kyutai Powder Paint 開始のお知らせ。
Kyutai Paintというペイントショップが名古屋にあります。 多くの皆様が御存知の通りSimWorksの母体でもある自転車屋Circlesに付随するカタチで存在をしています。
はじまりはもう7年も昔、あるアメリカの投資銀行の崩壊をきっかけに、世界規模で株の大暴落が始まり、多くの雇用者が解雇されたいわゆるリーマン・ショックと言われた不況が訪れた時でした。
その頃の我々といえば、より多くの新世代サイクリスト育成を目指してもっぱら作業中であり、また自転車という移動ツールの流通法についても同じくして変革を進めている最中でもありました。 そしてその大不況以前より、その多くの新世代な人たちが口を揃えて求めていたことのひとつとして上げれるのが、自分の好きな色で自分の自転車を乗り始めたいということでした。 それはまるでクリスマスプレゼントに自転車を買ってもらう子どもたちと同じような気持ちを持って我々に訴えかけてきたのでした。 とにかくいろいろな意味において”長く”自転車にまたがっていてもらいたかった我々はその提案を応えるための、ある画期的なサービスを思いつきました。 それが今回ご紹介するKyutai Paintの”コト”の始まりとなったのでした。
我々は多くのメーカーから送られてくる、納品のために7部まで組み上げてある不完全な自転車を、一度全部の部品をバラシ、そして再度ひとつずつ丁寧に組み付けるという、とても手間のかかる、しかしお客さまに命を乗せて使ってもらう道具を扱っている上では必要不可欠なこの作業を必ず行います。 そしてその単体となったフレームとフォークは色を塗り替えるにはもってこいの状態に一度はなるということなのです。
よって我々はその組み付け前に未来のスーパーサイクリストたちのためにその希望の色を聞き、そして塗り替えるサービスを始めました。 赤に跨りたい人には赤色を、青に跨りたい人には青色をと言った具合に、しかもありがたいことにここ名古屋は製造産業の中心地、我々の友人にも多分にもれず塗装業の人間がおり、彼らに頼み、安価かつ短納期な塗装サービスを打ち出してその人々の要望を叶えていったのでした。(付け加えるとサーリーというフレームメーカーがその塗り替え用のデカールキットを販売している事実も、そのサービスを始めるために我々の背中をしっかりと押してくれたのですが。)
ここで話は戻ります。 やはり世界とはすべてにおいてしっかりとリンクし、つながっているもので、そんなアメリカのお金の亡者たちが生み出したひとつの大失敗はなんと我々にも襲いかかったのでした。 御存知の通りこの名古屋近郊は世界に誇る自動車産業に従事する関連企業の宝庫でもあり、その我々が頼んでいた塗装屋も当然のことながらその一つでした。 そしてリーマン・ショックが起こりました。 友人でもあるその3代目の社長はこう切り出しました。 もうこんな商売はやめると。
わたしは当然焦りました。 やめてもらっては困る、われわれが順調に伸ばしてきた、その塗装サービスによるサイクリスト倍増計画がこんな、いとも簡単に終わってしまってはダメだと。 もちろん彼の意思も固く、わたしは考えこう切り出しました。 わたしに塗装を教えてくれないか? 辞めるまでの間で良いからここに丁稚させてくれないか? と無理なお願いをしてそしてKyutai paintは始まったのです。
そして3年の月日が立ち僕ら自身で自前の塗装ブースを作る事にもなり、今に至っているのですが、その友人はその後、すべての仕切りを直し、会社としての向かう方向を定め今では僕らの深いパートナーになってもらうことにもなったのです。 それが今回皆様にご紹介しようとしているサービスでもある、パウダーコーティングによる塗装サービスに繋がったのです。
パウダーペイントと聞くとピンとくる人も多少はいるでしょうが、そこまで多くの人には聞き慣れない言葉かもしれません。 簡単にご説明すると先に述べたサーリーに使われているペイント法と同じで、彼らの思想の通りに“丈夫”が一番の取り柄で、ガードレールや街灯等の屋外公共物にも多く用いられています。 そしてサーリーの自転車を見たことがあるかと思いますがよく言うとシンプル、悪く言うと工業的な見た目でもあります。 しかしながら最初にお話をした通り、多くの新規で自転車を欲している人たちは純粋に色を好みに変えたいのです。 あのメーカーのこのモデルが良いにもかかわらずその完成車は希望の色ではなかったりするのです。 逆にスペックなどを度外視しても、好みの色を優先して自転車を買って行かれる方も実際とても多くいるのです。 そしてやはり希望とは違ってしまった現実を、その購入後から直面することになるのですが…。
われわれが今回ご紹介するパウダーペイントは基本金属バイクのみに適応いたします。 つまり最近主流のカーボンバイクには適応いたしません。 そして25色の選定させていただいた基本色から選んで頂くことになります。 しかしながら特筆すべきことがその値段と納期の早さになります。 また自転車が我々に教えてくれる一番の本質ともいえるD.I.Y(Do it yourself)精神をわが国にもさらに浸透させていきたい我々として、新たに新設した剥離+下地処理というものもあります。 これは一番手間がかかる剥離と錆止め、そして下地を塗った状態でお客様に納品をして、その後お客様が自分の自転車を好きに塗装していただくお手伝いを致します。 また従来通りのウレタンによるウェット塗装も行っていますので、複雑なカスタムペイントはもちろん、マスキングによる2,3色を用いたデザイン塗装、またパウダーをよりきれいに仕上げたいというお客様には、パウダーペイント+クリアーコートや、パウダー+マット仕上げなどの様々なご要望にできるだけ短納期で答えていきたいと思っております。
そしてなぜこのSimWorksのブログにて私がこの記事を書いているかと言いますと、これからはお近くのSimWorks販売店様を通じ、このKyutai Paintの行うすべてのサービスを日本国内の皆様へ提供できるようになったということをここにご案内することができるようになったからなのです。
どなたさまでも気軽に手軽にそのご希望の添えれるように日々精進する所存ですし、また此処の所有する愛車をより長きに渡り、愛で続けていただけるようにSimWorksがそのお力やキズキに少しでもなりたいといつも思っています。
今後ともKyutai PaintならびにSimWorks共々をよろしくお願いいたします。
★球体ペイントホームページ
http://kyutai-paint.com/
★球体パウダーペイント 基本カラー
※実際の色味と異なります。持ち込むショップでカラーサンプルをご請求下さい。