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NAHBS Experience
僕らにとって大事なこと。

2012/04/18 Text by Shinya Tanaka
Photo by Rie Sawada
かれこれ何都市目になった?
 
サンノゼ、ポートランド、インディアナ、バーモント、オースチンでサクラメント。
やっとこさ一回りしました。ぐるっと、見てまいりました。
そして今回の “Trip”を通じてようやく分かりました。そこが大きな国だってことが。とてもとても。
 
それは単に質量だけの問題ではなく、メンタルや社会形成の方法にいたるまで、とても大きく素早く成長し続けているという事実であり、それを悪ととるのか、善ととるのかは自身で行って、見て、聞いて、話した人間が決める事だけど、僕の知る自転車社会から言わせて頂けるなら、そこにはとてつもなく大きな “差” が僕らの社会とついてしまっているのである。
 
でもそこで僕らにも僕らの見え方ややり方があって、その “間” を埋める事がSimWokrsを動かして行く確かな意味であり、とても壮大な僕らのライフワークになるのだなって改めて痛感したという事だったりする。
 

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NAHBSを6回も来ると、色んな物や社会の見方がちょっと変わるようだ。
 
僕も始めは狂ったように自転車の細部や、部品メーカーが出してくる新商品をあさったりしていた。
それはそれは他のトレードショウとはちょっと違った次元で見れるからすごく狂ってしまっていた。
(ちょっと賢い僕の連れはそんな姿を見てアホらしい事やってんなって言ってくれた事も今では笑い話。)
 
それが1回、2回と来るにつれてもっと大事な事がこの社会にはあるのだと気付けたことが、
僕がこのショウを誰よりも追い続けている理由なのかなと思えるようになった。それはつい最近の事。
 
そして日本にはない世界がそこにはあるという事実を体感する事も僕にとっては極めて大事なことなのである。
 


バッカじゃないのかと思われるかもしれないけど、
自転車が生まれて200年くらい経っているのに、僕はそれを “作っている” ところを自分の目で見る事がほとんど無かった。(もちろん組み立ては自分でするし、でも自転車を “作る” ということは別次元にある。)
 
僕の住むこの町では昔は自転車製造業が盛んで多くのフレームやパーツが町の中で作られ、組み立てられてけっこう高価な物として人に重宝されていたと思う。そんな事実を脇において僕は自転車というモノだけに焦点を当て過ぎて生きてきていた。
 
このNAHBSに来るまでは。
 
そう子供だったってこと。何も分かっていなかった。
  
そしてここで出会った人たちに素直に自分を曝け出し教えて欲しいことをいっぱい聞いた。
(子供だから)はずかしげもなく。そして答えてくれるのだ。皆がそろってそれぞれの正しい答えを。



キレイなものをつくる事が大事なひと、
お値打ちにものを提供することが大事なひと、
とにかくひとが求めるものを徹底的に作ることが大事なひと、
自分の持っている理論を徹底的にものに置き換えて提供する事が大事なひと、
様々なひとが様々な考え方でヒトとモノを繋げていると言う事。
 
生きる事は厳しくて、やりたくない事もいっぱいあって、
ものをつくるという事はとてつもなく大変で、しかもひとはとても我が侭で。
でも結局彼らは自転車が大好きで大好きで(乗る事も、作ることも。)、これしか生きる意味が見えてこなくて、
みんなそんな気持ちをモノに押し込めて作っている。
そんな人たちと出会えるこのトレードショウは、そこから得るべきことや学ぶべき事、そして僕らが忘れかかっている事を思い返させてくれるのだ。
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そしてそこで出会った人たちといつしか深い絆が生まれて、僕たちを仲間として色々と教えてくれて、
一緒にビールでも飲んで、一緒に自転車で走ったりした日にはすごく涙腺が緩くなったりもするのだ。
 
そして僕は思うのだ。そこで与えてもらった様々な事実をより多くの人と共有して、進化させることができたなら、僕たちの国でもいろんなアイデアがどんどんと膨らみ、きっとすごいスピードで進化して行くのだろうと。そしてより良いアイデアへとさらに昇華させることがこちら側でできるのではないのだろうかと。
 
これが “SimWorks” であり、その重要なコンセプトであり、僕たちの国からでも、もっと大きな世界に胸を張って飛び出していけるヒトやモノや情熱がすごい勢いで満ち満ちあふれる日が来るのだと信じていると言う勝手な僕の妄想なのである。
 
そして多分こんな勝手な妄想が、実は物事に関係なくちゃんと深いところで繋がっていて、どんどんと時代が回り出していく為のひとつの歯車に自分がなれるのならやはり本望だなって思っているのです。


 
大量にある “やった方が面白い” という演目を、どの順番で、どんなステップで踏んで、誰と一緒に踊ろうかと思うわけなのです。
ここまで来ちゃった以上は “確か” 以上に面白い舞台にしたいと思っているのです。そうなるべきなのです。
  
がむしゃらに遊ぶのです。
笑うのです。
そして伝えるのです。
 
 
以下次号へと続きます。
North American Handmade Bicycle Show  ( http://2012.handmadebicycleshow.com/ )

ノースアメリカンハンドメイドバイシクルショー、通称 NAHBS(ナーブス)と呼ばれています。シムワークスで取り扱っているフレームやパーツなども多数出品される世界最大のハンドメイド自転車トレードショウです。アメリカの各州都を巡回しながら毎年開催され、2012年はカリフォルニア州のサクラメントでした。(2013年はコロラド州デンバーでの開催予定です。


– NAHBS & More の写真 [ FlickrのNAHBSフォトセットをご覧ください。]

– お問合せは、info@sim-works.comまで。