[Bike 伊豆 between you and me] Rhonda Stemに救われる。
マウンテン・デューとローリーという女性へと向かうダニエル・ジョンストンの想いは時の流れを無視する魔法とも思えるのです。
翻って、ぼくは以前よりも多くのことを許せるようになり、やがて草野マサムネの声は少しだけ擦れ、エジソン電球を完璧に模したLED電球というものが登場し、主にそれらを指して時の流れと言うのです。
多くのものは変わります。
街がいつだって季節を歓迎しているように。
けれど、変わらないもの、変わる必要のないものというのは確かに存在します。
変わることを拒絶するわけでなく、必要とされて変わらないということもあり得るでしょうし、変わることができなかったという側面が美化されることもあるのでしょう。
軽さについて求められるなら他を当たっていただくしかありませんが、リズミカルでエモーショナルでセクシーで、望んだとしても突然にそういうものを産み出せるわけではなく、二番煎じが存在し得ないというところに多くの信仰が集まるのかもしれません。
多くの人はあらゆる変化に立ち向かえるほど強くはありません、というよりも、みんな弱っちいのです。w
目に見える形の確かな伝統性に身を委ねたい、でもトレンドという名の遊び心も持ち合わせたい。
というわけで、Sim Works XC Racing立ち上げのずっと前から、極めて弱っちいぼくはSim Works by Nittoを愛用しています。
ある種の救済だったわけです。
手前味噌ながらスーパーアメイジングだと思うのです。
フレームをカスタムオーダーするにあたって、Seven Cyclesでは使用するステムの長さと角度を求められます。
Rhonda Stemを心底愛しているぼくはそれを使用するにあたり、Rhondaの最も洗練された姿を見せることが出来るようにヘッドスペーサーを1mmも積まないという決心をSevenに伝え、Sevenはフレームを作り、ぼくはサドルの上であらゆる不自由を忘れ登って下れる姿勢を保っています。
スチール製のステムというのは不整地で大いに活きるもので、階段や連続の根っこを下る時などはピクシーズのジョーイが刻むリフが体内に響くかのような。
もしby Nittoの製品を使うことがあるなら、溶接ビードの一つ一つまでくまなく観察してみてください。
隠された詩を読んでください。
そして職人を思い描いてください。
Sim Works取扱製品は誰にでもおススメ出来るという感じのものが多くないのですが(すみませんw)、by Nittoのスチール製ステムはフレームの素材やライディングスタイルに関わらず全てのライダーに使っていただきたいと思っています。
特に救済を欲している儚い者たちに。w
飛魚のアーチをくぐって♪
text : Hiroki Ebiko / SimWorks XC Racing [Blog] [Instagram]