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2018/12/23

Ride to Where

Text by Izuru Shimasaki / Illustration by Yoshimi Shimotomai / Picture by Keiko Aizawa, Yoshihide Maekawa, Izuru Shimasaki


 

Ride to Where Nagoya
まずはウェブメディアとして。

 
 「世界が広がる」というのを何か新しい事を始める事に対して言うことがありますよね。僕にもメッセンジャーを始めて自転車が生活の中心に来た時にその感覚になった経験があります。実際にはそれまで見えてなかった物とか気にしてもみなかった事を意識するようになるんじゃないかと思います。道路は山なりに作られているんだなとか、路面を覆うアスファルトのいくつかの種類にはたまにものすごい抵抗の高い路面があるとか。自転車でしか通らないような場所に雰囲気の良い古い建物があったなんてことは日常的で、新堀川を南下していくと旧の東海道につながるとか、その東海道や美濃路のようなそもそも車を想定していない昔の街道を走って行ったほうが楽に走れるとか、それをいうなら三の丸の官庁街は実は日本で一番ぐらい走りやすいとか。街路樹の樹液がまるで小雨のように降ってくる初夏のころや秋になると鼻をついてくる金木犀や銀杏の匂いとか。
そういったことがペダルを漕ぐとまるで共感覚のように五感を同時に刺激してきます。
 
 

 
 
映画監督のスパイク・ジョーンズはスケートボードの世界でも有名ですが、彼が「スケートボードは街を、それが作られた本来の意味とは違う形で再利用するんだ」うる覚えですがそのような事を言っていました。名古屋の街がモビリティとして積極的に想定していない自転車も同じであると考えるとスケートボードや自転車なんかで移動する人は名古屋の街を”本来の意味とは違う形で再利用”していると言えます。
 
 

 
 
そうした五感をフルに使ったオルタナティヴなモビリティで街を再利用しながら移動するスタイルというのはなかなか共有するのが難しく、家族のような近い人にさえ伝えにくいものであります。なんとかうまく共有できないかなと考えた時に自分たちの持っている視点でメディアを作ればいいんじゃないかというのがこのプロジェクトの始まりです。
 


 
“紙にインクで刷った”本を作る予定ですが、まずは1月にウェブメディアとして。そしてまずは名古屋から。
  
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