2018/4/16
[Bike 伊豆 between you and me] 日向夏NEO

ちょうど一年かかって、ようやく街乗り専用機を組み上げた。

心の底から満足している。

 

街乗り自転車に求められるような利便性は一切考えなかった。

考えたのは勿論速さなどではない。

格好の良さと頑丈さだ。

シンプルに街乗り用の”道具”としてこの一台を捉えると、その二つだけがぼくには必要だった。

遊び”道具”は少しくらい不便な方が面白いだろうし、便利さを捨てるなら堅牢性を得たかった。

そして組み上げた。

その出来栄えに心の底から満足している。

 

散々迷ったのだけど、ポールコンポーネンツ x シムワークスの部品群導入を決心したのはやはり間違いではなかったと思っている。

ぼくが伝えたいのはブレーキタッチがどうとか、コントロール性やパワーがどうとかではなく、心の充足感だ。

他にも少しだけポールの製品は所有しているのだけど、クリスキングの製品と同様、使う機会がなくても手放せない。

ストックボックスにあるだけで心を満たしてくれる何かがあるのだ。

 

Rew10 Works

新たにオーダーしたフレームではない。

7年前に購入したもので、3年ぶりに乗れるようにリペイントを施し組み上げた。

リペイントは勿論、球体ペイントに依頼した。

 

頑丈に組まれたフレームのリペイントには頑丈なパウダーペイントを。

ぼくが選んだのはスターイエローだ。

が、ぼくは勝手に日向夏イエローと呼んでいる。

伊豆では別名のニューサマーオレンジと呼ばれることが多いのだけど、日向夏は伊豆の名産品である。

どうしても伊豆に因んだ色を選びたかった。

やや強引ではあるが、伊豆を表現した色味にも満足している。

 

リペイントに合わせてRew10のデカールもお願いした。

フォントやサイズ、貼り付ける位置はお任せで。

しかし、デカールはクリアの下に閉じ込めるのではなく、クリアの上に貼ってもらうことを指定した。

パウダーペイントの上に、時が経てば朽ちていくデカール。

飾り気控えめなスタイルで、単なる遊び道具としての存在感を醸したかった

 

堅牢性を語るならシングルスピードである必要があり、更に言えばフィクスドギアであればよりタフなものになると思った。

利便性の欠片もない、シンプルで頑丈で、加えてクールでクレイジーな仕様に違いない。

峠道の中腹に暮らすぼくは、市街地へ出る為に長い距離を下って行かなければならない。

フィクスドギアでは不便なのだけど、それは些細な事だと思える。

タフでクールであればそれで良いのだ。

 

Rew10 Works 日向夏NEO

伊東での暮らしをより明るく照らしてくれる黄色の一台である。

 

組み上げてすぐにこの日向夏NEOで街へ繰り出した。

ローローマウンテンワークス x シムワークスのタビチビトートをハンドルバーに括り付けお風呂セットをぶち込む。(4月15日現在、シムワークスのオンラインショップでは完売となっておりますが、リンク先のローローマウンテンワークスのオンラインショップではわずかに在庫があるようです。)

共同浴場へ行くという何気ない暮らしの一部分がとても鮮やかなものになった気がする。

 

翌日には市の北端、宇佐美地区へ赴いた。

シラスを買うためだ。

 

伊豆では十月サクラという品種の桜が所々で秋から冬にかけて花を咲かせる。

そして河津サクラを筆頭に、寒桜各種もあちらこちらで順々に花を咲かせる。

その後、ソメイヨシノの開花が全国版のニュースを賑わすのだけど、秋からずっと桜の花を見続けているのだから、

ぼくらは比較的クールにソメイヨシノと向き合っているかもしれない。

 

ソメイヨシノに代わってぼくを狂わせるのがシラスだ。

静岡県では1月15日から3月20までシラスの禁漁期となり、その間ぼくはソメイヨシノの開花予想情報をニュースで見ながらも、3月21日のシラス漁解禁を待ちわびることになる。

花よりシラスなのだ。

 

今年は漁解禁から連日大漁のようで、漁師たちはとても忙しそうだ。

茹で上がったばかりのシラスは湯気で傷む為、こうしてすぐに風に晒す。

忙しそうにシラスを網の上に広げる漁師達のそばに自転車を停めると、ほら食えと両手いっぱいにシラスを乗せてくれる。

 

シラスは1パック500円。

シラス丼にすれば大盛2杯分以上は入っている。

 

コンビニでおにぎりとサラダを買い、ヨットハーバー脇のベンチに腰を下ろす。

つけ麺でもしゃぶしゃぶでもないのだけどおにぎりはシラスのパックの中を何度も泳がせ、サラダの容器には中身が判別できなくなる程大量のシラスを投入すること2回。

言うまでもなく至福のひと時ではあるのだけど、その後夜まで続く喉の渇きには注意されたし。

 

第一部 タウングラスパー
第二部 定食の彩る世界
と続いたぼくの街シリーズをこのようにして、the answer編で結ぶこととなった。

7年前のRew10 Worksを伊東市街地有人探査機として再誕させたことがぼくの街への”答え”だ。

これから答え合わせをしていく。

日向夏NEOに跨って街へと下り、答え合わせをしていくのだ。

 

ぼくは己が街を愛している。

皆様方はご自身の街を愛していますか?

 

 

text : Hiroki Ebiko / SimWorks XC Racing [Blog] [Instagram]

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