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2017/9/13

[Crifford] Free Style Dirt Criterium at GONZO PARK

この間、久しぶりにDoppoに乗ってレースに出てきました。
シクロクロスのシーズンは「冬」ですが、この日はMTB・シクロクロス混合ジャンルの垣根を超えた、AJOCC非公認のナイトレースでした。

東海の自転車のシーンを年中盛り上げているCLTBUCYO COFFEEのハッチさんが中心となっての開催。

東海シクロでのコース作成も行なっているハッチさんですが、過去にはシクロのコースにジャンプ台を設置してAJOCCから注意されたこともあるような、レースでも遊び心を忘れないフリースタイルな方。

開催場所は名古屋から遠くない三重県桑名市にあるMTB・BMX用ダートコース GONZO PARK

GONZO PARKにはたまにBMXを乗りに行っているので、馴染みのあるコースをシクロでレース、というのはかなりテンションが上がります。

家から1時間半ほどかけて輪行+自走で到着後、着替えもせずそのまま試走へ。

逆に普段こんな服装でこの場所でBMXを乗っているので、ジャージを着る方が違和感がある、というのが本音です。

日が沈まないうちに行われるキッズレースに向けて、親子で教えながら走る姿もチラホラ。

一番最初に白熱したレースを見せてくれたキッズ達。

自転車を乗るのを応援してくれる親や、小さい頃から自転車で色んな世界が見られる環境があるのは羨ましいな、など色々考えながら観戦。

偶然、僕の家の近所のBMXで有名な問屋で、面白そうな人達が楽しそうに自転車を乗っているところに14歳の時に出会い、1年間お金を貯めて自転車を始めたのが、つい最近のことのように甦ってきました。僕が競技性を無視して、他の人が見ても楽しそうに見える形で自転車を乗りたいと思う理由でもあります。

その時は自転車がきっかけで、こんなに世界が開けて、色んな場所を飛び回ることになるとは思いもしませんでしたが。

単に自転車を競技としてではなく、ライフスタイルとして自分の生活に取り込んで、自転車から色んなことを吸収するキッズが増えていくのが楽しみです。

試走を終えて僕の走るレースの時間までは、BUCYO COFFEEで冷やしうどんを食べ、久しぶりにレース会場で会う人と楽しくワイワイ。
ネパールで腹を壊して一週間の絶食後にうどんを食べて感動して以来、うどんは日本が誇る食べ物、と思っているので、ここ最近うどんを見るたび「日本で食べる最後のうどん」だと思って噛み締めながら4日に一回は食べています。
(すぐ食べてしまったので、BUCYO COFFEEの美味しいうどんの写真はありません)

ナイスガイすぎて後光が射していますが、最近CirclesやSim Worksのためにも色々動いてくれているJasminからはカナダのお土産をもらったり、僕が9月から留学に行くヨーロッパの自転車事情を聞いたり。ひょっとすると、走る国は違えどJasminとは同じチームメイトとして走る日も近いかもしれないので、要チェックです!

非公式レースのゆったりした楽しい雰囲気で色んな人とペチャクチャしながら、夜に向けて準備するのは今までのシクロクロスより好きな点の1つでした。BMXライダーは基本PM9時から動き始め、遅いとAM4時に活動終了する夜型人間ばかりで、僕もそのうちの1人です。なので実はシーズン中のシクロレースは超ツライんです。(SimWorksブース設営のための早起きは尚更)

この前日も夜遅くまで友達と遊び、昼12時に起きるというレーサーとは言えないぐらいの不健康ぶりです。

そこからは一気に陽が沈み、ナイトレースらしい雰囲気のもとレースが順次スタート。
スタート直後は一斉に登りの暗闇の藪に突っ込んで行く無数のライトは、かなりの迫力。

それを見た僕は「ヤバい、手持ちのライトだと明るさ足りない」とビビり、ライトを貸してもらえそうな人を探しに行くことに。

ハードコアライダーなCirclesのお客さん、香月さんの所に行って交渉へ。

香月さんはシクロもMTBの大会でも、いつもファミリーで参戦しているのですが、この日も息子二人を連れての参戦。

ライトの件を聞いたところ、快諾してくれました。息子さんたちが羨ましいぐらい、めっちゃ良いパパです。笑

ホッとした思いで、普段使うことのない眩しすぎるようなライトの電源を入れてからスタートラインへ。

レース開始直後は、始まって30秒以内の時点で、暗闇ゆえ路面把握が出来ずダートの登りで詰まった選手を越し、5番手から4番手へ浮上。

その直後に下りの急なショートカットを使い、さらに追い抜かし3番手となり、好スタートを切れました。

貸してもらったライトと、ヨーロッパ系の父から譲り受けたメラニン色素の少なさで視界は問題なし。

2周目からは、目の前にいる2番手の後ろにピッタリつきながらプッシュ&プルによる体重移動に集中。

それと同時に、「このジャンプ、どうやって力抜いて飛んでいたっけ?」という考えが頭の中をグルグルする、久しぶりのダートジャンプにありがちな状況に陥っていました。

感覚が戻ってきてDoppoでもゲシらずきちんと飛びきれるようになり、腕の力による推進力が安定してくるようになったのは3周目ぐらいでした。

BMXでもダートには半年に一回ぐらいしか行けておらず、来る度に飛び方を思い出すのですが、それが毎回大体30分ほどはかかってしまうのです。

こんな環境が近くにあれば反復練習がとても捗るのに、と毎回思います。

ちなみに、今までビブがわりにLevi’s 511 Commuterを使ってきましたが、今季からは Deeper’s wearRALのコラボの FAST PASS Shortを使い始めました。丈夫でストレッチも効き、速乾性があるため、最近ヘビーローテションしています。

今回のレースは、普段のシクロクロスのレース時間よりも短い約20分間で6周でしたが、アップダウンが激しい特殊なコースのため後半でタレる可能性があり、ジャンプはしつつ計画的に走っていました。

そのため、コブの間の平坦なセクションや登りでは脚力、コブや下りでは腕力、といった感じで全身の力を交互に使うよう意識して走ることに。

これだけコブのある路面だと、プッシュ&プルによる体重移動が漕ぐのと同等の推進力になるので、BMXやMTBでのスキルがかなり要求されるコースとも言えます。

(逆に言うと、MTB・シクロクロス混合となっていますが、実はMTBが有利&楽しいコースな気がしました。)

そこからは4周目までの間は、2番手を抜かすチャンスを伺いながら間を詰めて、珍しく冷静に走ることに。

そして、ついにチャンスが訪れ、急なバームの登りの場面で、前を走るMTBが変速のミスかトラブルにより、少し遅くなった瞬間にスッと抜かすことに成功。

これにより、4周目の始まり際に2番手に浮上。

「だからシングルスピード(変速機無し自転車)が良いんだよ」なんて思った瞬間を捉えた写真。そんな思いで追い抜いた直後のニヤつきです笑

参考までに、ギア比はどこに行く時も常に2.11ですが、フラットバーで腕力を効率的に使えることもあり、そこまでツラくはないものです。

しかし、結果として6周までの間にそこから追い上げることは出来ず、日頃からここでMTBを駆る僕よりも若い子が1位を取りました。そして、僕は2位でした。
レースの順位は気にしない方ですが、あと1人で1位、しかも自分にとって年内最後の日本のレースということもあり、「1位、取りたかったな…」と珍しく悔しい気持ちに。

自分のレースが終わった後は他のカテゴリのレースも見学・応援も。

僕のレースの直後に走るJasminはジャンルを問わずレースしまくってるので、レース直前でも緊張することなく余裕そうな雰囲気。

香月さんは、ビブではなく短パンに、RALのFASTPASSの白シャツに白のBreadwinner MTBで参戦。足元もQuoc Pham。イケてます。

Gonzoの特殊なコースのおかげもあり、「あのコーナーでどうした」とか、「一回派手にコケた」、「腕力でプッシュ&プルも練習するためにGonzoにトレーニングしに来なきゃ」など終わった後も盛り上がってました。Jasminにはたまに通訳をするのですが、こんな会話は言葉が分からなくても、世界共通でフィーリングで理解できて盛り上がれるのも自転車の面白いところ。

フリースタイルが好きな僕でしたが、やっぱり最近レースにハマってきた気がします。

何でも実際にやってみると新しいことや楽しいことができるようになるので、とりあえず続けてみようかな、と思っているうちに夢中になってきています。

BMXもこんなノリで始めて5年ほど経ち、体の傷は着実に増え、変に上半身に筋肉が付いて着られる服は減っていく代わりに、仲間も増え、面白い世界がどんどん開き、自転車界隈のコミュニティを楽しみ続けています。

家族連れも多く、良い意味でレースの緊張感も無く、来年も必ず出たい、と思うような楽しさ溢れるレースイベントでした。
僕は9月からチェコのオロモウツにあるパラツキー大学に1年間交換留学に行きますが、行く前の最後の東海圏のレースイベントは最高でした!

チェコには、シクロクロスもBMXも持って行き、ジャンルに関係なくフルに楽しむつもりです!

チェコの大学の女の子からは、「自転車持って来るなんて大学初だし、2台もなんて変わってるね」と言われましたが、気にしません。自転車が良い道具になるのは間違いないので。

チェコならではの地形を生かした自転車で遊ぶ場やそのコミュニティ、美味しい山水で作られる安いチェコのビール、もちろんパラツキー大学でのキャンパスライフも、楽しみなことだらけです。

調べてみたところ、寮から6kmぐらいの場所にダートジャンプのコースもあるらしく、ここに通うことになるかもしれません。おかげで大学での勉強のプランはあまり立っていません笑

ちなみに、今週末はチェコでのシクロシーズン開幕で近場で大会があるらしく、近所の自転車屋に連れて行ってもらって出場する予定です。

名古屋から1年離れるのは若干寂しいですが、色んな面でパワーアップして帰って来れるよう頑張ります!

尚、写真はKikuzo PhotoHK Productionsによるものです。ご提供ありがとうございます。

text : Rei Miyoshi / SimWorks CX Racing [fb] [Instagram]