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2019/3/11

【RIDE FISH ROCK】Hardest Ride Ever…

今まで色んなライドをしてきたけれど、その中でも記憶に残るハードなライドは、日本で初めて開催したラファのジェントルマンズレース(今のプレステージの前身)、そしていつかの真冬にパイセンと奥三河を巡ったライドだろうか。そして、今回。。。

NAHBS出展に向けてシムワークス本体との合流を前に、一足先にカリフォルニア入り。 サンタローザのジェレミー・シシップのところにお世話になっている。 先に来たのには理由があって、ジェレミーや、レトロテックのカーティスから面白いレースがあるから出ないかと誘いがあったから。

グラベルロードレース “FISH ROCK”

地元サンタローザに拠点を置くレースイベントオーガナイズ会社 BIKE MONKEYが開催するFISH ROCKというレース。 今年はグラインデューロがついに日本でも開催されると話題になっているが、本場のグラベルレースイベントがいかなるものかと個人的には勉強も兼ねて参加することに。

サンタローザから車で1時間ほどのブーンビルをスタートし、全長116km / 獲得標高は2950mにも及ぶコースを回ってくるコース。 大半は舗装路だが、後半からダートの登り下りが連続するコースということで、参加者の多くは700x30c-35cくらいのセミブロックタイヤを履かせたバイクが多かった印象。

中にはキャリパーブレーキで25cのタイヤというライダーも多く見られた。 マウンテンバイクも数台だけ見たが、多分ドロップハンドルで一番太いタイヤを履かせていたのは間違いなく27.5×2.2″の私だろう。

ジェレミー(SYCIP)はディスクロード、カーティス(RETROTEC)は昨年のCK OPEN HOUSEにショーバイクとして持ち込んだディスクロード、そしてクリス・コンセンティーノはシシップのチタングラベルバイクに乗って参戦。

とは言え、車種がどうというのは気にせず、とにかくそれぞれが多種多様なバイクに跨り、ライドを楽しもうという空気がそこにはあった。

カリフォルニアの3月だから、そこそこ暖かいだろうと思っていたものの、ここ最近は不安定な天気が続いていて、当日も雨予報。 会場へ向かう途中は晴れ間も見えたが、どうもコース前半の峠では朝から雪が降っていたらしい。

天候の回復を待つということで、スタート時間を遅らせるアナウンスがあったが、ペースに不安があった我々はスタートの号砲を待たずして、先にスタートを切ることに。

ほどなくして、先頭集団がすごい勢いで峠を登って来た。 もちろん(我々も)レース中の写真である。

参加者は300名ほどで、アメリカで言えば小さなローカルレースの一つに過ぎないが、先導車はもちろん、救護車に加え、分岐点では警察が交通整理を行なっていたりと、サイクリングを支える土壌がしっかりと根付いていることを痛感する。

先頭集団が過ぎ去り、コースへと復帰した頃には雨が降り出し、最初のエイドステーションに着く頃には本降りとなってきた。 この時すでに身体はびしょ濡れ、その後の下りで身体は芯まで冷え切った。 まだコースは折り返し地点に差し掛るかどうかというところだったので、無事にゴールに辿り着けるのかという不安が頭をよぎる。

そしてコースはいよいよ未舗装路のセクションへ。。。

それなりの補給食も持っていたし、エイドでもしっかり補給していたものの、寒さもあってかハンガーノック状態に。 下りでは震えが止まらなかった。 所によっては気温が1度をさしていたところも。 完全にカリフォルニアをなめていた。 もちろんミネアポリスの方が寒かったけれど、メンタル的にはこっちの方が寒かったと思う。

登りで遅れを取ってしまう自分を気遣い、カーティスやジェレミーが並走してペースを作ってくれたり、エイドステーションや道中のボランティアのスタッフが励ましてくれ、なんとか最後の峠の頂上のチェックポイントへ。

あとは長いダートの下りをやっつけて、舗装路に戻ればゴールが近い。 日没まではあと1時間。

だが、無情にもオーガナイザーの判断によりここで足切りに。 回収車に乗ってゴールへと向かうことになったのだった。 結果的に僕らは、公式なスタートをせず、フィニッシュもしなかったということになる。。。(笑)

もう力は残ってなかったけれど、ゴールまで踏みきる覚悟をしていただけに、悔やまれる。

そして、数字で見ても、気象状況から見ても、僕自身の中で最も記憶に残るハードなライドだったのは間違いない。

なんでこんなことしてるんだろうと思う瞬間も正直あったけれど、周りで励ましてくれる仲間がいたり、見ず知らずの日本人に必死になって応援をしてくれる人がいたり、とにかくみんなに背中を押されたライドだった。

困難の先にあるものを見たい。 そのためにも自転車はペダルを漕がないと前に進まないのだから。

アメリカではシャワーを浴びることが多いのだが、昨晩は久しぶりにお湯を張り、湯船に浸かって芯から冷えた身体をしっかりと温め、お風呂のありがたみを痛感するのであった。

NAHBS2019まもなく

この後、SimWorks本隊と合流して、NAHBSに出展します。
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#swustour2019