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2015/9/25

[Bike 伊豆 between you and me] シングルスピードMTBを暴く。

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かれこれ9年ほどシングルスピードのMTBに乗り続けているわけですが、今ここで色々と暴いてみたくキーを叩いているところでございます。

 

僕自身が覚えるシングルスピードの最大の魅力というのは、トラブルに対する抗力です。

きちんとチェーンラインが出ていてチェーンテンションを保持してさえいればチェーンが外れることはほぼありません。

そして枝やら泥やらのせいでモゲるディレーラーを持ち合わせていません。

走行不能になるリスクの小ささ、これが一番の魅力なのです。

実はギアードと遜色なく速いシングルスピードですが、遅くないとなれば壊れにくいものを使いたいのです。

 

次に来る魅力、それはもう見た目です。

かっこよいのです。

今では通常であれば10枚とか11枚あるはずのギアですが、1枚しかないギアやシフターやケーブル類を省くことにより生まれた空間そのものに美を見るのです。

日本画の掛け軸の余白部分に大いなる意味を探ることと酷似します。

 

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多く語られるシングルスピード故の楽しさや奥深さについては、筆頭の魅力ではないというのがぼくの見解です。

伴う苦痛は楽しさを打ち消し、奥深さは変速のそれよりも遥かに浅いと感じています。

思ったよりは楽しい、想像よりも奥が深い、というのが真実なのではないかと思うのです。

しかし、覆う苦痛の隙間を縫って稀に表に現れる楽しさと、そこまで深くはないけれど簡単には把握することができない奥深さというものは確かに存在しています。

 

シングルスピードはコースによってはギアードを凌ぐことがあります。

実は過酷なレースの代名詞である王滝はシングルスピードにお誂え向きだと感じています。

アップダウンの応酬の中でこそシングルスピードは活きるのです。

 

シングルスピードに適したセッティングというものもあると思っています。

ぼくのバイクで例を挙げていくと、まずはサドルは高めで前寄せ、トップは長めになります。

シッティングでトルクを掛けられるようにしています。

クランクはトルクを稼ぐために長めが良いと思います。

一時期、180mmを使っていたことがありますが、さすがに長すぎて回らなかった為、今は175mmに落ち着いています。

クリートの位置はかなり重要だと思っているのですが、なるべく踵寄りが吉です。

重すぎるギア比での登坂ではどうしてもアンクリングを加えてしまうのですが、これが脹脛へのダメージが甚大で、続ければ必ず脹脛が攣ります。

クリートを後ろに下げて足首の可動域を狭め、踵が下がりすぎないようにする必要があるのです。

加えてリジッドフォークを使うのであれば、クリートが後方にあるほど衝撃をいなしやすいということもあります。

以上、セッティングのお役に立てれば幸いです。

 

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シングルスピードなどというものに過度な期待や幻想を抱く必要はありませんし、むきになって乗ることもありませんが、我慢して乗る必要は少なからずあります。w

多くの人はやはり便利な変速を求めるべきです。

辛い思いで9年ほど乗り続けているわけですが、「あとちょっと」なのにという場面が多く、「次こそは」と願うばかりなかなか降りられずにいるところです。w

皆様はどのような気持ちでシングルスピードを走らせているのでしょうか?

というわけで、SSWCでお会いしましょう!

Sim WorksはSSWCに協賛、出展致します!

 

text : Hiroki Ebiko / SimWorks XC Racing [Blog] [Instagram]