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2014/12/5

やはり言葉は難しい。

【カスタム】という言葉が、このバイクの世界においてとても不安定で不明確に伝わってくる事が往々にしてあります。それは我々がカスタムバイクを皆様に提案させていただいていることは紛れも無く確かな事実なのですが、その言葉を使用するメーカーならびにメディアさらにはカスタマーや店頭で働いている従業員のみなさまが使用している時にもとても考えさせられる時があります。
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まずは「カスタム」と呼ばれる呼び名に対してです。一部の自転車メーカーは完成されたストックフレームに対してペイントの選択肢を与えること、それを呼ぶ際にカスタムと呼称します。他にも、フレームのサイズ設定においていくつかの種類のチューブセットや角度の選択肢を提供し、作り上げられたフレームに対しての呼び名をカスタムとも。そしてまた他のいくつかは人の意見と数字を真摯に取り込み、総合的にはじき出された答えを元にしてフレームを作り上げるメーカーについても、同じ単語「カスタム」を使用しています。これらの事実はこのカスタムという言葉にとても効果的なセールスポイントがあるということを端的に表していると思います。

 

次にその言葉がすでに”威圧感”をもっているということです。サイクリストはカスタムという言葉を聞くと、”ああ、俺にはいらないな。” と簡単に思い込むことが多く見受けられます。その多くの人が持っている威圧感とは何でしょうか? 新しいバイクを求めているライダーは、その新しく手に入れるものからしっかりと何かを得る必要があります。そして2、3台目に新調するバイクとはおおよそハイエンドと呼ばれるものにより近づいて行っていることを踏まえて、その新しく手に入れようとしているバイクは、彼らの望むすべての物事がしっかりとその対価の中にふくまれているのか。そのライダーの望むすべてを届けることができる自転車が世の中にはあるのだろうか? という問いかけに対し深く踏み込んで対応することが「カスタム」の長所であり利点なのですが、「カスタム」における一番大事な対話の必要性とその逆行するコミュニケーション不足がちなこの世界ではさらにその”威圧感”を感じさせてしまうのかもしれません。しかしながら求める全てを得ることは必ずできるということをここで知ってもらいたいのと、今後その全てを望むその顧客に対し産業はどう対応することができるのか、また出来たとして、それらの多くの要望を面倒臭がらずに一緒に丁寧に考えることがはたしてできるのだろうか、などの新たな発展のキーワードになる可能性があるのもあながち間違いではないでしょう。

 


バイクAはあなたが望むものの多分2/3くらいを与えてくれるでしょう。
バイクBはあなたの望みのすべてを与える事ができるかもしれません。

 

サイクリストにとって最良のバイクを所有してもらうために、我々には何ができるのかを日々考えたいものです。

 
 

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