FEATURE
2015/5/5
Oregon, Portland vol.2 / Cielo by ChrisKing

Text by Shinya Tanaka Photo by Rie Sawada

アメリカに行ってはいつも遊んでいるとよく間違えられる。 否。 時差ぼけに悩まされて、食事の量に身の危険を去らされて、ビールをたらふく飲まされて、下手な英語を喋らされ、日本の動向すらチェックさせられる。 ただそんな環境に少しの間でも身を置けると言う事は、この仕事の最高なパートでもあり、最低のパートでもある。 まちがいない。

最近の僕の知りうるアメリカの事情は少しづつ変わって来ている、、 かもしれない。 わりと多くの人が、(ステレオタイプな意味ではなく僕の知り合いでね。)決して従来的な大雑把な生き方や考え方ではない、非常に洗練した(自分で洗練させた。)生き方を好むようになっていると。 (ある種、偏っていると言われてそうな人たちと話す方が、個人的になんかしっくり来る事が多くもなっている。) 知り得るアメリカとは多くの場合、僕にとって西海岸であるのだが、アップルの好調ぶりとNYのストックマーケットの低調ぶりは、結構分かり易いアメリカの現状の西と東の違いや変化と捉えても、理解し易いのではないだろうか。 永々しく書いた所でこんな文章は好んで読まないであろうから、結論として個人的に凄く西海岸が好きだってこと。

CHRIS KING

そしてまたオレゴンにいる。 だからまたChrisKing Componentsにお邪魔するわけだ。

メルクスや、パンターニがいて、

わけの分からないCieloが乱雑に止まっている事で有名な、 あのKing Companyである。

すべてのベアリングは丁寧に一つずつ圧入される。 自分たちの作るものを理解するために。

人々は信念を胸に、与えられた職務を丁寧に遂行し、 新たなアイデアを模索して、 削ってはやすり、削ってはやする。 そんなChrisKing Componentである。
そんな人々を尻目に僕らの大事な目的である、Cieloの進行状況の確認や、今後の見通し、僕らのチームが発足した事によるこちらの自己紹介も兼ね、現場チェックという名の仕事の邪魔をしに来たのである。 でもまずは恒例のツアーにでもいくことにする。

ChrisKingは高性能なベアリングを中心にすべての部品を自社工場内ですべて製造するという事で有名なのだが、高性能な製品をなるべく長い時間、使用、そして維持させる事がもっとも大切であると言う事を社員すべてが理解しており、その為の努力を惜しまない。 製造時に使用する掘削用のオイルにこだわり、そのオイルの循環システムにこだわり、クリーンな工場を保つ事にこだわり、そのエネルギー調達法にこだわり、鉄屑の再利用を常に模索して、そしてシステムやマシーンの配置も柔軟にいつでも配置換え出来るように考えられ、工場自体がまるで生き物のように変化出来るように設定がしてある。 まぁトヨタシステムを知っていれば当たり前の事なのだが、なかなかこの規模の工場がそれを維持、また活用をしていく事は容易ではない事ではないと言う事も知っている。 でもそれは高品質、高性能である製品をつねに正しく提供する為に必要不可欠なのである。

Cielo

そしてまたCielo Crewとのご対面となる。

左のNickは言わずと知れたSurly Original Threeのひとり。一昨年の結婚を機にミネソタから自転車の聖地ポートランドに移住。Belovedの立ち上げを手伝う事をきっかけに現在はCieloのFull Time Workerとして、今年King Groupに迎え入れられた。 右の彼はBuck。SantRosa生まれ。Jay Sycipと同郷である。CoMotionCycleで数多くの自転車の製造をしていた所をJayとKingに誘われてCieloで製造を手伝う事になった。元SFメッセンジャーでもある事を付け加えよう。

今回の最大の収穫はこれである。

そう、この秋から唯一の外注であったPaint部門を自社工場内で出来る事になった。 現在のアメリカにおけるペイントショップの需要と供給のバランスは最悪だ。 発注先が非常に少ない上に、人夫も少ない為に多くの時間がそこで裂かれてしまう。 そしてミスも多くなる。(日本もおなじことか。。。すいません仕事が遅くて。) 現在残念ながら若干の納期遅れが生じているCieloも他のメーカーと同じ問題を抱えていた。(本当に数少ないメーカーのみが自社内にペイントショップを持っている。 Vanilla, IF, SEVEN,,,本当に少ないのです。) Cieloは今年のはじめ、トラックも塗れそうな巨大なブースを設置して、専任のPaint WorkerをSEVENから呼び寄せて、10月までにはきっちりとここで塗装を始める予定である。 つまり今後の色々なオプションも含めて新しい展開が生まれるかも知れないとだけ言っておきましょう。    

ちなみに下記の写真は僕の周りのある一定の人のみが喜んでくれるであろう写真。

ChrisKing 45Road Hub for Campy. This will be released in very begging of next year for sure. Also Carbon bearing for 45Hub will be available in Sep or Oct.
念願のChrisKing Hub / Campy組が出来る日がやってきます。  

でもって、ChrisKing本人が直々に組んだLugged Sportif RacerのDetailの写真も上げておきますのでペロペロしてみてください。

やっちゃてる。 趣味人はタチが悪いです。 色んな “?” が見つけれたら、あなたももうタチの悪い趣味人です。  


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