2018/12/12
RIDE IS LIKE HAIKU / vol.6


Text & Photo by Ohmura Tomokuni

2018 12 3
 
大門坂越え来て
寧比曾この見ゆる
木曾尾嶺は
秋の色になりたり

多くのサイクリストにとって良き季節も終盤、とある石碑の短歌が思い浮かぶ…。
僕は秋の色を求めて、山の奥へと向かっている。
朝晩は寒くなり、朝から走り出そうと思ってみても、どうしても布団が恋しくなる。それでも何とかぬくもりから抜けでて、いつかに連れられた馴染みの山へ。

いつだったか、とある山にSimWorks代表である田中さんに連れられて、初めてマウンテンバイクで山を駆けて抜けてから早幾年。
初めてのマウンテンバイクはサルサのハードテール。 慣れぬ山道を転んでは走りだし、夢中になって田中さんの背中を追いかけたのも遠い昔の事のよう…。
それから十年以上経過した今までも同じ山を走り回る僕。
いつの間にか背中を追いかける側から、背中を追いかけられる側へと変わり、山を駆ける相棒はハードテールからフルサスへ。

しかしながら欲求は高まるばかり。 もっと遠く、かつハードな道を走りたい、オフロードでもオンロードでも、シングルトラックからダブルトラックまで、本気の意味で何処へでも駆け出せれる事の出来る相棒としてSeven CyclesのEver Greenと呼ばれるATB(All Terrain Bike)を選択する事になった。

僕のEver Greenは
度重なる落車で傷だらけであり、
度重なる輪行で塗装が剥がれ、
度重なる走行でいつも泥だらけだけれども、

どんな道でも走破出来る太いタイヤを履き、
どんな状況でも制止できる油圧ブレーキ、
そして何よりも
どんな過酷な使い方をしても頑丈なフレームであり、
決して速く走る為だけでなく、どんなシチュエーションでも確実に前へと進む。

この自転車をオーダーし、納車されてから様々な道を走破し、走れぬ道では担ぎ上げ、前へ前へと共に進んで来た。
毎週末、僕は自転車で駆ける爽快感と、額に汗して昇った先にある景色を求めて走るばかり。

近頃秋は知らぬ間に訪れ、気づけば終わっている季節のように思え、最近まであれほど額に汗していたにもかかわらず、いつからか吐く息は白くなる。
目に映る山中は青々とした緑から、色とりどりの紅葉へと移り変わる。そして色は徐々に失って行く。
認めたくはないのだが、近頃歳を重ねたせいか季節の移ろいが早く感じるようになってきた。

さて…、すぐそこに冬将軍が待ち構えており、いつかに訪れた山は、美しき秋の彩りから冬景色。
木々の葉は落ち、白い雪が木々と地面を覆っていく。

十年前と同じ山を走り回る僕。
違うのは傍らには『Ever Green』

「雪道を駆ける愉しみめぐり会い」

 
 
今年も寒さの中で出逢う景色が楽しみです。
 
それではまた来週。
 

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