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2018/8/18

Talking about The Homage 26

Text by SimWorks / Photo by SimWorks

なんとしても阻止せねばならぬのは巨神兵の復活、ですがシムワークスではパナレーサーの名作マッハSSをオリジナルの26″で復活させ、ジ・オマージュタイヤシリーズの仲間に加えたのです。トレンドからは遠く、とうの昔にスタンダードから転げ落ちてしまったかのように見える26インチ(559)タイヤですが、ねじ切りのヘッドセットやクイルステムはもう誰も使っていないと思います? シムワークスは知っています。

90年台、オフロード自転車の楽しみはますますもって熱を帯び、アトランタオリンピック(1996)ではいよいよマウンテンバイク・クロスカントリーレースが正式種目に採用され、名実共にアクティビティのスタンダードへと躍進を果たしました。時を同じくして、世界中のパーツメーカーによる新製品開発競争も激しく沸騰していた時期でした。
オリンピックの種目ともなると、ロードレースの世界から転向してくる選手も増えてきました。ワールドカップのような舞台ともなれば選手は勝利を、観客も更なるスピードを求めるようになったのです。
タイトなセクションが続く下りのような、抜きどころが少ない箇所での性能より、加速性能、トップスピードが問われるパートでパフォーマンスの高いタイヤが求められました。1997年、パナレーサーはこのようなレースへのハイスピード化に対応するため、転がりの軽さとコーナーでのグリップのバランスを高次で両立した非常にバランスの良いセミスリック・タイプのタイヤ「マッハSS」を開発、デビューさせます。
(路面状況に併せて、緻密なタイヤセッテイングを行うのが当たり前だった当時、「マッハSK(セミノブ)」という兄弟分のタイヤも同時に発売されました)


このように純然たるレース用として開発されたマッハSSでしたが、その走りの軽さを追求したトレッドパターンがオフロードだけでなく、そこに至るまでのオンロードアプローチでもバイクの気持ちよさを失わない実力があることが認識されるようになると、路面状況を問わずにライドのパスを広げることのできる「楽しいタイヤ」として注目されるようになりました。
正にオールテラインなタイヤの実現は、もともとツーリングが得意なパナレーサーならではのエポックメイキングだったと言えます。そして、この遺伝子は現代のグラベルキング・シリーズへと受け継がれ、シムワークスのジ・オマージュタイヤへと派生しました。


Size : 26″ x 1.95″
ETRTO : 47-559
Bead : Aramid
Color : Green x Skin, Black x Skin
Weight (ave.) : 550g
Price : ¥6,200(税抜)
マッハSSのデビューから21年、その間に自転車の楽しみ方はどれだけの広がりを見せたでしょう。先端の規格や技術は日夜進歩を続けています。もちろん僕たちも少しずつ進歩を重ねていますが、まだまだ使えるものをポイポイ捨てるつもりもありません。直したくなるようなものをちゃんと所有し、大事にそれらを長く使っている人たちと一緒に自転車で出かけたいですし、実際にそんな世界の仲間に僕たちは恵まれています。

小さくとも大きく響いた、そんな仲間たちの声から生まれたのが、このジ・オマージュ 26なのです。