアでみんなでご飯を食べたかったのです。その点では、SCUMBは成功しました。


最初は、アナデル州立公園への玄関口にある小さなローカル公園、ハワースパークでのライド後にバーベキューすることから始まりました。初期の頃は参加者が少なかったんですが、口コミで自然に広がりました。だいたい私がグリル用のソーセージを持ってきましたが、時には地元の生産者からチーズ、肉、野菜を集めたポットラック風のシャルキュトリーボードを作ることもありました。
北カリフォルニアには多様で豊かな食材の宝庫であり、サンタローザのサイクリングコミュニティでこの豊かさを共有できることは私にとって大きな喜びです。


ジェイソン・シルヴェレクは、自転車に関連する全てのことにおいて私の師匠であり、彼が私にカンガルーグリルを紹介してくれました。これは、グリドルトップが付いたパッカブルガスグリルです。それにより、SCUMBの活動は移動可能になり、イベントを開催できる場所と時間を自由に設定できるようになりました。もう固定された炭火グリルに縛られることはなく、アンナデル全体、いやソノマ郡全体がSCUMBの活動範囲となったのです。
アナデル内にいくつかの異なるミーティングスポットを設けたので、SCUMBの開催場所は毎回変わり、時にはその地域を飛び出して「オフサイト」のSCUMBを開催することもありました。



特に記憶に残っているライドがあります。私は激しい雨の中、友人のジェイソン・シルヴェレクとジェイ・デロンと一緒に、シャワルマ(※ケバブのような料理)の具材を詰めたバックパックを持ってセント・ヘレナ山の頂上を目指して走りました。前日には何時間もかけて食材の準備をしました。それらのマリネしたチキン、自家製のガーリックヨーグルトソース、新鮮なピクルス、フムスを詰めたコンテナやジップロックがバックパックの中で踊り、暗闇の中をヒルクライムし、雨が服を濡らしていきました。
木々に囲まれたいい感じの場所を見つけ、カンガルーグリルを起動して急いで食材の準備をしました。大雨でフラットブレッドはグチャグチャになり、手は凍りつき、感覚がなくなっていました。途中で、オフロードのモーターバイクに乗った男がオーストラリアンシェパードの犬を連れてやってきました。レンジャーに見つかったかと思いましたが、実は私たちの親友クリスでした。彼は雨の中で冷えたビールを私たちと一緒に飲み、頂上までオートバイで登って行きました。ビールを飲み終え、低体温症になる前にその場を撤収しました。これは私が今まで食べた中で最高のチキンシャワルマでした。


ジェレミー・シシップは、SCUMBを新たなレベルに引き上げるために、2台のカスタムSCUMBバーベキューバイクを作りました。最初のバイクは、ベルト駆動の内部変速機付きミニカーゴバイクで、前方にガスグリルを積むためのプラットフォームラックが装備されていました。
初めてそのバイクを使用した時、私たちは夕日の中で一緒に食事をし、その後荒れたトレイルを走りました。ジェレミーのバーベキューバイクは、ガスストーブや料理道具、空のビール缶が詰め込まれたパニアバッグと共に、階段から投げ下ろされた工具ボックスのような音を立てながら、大きな木の根っこを乗り越えて走る必要がありました。それは素晴らしいカーゴバイクでしたが、アナデルの岩だらけのシングルトラックには適していませんでした。


シシップのSCUMBBQバイクの第2弾は、27.5インチ以上のタイヤとShimano STEPSのペダルアシストを備え、フロントラックにまな板を載せ、ガスグリルを取り付け、防水のリアパニアバッグには氷を詰めて飲み物のクーラーとして使用できるなど、よりトレイル対応になっていました。これまで見た中で最も考え抜かれた電動バイクであり、モーターの追加が完全に機能していました。ジェレミーは現在もSCUMBのセッションにこのバイクを持ち出しています。彼は本当に最高です。



SCUMBに関わったすべての人には、それぞれのSCUMBストーリーがあります。スコット・ニコルは、私が裸足で燃え盛る炭の上を歩いた時のことをたまに思い出させてくれます。あの夜はシエラネバダやロシアンリバーIPAを何杯も楽しんでいました。私たちは美しい湿地帯の草原にあるガゼボ(西洋風あずまや)に集まっていました。その時に盛り上がって、靴と靴下を脱いで歩いてみたのです。自信を持って足を一歩一歩燃え盛る炭に置き、灼熱の中を渡りきりました。その後、足には数週間にわたって水ぶくれができましたが、それでも後悔はしていません。火の上を歩いた人ってどれぐらいいるんだろう?



10年以上存続しているほとんどの社会的グループと同様に、SCUMBも浮き沈みを経験しました。いくつかの友情は強化され、他の友情は崩壊しました。私たちのメンバー数は増えましたが、重要なメンバーを失うこともありました。師範のシルヴェレクがソノマ郡から引っ越したとき、SCUMBが回復するまでには時間がかかりました。グループの中心的なメンバーである彼がいなくなるのであれば、もう終わりにする時期かもしれないと感じました。メニューの発案、食事の準備、森の中での即席パーティーの企画に疲れ果てていました。
しかし、ジェレミー・シシップがそれを継続してくれて、徐々に多くの人が参加するようになりました。私がするべきことは、ただ参加して友情を楽しむことだけでした。最終的に、主催者ではなく参加者としてSCUMBの一員になることで、再び十分な情熱を取り戻したのです。


今やこのグループを始めてから12年が経ちましたが、これまで以上に力を入れていく準備が整いました。今の時代、私たち全員が現実の世界で集まり、他の人々と一緒に過ごすことが非常に重要だと感じています。火を焚き、日が沈むとともにコヨーテが吠え始める中、屋外で食事を共有することには何か根源的な意味があります。私たちの生活がどれほど複雑になっても、夕日とソーセージを楽しむ時間はいつでもあります。
SCUMBよ永遠に。

Thanks to Jeremy Sycip, Rie Sawada, Ana Pimsler, and Chris Grabill for the photos. All original artwork by me, Nicholas Haig-Arack.