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2012/8/28

IF x King x Iglehert = Beautiful World

僕の周りの狭い領海で最近にぎわしているIFのDeluxe / Reduxという

とてもモダンでコンセプシャルなマウンテンバイクがある。

 

 

ことの発端はもちろんIFのBlogで知った。

セクシーでシンプルでバカボンで言うところの ”これでいいのだ” 的なマウンテンバイク。

ちょっとその文章を訳してみたのでまずは読んで欲しいと思います。

 

 

Deluxe :: Redux

 

クリス・チャンスがこの3月にあったサクラメントのNAHBSに現れました。ショーの終わり頃の会話では、彼はとりわけマウンテンバイクにおいてたくさんの事が変わったと言い残しました。彼はリップ・バン・リンクルのように時代遅れになり、自転車の世界から身を10年以上も引いていますが、自転車の世界に対して貢献した人の話しを聞くのはとても面白いのです。

事実、マウンテンバイクはとても変わりました。良い部分ではディスクブレーキ、29インチのホイール。そして悪い部分は、複雑なサスペンション、多すぎる部品、そしてつまらないカラーリング(デカーリングともいう)。

カリフォルニアから家に帰る間、そしてその後も、幾度かこの会話を思い出していました。

 

Deluxe Reduxプロジェクトの最後の勢いとなったのは、マウンテンバイクというものは一体何なのか、または一体どうなるべきなのか、という事をみんなと話し合った事でした。その会話は、究極にも“いつマウンテンバイクが作られたか?”というところまで遡りました。

 

初期のマウンテンバイクは色々な事が起きていました。でも、共通して言えることは新しいスポーツの誕生自体とても楽しかったのです。なぜかというと、全てが新しく、その上、反体制的な部分があり、文化的な要素もなければ、みんなそこまで真剣になりすぎていなかったところです。

 

残念な事に、そういったいい加減なところが、スポーツとして成熟していってしまったところです。クレイジーな色はなくなり、小さなブランドはイノベーションと自転車のキャラクターの開発に一生懸命になりました。

 

もしこうなったら?という考えにとどまる事が多くなりました。

もし、オールドスクールの良いところを取り、ニュースクールの良い所に混ぜていったらと。私たちはまだまだ小さなブランドであるからこそ、もし気持ちが入れば、自分たちがやりたい事はなんでもやれるのです。会社の承認を得ながらミーティングをし、シリーズ化された製品を持つ必要は全くないのです。

 

だから、過去を思い出す事、そしてちょっとした嘆きから、このDeluxe Reduxを呼び起こしました。The Deluxeは17年間私たちの基本的な形でした。継続的にこの数年間、サスペンショントラベルの増強を調整するために鉄やチタニウム、、最近では新しいBBスタンダードやテパード・ステア・チューブをアップデートさせ、洗練させました。

このReduxプロジェクトのために、初期のマウンテンバイクにあった頃の真髄、速く、すばやく、そしてちょっと乱暴に扱っても大丈夫なようにデザインされたシンプルなマシーンへに戻りたかったのです。なので、セグメントフォークで、鉄のフレームのがっちりとした物を作ることを決心しました。クリス・アイグルハートFat Cityでフォークを作っていました。そして彼はいつも自分のスキルアップをしようとしています。なので、私たちはサスペンションがついていない29インチのフォークを集めて欲しいと頼み、彼はそれを送ってくれたのです。

29インチの大きなタイヤは余分なクッションや、ロールオーバーの性能を良くし、何にでも利用できるニューイングランド・ジオメトリーと合わせ、気持ちよくハンドルさばきができる軽くて強い自転車に仕上げました。シマノのXTグループのような現代的なパーツを使いました。これは通常 ”大きい子供たち” 為のBMXバイク用に使われています。(最後のくだりは大好きです。w)

 

カスタムされた見た目を特徴ずけるためにクリスキングのハブ、ヘッドセット、BBをマッチングさせた3つの明るい色を最終的に選びました。

そしてみなさんがこの自転車を楽しんでくれることを心の底から願います。

 

Cheers,

G

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僕は先日のGourmet Century Ride の為にポートランドに行きとても驚いた出来事のいくつかにこの話がとてもシンプルに絡み合っていることを発見してとても幸せな気持ちになりました。 なぜなら、Cieloのフレーム工房にChris Iglehertがいたのです。

彼はちょうどCieloに雇われたばかりで今日が3日目だという話であり、そしてとてもやりがいのある仕事に就けたことを大変うれしがっていました。

(Chris Iglehertは今後Cieloの二人目のメインビルダーとしてみなさまのオーダーに対応いたします。)

そのあとに僕はChris kingのストックルームでパープルのハブとヘッドセットを見つけすべてを理解しました。(来る前にIFのこのBlogで読んでいたので、IglehertのForkを使うことも知っていました。 憶測ですが、ChrisのOregonへの移住にあたりひとつのプロジェクトとしてこれが立ち上がったのではないかと。 もちろんその前のマウンテンバイクに関する思いは当然あるという流れのなかで。)

 

Fat Chance, Independent Fabrication, Iglehert, ChrisKing & Cielo

すべてが繋がり、すべての人情や感情がそこにあって、とどのつまり小さな世界であり、素晴らしき世界であり、尊敬すべき世界であるのだと。

そして僕は思いました。

たぶん30年前の日本の自転車業界の感覚や、思いや、つながりの系図を。

そして今現在の状況と比較をして思うことがドンドンと僕の頭の中を駆け巡ったのです。

 

僕はやはりこの人たちが存在するこの世界が大好きだなって。

なんとかもっと多くの人たちにこの世界観を理解してもらえないかなって日々思うのです。

 

 

Text by Shinya Tanaka

 

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