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2015/1/20

From "Seven Cycles Blog"Being World Champion – Mo Bruno Roy Interview

 

Original post : Being World Champion – Mo Bruno Roy

 

セブン・サイクルズがスポンサーするライダーであり、そして仲の良い友達でもあるモー・ブルーノ・ロイが、2014年10月25日、ルイビルのシングルスピードシクロクロス世界選手権において優勝を果たした。それについてはここに記事を載せているが、今回、モーと彼女のMMレーシングにおけるチームメイトでもあり、夫でもあるマット・ロイに話を伺う機会があり、このレースについてや、レーサーとしての近況、そして自転車以外では何をしたいのかなどを聞いてみた。以下が彼女との会話である。

 

セブンサイクルズ:レースが始まる時、勝てる自信はありましたか?

 

モー・ブルーノ・ロイ:優勝はしたいなって思っていたわ。優勝できるようにちゃんと計画をしていたし、でもどうすればなんて分かりもしなかった。シングルスピードレースは障害物だらけなの。走っている間、みんなからバーボンショットやビールを渡されるけれど、それを避けるためにショートカットもできたりする。ビールを一気に飲みほせば、立体高速道路だって飛び越えられるの。4フィート(約1m43cm)くらいの壁を越えるように自転車をほうり投げて、それを登りきれば、砂場を通らなくて済むのよ。

今年のスタート地点では、誰も靴なんて履いてなかったわ。巨大なスリップ&スライドを滑ってから、自転車にのってスタートをしなければいけなかったから。

そうは言っても、常に全力でレースをしていたわよ。だって、正直何が起こるか分からないんだから。そこら中にレーサーがいて、私を追い抜いてもいない人が私の前にいたり。たぶんコースを横切ってしまったんだと思うけれど。もしかしたら、違った道があったのかもしれないし。最初は1番だった。夫のマットは30秒も差があるって言ってたわ。でも、なぜかほとんどの女性レーサーが私の前にいるのよ。私が練ってきたプランは、最初の2周は本気で走り込み、その後はリラックスしながら楽しもうって思ってたのよ。でも、私は1番じゃないって気づいた時、もう100%じゃなきゃいられなかったわ。

 

マット・ロイ:前日に行なわれた時に獲得した手柄を忘れちゃ駄目だよ。レースの前日に全てはもう始まってたんだ。『大佐』と呼ばれる人に15のグループに分けられ、100mのクロスコースとか、ゴム製のチキンを拾い集めてポイントを競うヒルクライムとか、ルイビルのそこら中に散りばめられるんだ。そこには、トリビア的な質問がしてあったりもして、その総合ポイントによってレースに出られるかどうかが決まるんだ。知らない人間が街中に散らばって、みんな楽しんでいたね。

 

 

セブン:おもしろい感じのイベントだったんですね。そのようなイベントで世界チャンピオンになるのはどんな気分ですか?

 

モー:シングルスピードの世界ではほとんどルールが無いっていうのが魅力的だと思うの。シングルスピードに乗って、コスチュームを着る。馬鹿にならなくてもいいの、ただ単にカオスがそこに存在して、たくさんの素敵な人達が自転車で楽しんでいる感じ。今までの長い間はレースに関してとても真剣に取り組んできたの。でも、こうやって楽しめる事を思い出す必要があったのかもしれない。だから、そう、このレースで世界チャンピオンになれた事はとても誇りだと感じるの。それと同時に、この他のエリートレースが、きちんとオーガナイズされ、レースの構造をちゃんと保っているルールの存在に感謝しなきゃって思わせてくれるの。みんなルールには文句を言うわよね、でもそのしっかりとした構造が無かったらここまでクレイジーになっちゃうんだって実感させてくれるのよ。クレイジーなレースに出たいなんて思っている時にこういった場所にいられるのはとても素晴らしい事だと思うわ。だけど、真剣にレースに出ている人の気持ちも十分に理解できる。正直、今のこの時点が私の人生の中で一番輝いているのかもしれない。

 

 

セブン:このレースは『お気楽シーズン』だったとは思うのですが、たとえおもしろおかしい気楽なレースでも、ほとんどの人が世界選手権というものに関わる事が少ないと思います。2014年で達成しようとしていたことってなんですか?

 

モー:世界選手権は本当に難しいレースだと思うわ。そのために自分の人生を計画しなければいけないの。期待が大きくなりすぎて、楽しもうとする気持を止めてしまったり、楽しみから全く違う気持ちへ変わってしまったりするの。楽しむ事はできる、でもそれはレースが終わってから。すぐとはいかないものなの。時には、長い時間がたってから感じる時もある。だから、私にとって『気楽に』って意味は、『レースをしている時に』楽しむっていうことなの。イベント毎に楽しむって事でもあるかな。それから、シングルスピードレースはシクロクロスの昔からある精神を受け継いでいるの。だって、イベントがおかしくなればなるほど、みんな結果なんてどうでもよくなるのよ。

 

私が思うに、このような精神がもっと必要だと思うの。全てのレースにおいて純粋で、究極であって、エリートでなければならないなんていう考えは少なくなるべきなのかなって。今まで私はうぶだったのかもしれない。バイクレースはみんなのためのものだって思ってた。大きなバイクレースのコミュニティーの中で、私たちは思っているより他でもない存在である事に気づいたわ。だから、このシーズンを計画する時、レースに対して、もっと心を開いて接しようと思ったの。お金があるかどうかなんてことでもなくて、もちろん、スポンサーをされている私が言うのは簡単かもしれないけれど、でも、マウンテンバイクで出場しても良いだろうし、変速機をジップタイで縛って、シングルスピードレースなどの予選に出てもいいんじゃないかな。こんな考えを色んな人と共有できたらなって思うのよ。正直、私が子供の時に誰かが自転車レースに出ないかって誘ってきたとしたら、参加できるような方法なんてなかっただろうし、お金だってないし、でもサイクリングっていうのはコミュニティのみんなで成り立っているものでしょう。私たちがやっていることに対して、みんなを導いてあげる必要があるし、それには楽しくしていくことを追求する以外に方法はないと思う。楽しくし続けること、それを私たちの一番の理念にすることが大切だと思うわ。

 

別にこれは自転車レースを守ろうっていうような運動ではなく、私はただ一人の人間として、仕事に自転車で行き、買物をしたりして、見本になる事しかできないと思うの。歳を取れば、どうやって生きていくかっていうのがもっともっと大切になっていくでしょう。だから、私は今やっていること、今いる場所に幸せを感じて、その生き方がそのまま私のいるコミュニティーを支えてくれたらなって願っているの。いずれにせよ、私は楽しんでいるし、それこそが勝利だと思うわ。

 

photo: Matt Roy

 

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